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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

うさん臭いベンチャー企業が多い理由

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★その現象が発生する理由を考察しました。なぜだかうさん臭さを発揮しているベンチャー企業や中小企業。

【朝メール】20080926より__

===ほぼ毎朝エッセー===

□□嘘というカンフル剤

理想的な姿を頭の中に思い描くとします。するとそこには必ず現実とのギャップが発生します。よく、そのギャップの大きさを感じて物事を事前からあきらめてしまうことがあります。

ギャップの存在を悲観的に捉えることは全くありません。能動的に考えればそれは電位差と同じものです。電位差があれば、それを利用して電子を通すことで光や熱などのエネルギーに変えることができるように、ギャップがあればそれはモチベーションとなり、ひいては変化していく原動力に変わります。

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理想的な姿になる早道は、理想的な姿になった自分を強くイメージして、そのように考え振舞うことだといいます。実際にやっていると自分も周りも次第にその姿に近づくヒントを与えてくれるようになります。それなのでとかく次のようなアプローチをしてしまうことがあります。

出来ていなかったことを(1)「出来ています」と最初に言ってしまって、(2)自分を「やってみよう」というところまで追い込み、(3)「やります」と宣言して、(4)実際に「やる」ことを通じて、(5)「達成する」のです。

これは火事場の馬鹿力的なものです。ベンチャー企業として切り抜けしていくときには必要なこともあります。ところが、多用すると次第にうさん臭いオーラを発揮するようになります。何故なのでしょうか?

そこには嘘が介在しているからです。上記のプロセスを分解してみると次のような形です。

(1) 出来ていなかったことを「出来ています」というのはです。
(2) 出来ていなかったことを「やってみよう」というのは意志です。
(3) 出来ていなかったことを「やります」というのは宣言です。
(4) 出来ていなかったことを「やる」のは努力です。
(5) 出来ていなかったことを「達成する」というのは成果です。

これは、嘘というカンフル剤で、理想的な姿との電位差を瞬間的に大きくして、そのエネルギーで残りのプロセスを乗り切ろうという順番になっています。成果を先取りして少しでも先取りして背伸びしたいという、ベンチャー企業や中小企業の切なる要望もそうさせる理由です。

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では、うさん臭くならないには、どの順番で実行するのがいいのでしょうか?次のようなことではないかと考えます。

出来ていなかったことを(1)「やってみよう」と思い、(2)「やります」と宣言し、(3)「やる」ことを通じて(4)「達成する」、そしてそれから初めて(5)「出来ました」と報告するのです。

つまり次のような順番です。

(1) 出来ていなかったことを「やってみよう」というのは意志です。
(2) 出来ていなかったことを「やります」というのは宣言です。
(3) 出来ていなかったことを「やる」のは努力です。
(4) 出来ていなかったことを「達成する」というのは成果です。
(5) 出来ていなかったことを「出来ました」というのは真実です。

この順番で物ごとを進めるのであれば、個人的かつ社会的な信頼が次第に身についてくるようになります。カンフル剤としての嘘を使う必要はなく、強い意志からスタートすればいいのです。正確に物事を進めれば安定感、安心感といったことにつながっていきます。時間はかかるのですが、この方がスムーズだし、長期的には必ず成功するものです。

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ギャップを利用して、物事を変化させることはそれ自体とても大切なことです。しかし、その表現の順番を間違うと次第に評価を落としていきます。「出来ています(嘘)」と「やってみよう(意志)」というスタート時点のほんの少しの違いが、見た目の成果は似たように見えても、その体質を大いに変えてしまうということを知っておく必要があります。嘘というカンフル剤の中毒になってしまってはいけません。

特に、組織として物事を実行するに当たって、このきっかけの間違いは致命傷になります。なぜなら組織は正確な情報で動く必要があるからです。自分の組織だけならまだしも、さらに外部の人々を巻き込んだ動きをするようになると、その情報の錯綜だけでもとんでもなく苦労を背負い込むことになります。

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製品をどんどん改善している自分達にとって、理想形をどんどん世に出していきたいという衝動があります。しかし、今はあえて、その表現の順番の大切さについて今一度反省をして、正確に物事を表現していきたいと考えています。

意志 「e-Janは No.1 ビジネスモバイルの提供者になってみよう」
宣言 「e-Janは No.1 ビジネスモバイルの提供者になります」
努力 「e-Janは No.1 ビジネスモバイルの提供者になるために行動する」
成果 「e-Janは No.1 ビジネスモバイルの提供者になった」
報告 「e-Janは No.1 ビジネスモバイルの提供者です」

★嘘は自分を紛らわせるのにモルヒネ的効果もあったりします。次第に必要量が拡大するから怖いのですよね。

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