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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

Skype・VNC越しにやるインド・日本国際会議の様子

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★インドでのブロードバンド普及の改善は目覚ましいけど回線と電力インフラの安定性はもう一息頑張ってもらわねば…。

【朝メール】20090603より__

===ほぼ毎朝エッセー===

□□インドとの会議

クマールさんたちに去年の6月、女の子の赤ちゃんが生まれました。切迫流産の危険性があったので奥さんには大事をとらせてその半年前からインドに返してありました。赤ちゃんが生まれるタイミングに間に合うようにクマールさんを帰国させることもできました。インドではまだ珍しいそうなのですが、お産の立会いもできたそうです。

無事に元気なテジュちゃんが生まれたとの報告にこちらでも皆が喜びました。あれからそろそろ1年経ちます。クマールさん一家は、今月末に日本へ戻ってきて、こちらでの生活構築にチャレンジします。

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子供の成長は早く、あっという間に時は過ぎます。そして、赤ちゃんが毎日大きくなっていく様は、親にとっては、なんとも大切な体験であり、一生残る記憶になります。子供は一方通行で大きくなります。クマールさんにはその体験と記憶構築を逃がさせるわけにはいきません。

結果として、クマールさんの2ヶ月交代での日本とインド二重生活が始まりました。インターネットの世界、仕事をする場所は柔軟であってもいいはずです。彼にも東京にいる側にもそれなりの負担はかかりますが、QOL (quality of life)を改善することがITのテーマでもあります。チャレンジしてもいい体制だと考えたのです。

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さて、実際に2ヶ月交代での行ったり来たりが始まります。本人も、東京に残った側も、ボディランゲージ無しでのやり取りには大変な努力を要します。しかし、開発やサポートの速度や品質からみえる全体アウトプットはほとんど悪化せずに、むしろ、結果としては曖昧さがなくなり、向上させながら1年間を過ごすことができました。

この1年をみてみると、大きく改善しているのはインド側でのネット環境改善です。従来から打ち合わせにはSkype(スカイプ)という、テキストと声によるチャットができる無料サービスを使ってきましたが、インドとのやりとりでは声の品質に若干の難がありました。今回はクマールさん宅がブロードバンドに変わったからでしょうか、若干CPUのいいいパソコンに変更したからでしょうか、会話の品質が劇的に良くなり、ストレスがほとんど無くなりました。

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昨日の会議のことです。インドと日本で順調に会話とテキストチャットとVNCでパソコン画面を共有しながら打ち合わせを進めていました。こちらの画面も大型の画面にパソコンの内容を映し出して、皆でみているので会社での会議と同じです。画面を共有できて話していれば、息遣いまで聞こえてくるので、まるで隣にすわりあって打ち合わせをしているようです。とても何千キロも離れているとは思えません。快適快適。

Jpg

30分も会議をしたところでしょうか、突然クマールさんの通信が途絶えます。こちら側で苦笑いしながら話します。

「何だろう、また停電かなぁ。インドは停電が多いね。」

「でも、停電だとすると、師匠、30分以上は戻れませんよ。」

業務上よく師匠と通信をしている辛(しん)さんは良く知っています。師匠とは、辛さんがクマールさんにつけたあだ名です。とりあえず別の議題で話をすすめることにします。

ところが、10分もするとクマールさんが画面上に戻ってきます。会話をしようとすると、今度は音声チャットが使えないとのことです。聞くと、クマールさん、自宅の回線に異常が出たので、近所にあるネットカフェに駆け込んでつないできたとのことでした。

「ネットカフェが向かいにあるなんて便利だねぇ」

「クマールさんちは結構な街中にあるからね。」

そんなことをいいながら20分ほど会議を継続していたところ、再び消息が途絶えます。

「今度は何だろうね?」

そうこう話していると、クマールさん、再び声で現れます。聞くと、今度はインターネットカフェが急に停電になり、困っていたところ、自宅の回線が回復したとのことで、急遽また自宅に戻ったとのことでした。そこで会議が通常のペースに戻ります。電気や回線など、インフラの安定性はまだ若干問題はあるようです。

それにしても、すごい環境になってきたと思います。

「30年前には想像つかなかったですよねぇ。」

IT暦の長い多喜乃さんとひとしきり盛り上がっていました。


★子供のころの国際電話と言えば、家族中で電話の周りを取り囲んで、ドキドキしながら順番待ちをする世界でしたよね。回線品質も悪かったりすると声が途絶えて、妙に大きな声で話していた。通信環境は世界中で劇的によくなってきています。

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