35人から3人にリストラ、企業理念がブッ飛んだ瞬間
おはようございます。
今朝は風が強く、手がかじかむくらいでした。朝カフェ次世代研究会に向かっています。
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■35人から3人に
月曜日には、クロスロードの辻口さんが主催する小勉強会に参加してきました。何でも、「会社のものがたり」を書く事業が軌道に乗ってきたとのことで、そのお話がしたいと、7-8名を集めて何回か実施する、営業チックな勉強会です。
辻口さんはもともとベンチャーエントリーという会社を経営されていました。上場を目指すベンチャーの経営ができる人材を派遣して紹介するという事業です。端から見ていても、極めて明確なターゲティングがされた会社でした。
3年前、そこから営業を受けて、一度お話をさせていただいたことが知り合ったきっかけでした。実際に人材紹介へとは結びつかなかったのですが、辻口さんは大変話し好き、また、理念などの「キーワード」を考え出すのが上手な人という印象でした。
ところが、その後が大変だったようです。
2008年9月のリーマンショックをきっかけに、上場をするというベンチャーが激減してしまった上に、人材紹介というマーケットも大幅に縮小。それまで、35人でかっちりと利益を出していた会社を、二段階の大リストラで3名にまで減らしたという体験をされています。
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■二段階の大リストラ
「いったいオレ、何のためにこれをやっているのだろう。
社員も守れず、何を守るというのだろう。会社?自分?家族?
社員を大切にするという理念はどこに行ってしまったのだろう。」
リストラの中、心の中を巡っていた言葉だそうです。それまで、大企業からベンチャーに人材を流すパイプ役として日本に貢献する、という明確なミッションの元、社員を大切にするという企業理念を描いて、会社を経営してきたのとは大違いです。
大リストラ敢行では、それまで約束していた理念をひっくり返して、社員のケアができなくなる。辞めてもらう。あるいは辞めていってしまうという体験だったといいます。事務所家賃の支払いもできず、敷金を食いつぶすまで居座って、そのまま逃げるように引っ越しをしたと。
「理念なんて吹き飛んでしまう。
理念が大切じゃない、という意味ではないですよ。
どうしようも無いときには、理念どころではなくて、
自分の原点を突き詰めて考えるという体験をします。」
お金とは恐ろしいもので、無くなる際にはそれまでのきれい事は吹き飛んで行ってしまいます。
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■原点と向き合う体験
リストラを実施している課程で、向き合ったのが『原点』だといいます。「自分の原点はどこにあるのだろうか」と。
人は15歳くらいまでの体験の中でその『原点』を見いだすといいます。辻口さんの原点が何だったのかは、本人のご説明に任せるとします。ただ、その『原点』と向き合うことで、その修羅場を生き抜いた体験が、人材紹介から今の、会社のものがたりを綴る、というきっかけになったといいます。
会社のものがたりを綴るのは人材紹介の延長からスタートしたといいますが、今はそれも月2-3本のペースで事業として成り立ってきたそうです。
会社のものがたりをまとめると、お客様だけでなく、株主や社員、さらには事業継承者へのメッセージなどが明確になるといいます。5000部の冊子に仕上げて250万円は安いか高いか判断の分かれるところですが、聞いていて納得してしまうあたりは、さすが辻口さんの語りでした。
「確かにありだな。知り合いの創業社長をご紹介しようかな。」