経営思想は数字に表れてくるんですよね。決算書類から一歩中に入ってみてみるとよくわかります。
★よく、経理や会計の数字は細かいことだと、軽視する経営者っているんですが、違うと思うんですよ。実は経営思想は数字に表れてくるんですよね。決算書類から一歩中に入ってみてみるとわかります。
★我々は創業当初から開発系の会社でした。とかく新技術や開発行為そのものを重視し、経理面での不整合などはそのまま放置してありました。2004年に経理会計を見直しして、きれいにしたとき以降、後から振り返ると事業が好転していました。今朝は、その前後に監査をしてもらった人との会話について。
【朝メール】20050526より__
===ほぼ毎朝エッセー===
□□経理がきっちりとできているってこと
昨日は決算書類について経理監査をしていただきました。東レの経理部の山本さんに昨年の決算書類から監査を手伝ってもらっています。監査が無事に終わった後のことです。帰り際に歩きながら山本さんと話をしました。
「去年はうっすらとした明かりが見えている感じでしたけど、今回は一筋の光が見えてきていますね。ずいぶんとくっきりとした一筋の光です。」
「そうですか!?中では夢中でやっているから違いはよくわかりません。製品の絞込みをして、リソースの集中と節約を徹底的にやっていて、引き合いも多くなり始めているのですが、、、でも、決算書類の数字はガタガタですよね。お恥ずかしいことです。」
「いや、確かに表の数字はあまり変わっていないかも知れないですけれども、去年も拝見しているので、はっきりと違いが感じられるのですよ。かなりきっちりとできてきている。仕組み上の問題や指摘事項もほとんどなくなってしまっています。」
ニコニコしながら山本さんは言ってくれました。それを聞いているとなんだか元気が出てきます。
「ありがとうございます!うちの伊達や税理士の松丸さんが聞いたら喜びます。」
山本さんは静かな口調で続けます。
「数字の整合性ってその会社の状況を反映するのですよ。」
「そういえば確かに、去年は何度か会計のポリシー変更をして、その度に、伊達は年初からの数字入れなおししたりしました。けっこう大変だったはずなんです。彼らは黙ってずっと修正してくれていましたが。」
「やはり、そうでしょう。よく、経理や会計の数字は細かいことだと、軽視する経営者っているんですが、違うと思うんですよ。実は経営思想は数字に表れてくるんですよね。決算書類から一歩中に入ってみてみるとわかります。」
「そういうものなのですね。東レの財務部長の稲本さんに数字を見てもらったときにもとても細かく数字の整合性を電卓で追いかけてくれていました。『エクセルなら一発なのに』なんて内心思っていたんですけど、鉛筆と電卓で表を見て分析していかれるのですよね。そこで矛盾が出てくるたびにヒアリングされる。すると正直に問題点を告白する自分がそこにいるのです。」
にやりと笑いながら山本さんは言います。
「そういうものなのですよ。」
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昨年は会計ポリシーのさまざまな変更をしました。「会社の状態を見えやすいようにしたい」との思いでいろいろとわがままを言って変えてきたわけです。それを伊達さんは根気強く変更についてきて入力してくれ、また、港総合事務所の松丸さんはその都度、的確なアドバイスをくれ、懇切丁寧な指導をしてくれていました。
今回の監査にはその松丸さんにも同席してもらっていました。決算書類の全般的な昨年との比較を終えた後、次にはその根拠となっている数字を掘り下げていきました。実際に数字が記載されいている会計ソフトの奥深くまで整合性をチェックしていくのです。ソフトの深いところまではよくわかりませんが、専門化同士で納得がされている様子がわかりました。
きっと、会社というのは見る人によっていろいろな切り口で見えるのだと思います。きっちりとした会社はいろいろな切り口できっちりと見えるだろうし、だらしない会社はどこかの切り口でだらしなく見えるのだと思います。製品の使い勝手、見え方、品質、運用体制、会計、お客様対応、電話応対、ホームページ、カタログ、メディアでの紹介のされかた、、、さまざまな切り口でいろいろと見えてしまうようです。
昨年から1年間かけて進化した会計の切り口でも、山本さんに第三者のご意見としてこのようなコメントをもらうことができたのは、とても嬉しいことでした。なにせ正攻法でやっているんだから、何も隠すことはないわけです。堂々と見てもらい、堂々と評価してもらい、それが「きっちりしてきた」ということですから。
伊達さん、松丸さんの日々の積み重ねと根気に感謝します。ありがとう!