社長・会長・専務・常務・理事という呼称はいわばニックネーム
おはようございます。
曇り空。またお天気が下り坂のようです。
昨日は株主総会が無事に終わりました。毎年これが終わると不思議な解放感があります。今朝は、会社を始める前には、ほとんど縁が無かった監査や株主総会というもの。それがどのようなものなのかを簡単にご説明してみましょう。
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■今年も無事に終わりました、監査と株主総会
先日は、監査役からの会計監査を受けていて、報告されている数字が、まるでカミソリのような切れ味を持っていると感じ、ちょっと誇りに思ったのでした。
いいじゃんネットを経営していて恵まれていると思うことがあります。
・ 数字が矛盾なく、不正なくまとめられている。
・ 全ての数字にポリシーがあり、簡潔にその掲載理由が説明できる。
・ 事業構成がシンプルなので計算書類が極めてクリアである。
・ お客様からの入金トラブルが皆無である。一流のお客様。
これは、東レの財務部から指名される歴代監査役からのご指導、そしてそれを受けた経理担当者と税理士の潔癖症と完全性に基づいた仕事、そしてそれを8年間積み重ねてきた継続性。これらがあってできたことです。一朝一夕にはできたことではありません。ある意味、奇跡です。
「こんなに数字がしっかりしていて、さらに利益率が高くて。すばらしいです。」
監査役からもらったコメントでした。そして、昨日はその監査を元にした、株主総会、そして税務申告書類の準備などを、自信を持って進めることができたのです。
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■取締役と監査役
上場企業であろうと非上場企業であろうと、株式会社は株主による投資で動いています。株主は、「取締役」たちを指定し、そこで構成される取締役会が会社運営の責任を持ちます。株主は「監査役」も指定します。取締役会がちゃんと業務を遂行しているか、会計的に間違いが無いか。そういったことをチェックする人ですね。
取締役と監査役を選ぶ権利は株の多さに比例します。
選ばれた取締役たちで開かれる取締役会では多数決で「代表取締役」を選びます。対外的な契約を結んだりする際の会社の責任者です。社長や会長、専務、常務、理事などというのは、業務遂行上のいわばニックネームです。つまり、[代表取締役=社長]とは限りません。専務がなったり、会長がなったりしてもいいわけです。代表取締役用務員と名乗っても構わないわけです。
株式会社からすれば、取締役なのか代表取締役なのか、それだけが正式に定義されています。だから自分のタイトルには、会社で定義された「代表取締役」とだけで「代表取締役社長」とは書かずにいます。「社長」は単なるニックネームですから。
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■株主総会で何をするのか
株主総会とは、株主が投資したお金が、取締役たちによって株主の意向通りに活用されているか、そのチェックをする場です。代表取締役が議長を務めます。
議長は、株主に対して会社の方針を決めるような「議案」を挙げて、それらを承認してもらいます。必ずあるのが、「事業報告」と「決算報告」の承認、取締役や監査役などの信任、そして、取締役の報酬総額と監査役の報酬の承認です。
監査役は、これらの報告が法令や定款(ていかん※)に従っているか、株主総会の前にチェックし、それが正しいものであると宣言する「監査報告書」を提出する必要があります。
※Wikipediaより:定款(ていかん)とは、社団法人(会社・公益法人・協同組合等)・財団法人の目的・組織・活動・構成員・業務執行などについての基本規則(実質的意義の定款)、また、それを記した書面・記録(形式的意義の定款)である。
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■監査報告書
監査の結果として報告されるのが次の項目です。
(1)事業報告書等の監査結果
(2)計算書類※及びその付属明細書の監査結果
※貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書
特に決算書案を作成して、それが矛盾や間違い、違反が無いかを見てもらうところは、いつも緊張します。潔癖な数字を積み重ねて、間違いが無いかのチェックを受けるわけです。
その監査の結果が監査報告書だということですね。
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■事業報告書と決算報告書
「事業報告書」で報告する内容は次のようなことです。
1.会社の現況に関する事項
(1)事業内容
(2)組織
(3)借入金残高と借入先
(4)事業の経過・成果
(5)資金調達
(6)投資
(7)他社の株式、その他の持分の取得・処分
(8)直近5事業年度の財産・損益の状況
(9)対処すべき課題2.会社役員に関する事項
(1)取締役の地位、氏名、担当
(2)他の法人等の代表者であるときはその事実
(3)その事業年度についての取締役報酬の総額
(4)報酬等の額の算定根拠を定めている場合はその方法・方針概要
(5)その他、会社役員に関する重要な事項3.会社の株式に関する事項
(1)株主の氏名・保有株式数
(2)その他重要な事項
「決算報告書」では、次の数字を報告します。
1.貸借対照表
2.損益計算書
3.株主資本等変動計算書
4.個別注記表
こういった準備を進めて株主総会に臨むわけです。株主構成が、いいじゃんネットの役員と東レだけであるというシンプルな構成であっても、こういったところは「ちゃんと」やっておくということがとても大切だと考えます。
考えてみると株主にも恵まれています。
こういった環境で、日々製品やサービスの進化に全力をかけられることに感謝です。