最大の偉業は平凡な男女によって成し遂げられる
★いよいよ拡大期に入った頃、社員採用のために面接を始めた頃のエッセーです。ビジネスにおける偉業は、天才だけによって創られるものではない!
【朝メール】20080110より__
==ほぼ毎朝エッセー===
□□面接をしていて
『ビジネスにおける最大の偉業は、
人生のほとんどあらゆる場面におけると同様、
天才によってではなく、平凡な男女によって成し遂げられる』
元ITTのCEO、ハロルド・ジェニーンという人の著書にありました。全く共感できます。
確かに頭のいい人、ブレイクスルー的なことを思いつく人、気の利いたことを言う人というのは存在します。その人たちを天才と祭上げて、その人たちで会社が創られているという『伝説』が外部からは好まれたりもします。創業当初のe-Janはその傾向が強かったです。
ところが実際には、会社はそういったことだけで動いているのではなく、多くの場合は地道なルール決めとそれによって出来上がる業務とを継続することで成り立っています。天才的な動きというものはごく一部のスパイスレベルで存在するだけです。
会社が短期決戦のものであれば天才的な動きで勝ち抜くこともできるのでしょうが、会社は信頼を積み重ねて、その信頼からビジネスを得るという姿のものです。それなので、『平凡な男女によって成し遂げられる』という表現により同感できたりするわけです。
また、天才ということついても自分の見方が随分と変わってきました。天才というのは、上記の頭が良くてブレイクスルーができて気の利いたことをいう人たちのことを指すのではなく、目標を設定して努力を継続できて目標を達成する人のことを言うのではないかと、強く思うようになりました。平凡な努力が継続できる人が結果として非凡なものを達成する、そういったことができる人こそが天才なのではないかと。
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昨年末から入社選考のための面接を実施しています。enジャパンの機能を使って募集をかけ、実際に応募してきてきた人たちは男性30名(平均35.5才)、女性4名(平均27.5才)です。印象的なのは30代男性が圧倒的なマジョリティを占めています。
30代半ばの人たちはバブル崩壊後の就職氷河期に大学を卒業していた年齢層です。面接に来られる方々は就職に苦労し、不況期に転職を重ねて、気が付いたら30代半ば、そして好況期である今の20代の人たちよりも結果的に低い年収になってしまっているという、いわば一つの時代的な犠牲者でもあるわけです。
もちろん若い人の方が変われる能力も高いはずなので若くて素養がいい人なのであれば一緒に働いてもらう可能性はぐんと高くなります。一方、30代半ばの人たちにはその逆の作用が働きます。「いまさら変われない年齢なのではないか」という色眼鏡で見られてしまいます。そんな負のスパイラルに陥ってしまっている感覚がします。
上記の『平凡な男女によって成し遂げられる』に共感する自分としては、どのような人に来てもらってもその人の能力をフルに引き出して活躍してもらうことができると考えています。それなので、いつもその人を「何とか採用したい」という見方をしてしまうのですが、裏にある選別の基準は極めて人間的な要素に傾いています。我々の仲間として選ばせていただくときには次のことを見ているのです。
その人が継続的に努力と勉強を続けられる人なのであるかどうか、その人が会社に加わってくれたときに明るくチームメンバーとして活躍できる人なのかどうか、その人に怪しいごまかしや嘘はないか、まじめな人なのかどうか、地頭がいいかどうか、人をひきつける魅力があるかどうか、信頼できそうな匂いがあるかどうか、負け癖がついていないかどうか、IT用語の勉強についていけるか。
今のところ2次面接にまで行った人は先日決まった人を入れて2人だけです。
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チームで仕事をするというビジネスのやり方は極めて面白いです。成功も失敗も共有する、特に過失は恥でも不真面目でもないです。うまく行くのも失敗するのもチームの成果、このような思想でいるので、チームとして失敗しないような仕組みが徐々に仕上がってきます。過失はビジネスにつきものと捉え、チームで吟味しそれらから学び、チームとしてなすべきことをするのです。
大切なのは失敗していることをうやむやにせずに、個人の責任にせずに、何故そのようなことが起きてしまったかという考え方で取り組むことです。そのような環境の中で仕事をしていると、属人的なうらみつらみが無く、誰もがやればやっただけ、建設的に組織に貢献できるようになります。仕事が積み重なる感覚がより大きくなります。
『ビジネスにおける最大の偉業は、
人生のほとんどあらゆる場面におけると同様、
天才によってではなく、平凡な男女によって成し遂げられる』
平凡な男女によってきっと非凡な偉業を達成することができます。そこにはチームで努力を継続するという要素が大きな秘訣としてある気がしてなりません。それを実践している会社、それがe-Jan、そんな『伝説』が将来語られるようにしたいです。