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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

2001年9月11日は同時多発テロ。1997年8月31日は?『聞く力』

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おはようございます。

5℃、この冬一番の冷え込みを更新中です。横須賀線の車窓からはクリアで綺麗な夜明けの天体ショー。足の肉離れから1週間。だいぶ良くなりました。

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今朝は「聞く」ということについて。会話をしていながら、相手の言うことをろくすっぽ聞いておらず、次に何を話そうかとばかり考えていませんか。自分はとても下手だと認識しています。下手であるのなら学べばいいわけです。

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■聞くことができたらいいな

英語でも"Power of listening"と言いますが、聞けるというのは大切な能力です。そして、その部分、自分はとても下手くそです。ということで、一昨日は『聞き上手になるためのセミナー』というものに参加してみましたクロスロードの辻口さんという人の開催したものです。

お話しが大好きな辻口さんが、「聞くこと」についてセミナーを開催するとのこと。その裏に何があるかを確認したい衝動を抑えられませんでした。そして、そのセミナーは期待を遙かに上回るおもしろさでした。

内容もプレゼンテーションもすばらしかったです。まるで宗教家のように聞く人全員を引き込んでいました。せっかくなので、学べた内容の一部をシェアさせてもらいます。

では、表題、1997年8月31日の答えを。。

「ダイアナ妃が事故で亡くなった日」です。

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■芸能レポーターが成り立つ理由

人は、自分の話を聞いてくれる人が好きになってしまうそうです。

芸能レポーターという職種があります。どうして彼ら彼女らが存在するのか。摩訶不思議でたまらないのですが、セミナーで氷解しました。彼ら(彼女ら)は、聞くという行為で芸能人やスポーツ選手に好かれていくという、その道のプロたちなのですね。

そして「聞く」ということは能動的な行為なのです。「聞かされる」のではなく、「聞く」です。聞くことができるのも能力だといいます。

「聞くことができる人」というのは、話す人にとってとても大切な存在になっていくということです。だから「聞くだけの人」ということで自己卑下をするなどは不要なのだと。

聞いてくれる人を感情的に好いてしまうわけですから。"Power of listening"なんてものよりもパワフルです。「聞く力」、是非身につけたいですね。

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■「聞く」=「相手が思い出すのにつき合う」

「なるほど!」と思いました。

「聞く」というのは「相手が思い出すのにつき合う」ことだというのです。これが、今回セミナーに参加しての、自分として最も大きな発見でした。

人は記憶を引っ張り出してもらうことに快感を覚えるのですね。そして、その記憶を引っ張り出してくれることが、「聞く」という能動的行為だということです。

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■スムーズに記憶を引っ張り出すには手順がある

「ダイアナ妃が事故で亡くなった日」のようにイベントを言われると、その日に何をしていたかフラッシュバックします。その日に立ち戻ると、その後、何が起きたのかが芋づる式に次々とよみがえってくるものです。

一方、いきなり日付を言うように、現在から直接そのときを振り返ろうとしてもあまり思い出せないものです。記憶の戻り方は、麦の穂のように、一方向にしか動かないとでも言うのでしょうか。時系列をさかのぼろうとしても難しいわけです。

それなので、結論をいきなり聞こうとしても、人は答えを持ち合わせていないし、引っ張り出せないのだそうです。だから、一緒に時系列を少し立ち戻るって記憶をたどっていく。

それが「聞く」ということだというのです。

では、1995年1月17日はどうでしょう?

そう。神戸大震災です。

やはり、日付から行くのは難しいですよね。でも、震災の日の後に何をやっていたか、ということは次々と思い出せます。

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■禁句と魔法の言葉

「なんで?どうして?」

これが一緒に記憶をたどって思い出していこうとする場合の禁句だと言います。いきなり核心を聞かれても人は答えを持ち合わせていないからです。それよりも、そう聞かれた人は、とっさに理由を考えずに、言い訳を考えるとのことです。

一方、魔法の言葉があるといいます。

「きっかけは?」

これが、聞くことを促進するわけです。記憶のメカニズムからしてもスムーズなのが分かりますよね。なるほど、「きっかけは?」。使えそうですね。使ってみましょう!

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■プレゼンテーションすら引き立てる「聞く力」

セミナーの最後に質問をしてみました。

「辻口さんのプレゼンテーション、とても上手でした。ものすごく引き込まれる。
 それって、だいぶ練習されたのですか?」

「はい、まぁ、練習もありました。でも、実はこれは『聞く力』からできていますね。
 プレゼンテーションの最中も、皆さんからのリアクションを最大限に聞いていたのです。」

なるほど、と思いました。つまり、無言のリアクションを捉えるのも、聞く能力の延長線上にあるということです。

その他にも、リラックスした雰囲気を促す息づかいだとか、声のトーンだとか、様々なノウハウがありました。来年にこのセミナーを何度か開催されるそうなので、もしご興味がおありでしたら、辻口さんの会社をチェックしておくといいかも知れません。

もしかして朝カフェ次世代研究会に一度、無償ですが、お招きできたらとも思いました。あるいは、会社の教育レクチャーに来ていただくのもいいかも知れません。こちらは懇親会付きです。

せっかく自分が学べだテクニックを披露してしまうのもシャクですけどね(笑)。

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※20101210 08:05 写真と朝カフェ次世代研究会へのリンクを追加しました。

※20101210 08:50 最後の一行から「あまり」を抜きました。文体が変だったので。

※20101211 16:40 『聞くことができたらいいな』第一段落文面を一部変更しました。(リンクの削除)

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