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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

進取(しんしゅ)とコントロール

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★【朝メール】20090116より

==ほぼ毎朝エッセー===

□□進取(しんしゅ)とコントロール

「都の西北~♪」で始まる早稲田大学の校歌、途中に「進取の精神~♪」というフレーズが入ってきます。大学にいたときにどのような意味かよく分からなかったので調べた記憶があります。進取というのは、自ら進んで物事に取り組むことという意味でした。進取の精神というのは新しいことに挑戦し続ける心構えでいるといことでしょうか。

人はとかく現状を維持したくなります。物事がうまくいっていないときには改革とか変化とかを容認できますが、少しでもうまく行っているときにには何も変えたくなくなります。いつの間にか変化を拒んでしまうようになります。当然のことながら、変化をしないものというのは、周りの変化に合わせられず、知らぬ間に弱体化していきます。蛙の比喩です。ビーカーの水に入れられた変温動物である蛙、アルコールランプでゆっくりと温めると温度の変化に気づかずに逃げもせず、結局はゆで上がって死んでしまうといいます。

変化を拒むというのは大きな罠です。その罠にはまらないためにも「進取の精神」は、とかくつらいものだけど持ち続ける必要があります。

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一方、進取だけでは成り立たないということも学びました。

自分はベンチャービジネスを始めてしまうほどに、悪くいえば反骨精神、良くいえばそれこそ進取の精神を持っています。そして、進取の精神だけで物事は成り立つという幻想を抱いてしまう傾向があります。

そこに違う軸があるのです。それはコントロール、いわゆる管理です。進取の強弱、コントロールの強弱、それぞれに組み合わせがあります。こういうときにはそう、いつもの4事象でみてみましょう。

(1)進取が弱い × コントロールが弱い
(2)進取が弱い × コントロールが強い
(3)進取が強い × コントロールが弱い
(4)進取が強い × コントロールが強い

そして、それぞれにニックネームをつけてみましょう。

(1)進取が弱い × コントロールが弱い: 受身人間
(2)進取が弱い × コントロールが強い: マイクロマネージャー
(3)進取が強い × コントロールが弱い: 破壊者
(4)進取が強い × コントロールが強い: 指導者

ここから分かるように、進取かコントロール、そのどちらかだけが強いことは、やはり問題であるということが分かります。その両方を強く持つ、バランスを取り、持ち続けるということが必要になってきます。

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コントロールに関しては様々な手法があります。

今、毎日ToDosをベースにした報告書を書いてもらっているのは、自己管理の最低限のツールです。有ると無いとでは大違い、色々と整理がついていると思います。ただし、それが書きっぱなしであり、フォローが十分にできていないというところに弱点があります。

朝メールで極力それをカバーしてきましたが、自分の実質的なスピードの問題もあり、追いつきません。毎朝2時間以上かけてエネルギーを割いていますが、形骸化してしまっている感覚、仕事が思ったように進んでいない感覚、エネルギー効率が悪い感覚、そういったことに悩んでいます。

つまり、そろそろ変化の時期、モデルチェンジの頃だということです。

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イメージとしては次のようなものです。当日にやるべきことを当日にできる仕事量にまで細分化した一覧を作成します。その一覧は、自ら宣言し、それらを一つ一つ消しこんでいくのです。消しこみの状況は一行の報告を書くことで完了します。

各項目には誰でもコメントを付け加えられるようにします。これで誰が何をやっているか、何を言われているかということが共有できるのです。完了していないものは無いようにする、保留するものはその理由と保留、人に依頼するものはその人の所にリクエストとして上げ、会議で決めることはそこに流し込むのです。そのようなウェブをベースにしたグループウェアが頭の中に浮かんできていて離れません。せっかくなのでなんとか実現をしたいと考えています。

個人にしてみれば、自分が今やるべきことが目の前に整然と揃っているようになります。そして、やったことに対して様々なコメントがもらえます。それがパソコンでも携帯でもいつでも見られるし入力できるのです。何をしようか考えている空転時間が一番無駄です。それが無くなるのです。管理というと意地悪い感覚がしますが、そうではなく、いわゆる、自分を制御できているという安定感につながります。

進取とコントロールを両者強める、そんなツールを創ってみますか!

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