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地方自治体における香害啓発事情(1)愛媛県、愛媛県松山市 ~日用品公害・香害(n)~

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環境先進県・愛媛県では、官民あげて、香害の啓発が進められています。
県庁所在地の松山市では、不特定多数の利用する場所に充満していた香りが、薄まりつつあります。
しかしながら、空気の質が改善したかといえば、一進一退。
抗菌・除菌・防臭製品の使い方を啓発する段階に入ったようです。

愛媛県(公式)健康リスクの啓発

愛媛県庁公式ホームページ

※リンク許可を未確認のページについては、ホームページにリンクしています。 サブメニューをたどってください。

知事に寄せられた提言

昨年7月に、「化学物質による健康被害の拡大防止について」というタイトルで、県民から知事へ、次のような提言が寄せられています。

「誰にでも発症するリスクがあります。~中略~ 健康被害の拡大防止に努めてください。」

これに対し、知事は、「県におきましては、アレルギー疾患医療連絡協議会を本年5月に設置し、県内におけるアレルギー疾患の現状や課題の把握、診療連携体制の整備、専門人材の育成に取り組む」と回答、化学物質過敏症を「アレルギー疾患に類似する化学物質過敏症」と位置付けています。

愛媛県ホーム > 県政情報 > 知事 > ようこそ!愛媛県知事室へ > 知事への提言 > 知事に寄せられた提言 > 知事に寄せられた提言(3年7月)2 化学物質による健康被害の拡大防止について

「アレルギー疾患対策」のページでは、みきゃんバージョンの啓発リーフレットをダウンロードすることができます。

みきゃんの啓発リーフレット

愛媛県のイメージ・キャラクターみきゃんが案内する、啓発リーフレットです。
愛媛県保健福祉部健康生成局健康増進課によるものです。

愛媛県ホーム > 健康・医療・福祉 > 医療 > 特定疾患・難病 > アレルギー疾患対策について 「情報提供 / 2 化学物質過敏症について / 化学物質過敏症について(PDF:771KB)」

このページに記載されているとおり、愛媛県では、「化学物質過敏症は未解明の部分が多いですが、アレルギー反応と急性・慢性中毒の症状が複雑に絡み合っている疾患と考えられています。」きわめて科学的で妥当な捉え方です。

リーフレットの「私的使用のための複製」は可能です。
香害をトリガとして化学物質過敏症を発症したひとが、家族や親族に説明したり、子どもが友人に説明するなどのケースで、有効活用できそうです。

※愛媛県のウェブサイト内のコンテンツのリンクや著作権については、「愛媛県ホーム > このホームページについて > 注意事項 > リンク・著作権・免責事項等」を参照してください。

愛媛県(公式)環境リスクの啓発

愛媛環境大学(愛媛県環境創造センター)

「令和4年度えひめ環境大学」が、7月に開催されました。
総合テーマは、持続可能な開発目標。,br />7月23日(土)には、環境再生保全機構プログラムオフィサー・鹿児島大学 小山次朗 名誉教授による「化学物質海洋汚染とその生態影響」の講演がありました。「海洋における化学物質の動きと沿岸域の汚染状況、そしてそこに生息する生物に対する影響について解説」されたそうです。

筆者は今回も介護のため聴講できませんでしたが、8月に、海洋汚染への危機感を県に伝えています。愛媛県産品ではなくとも、海産物のニオイが問題化すると、購買意欲に影響します。これを未然に防ぐには、愛媛県として、フレグランスフリー、ケミカルフリーの姿勢を打ち出しておくことが重要になるという趣旨です。
この情報は、環境政策課はじめ関係各課等にで共有されました。

環境浄化微生物(愛媛県工業技術センター)

環境浄化に効果的な、「えひめAI-1(えひめあいいち)」「えひめAI-2」の情報が公開されています。
えひめAI-1は、愛媛県産業技術研究所(旧愛媛県工業技術センター)が開発した、環境浄化微生物です。えひめAI-2は、えひめAI-1の家庭用バージョンです。
えひめAI-1は他の自治体や法人で、えひめAI-2はご家庭で活用できます。

愛媛県庁「えひめAI-2の製造方法について家庭でつくれる環境浄化微生物

「えひめAI-2」の作り方と使い方が掲載されています。納豆やヨーグルトなど、容易に入手できる食材で作ることができます。

鬼北町公式 環境浄化微生物(えひめAI-1・えひめAI-2)

愛媛県北宇和郡鬼北町による実証実験の結果です。四万十川支流の広見川の水質保全に、えひめAI-1を活用しています。目的は「水質向上、汚泥削減、消臭等の向上を図り、河川への負荷を軽減」すること。「循環型農業を目指します」と、宣言しています。
えひめAI-1を使った場合の浄化槽と、使っていない場合の浄化槽の、比較写真があります。ページの下方までスクロールして、その効果をご確認ください。

愛媛のメディア

愛媛新聞折り込み「ジュニアえひめ新聞」9月11日(日)号で、香害について、大きく取り上げられています。
(愛媛県民のツイートで知りました)
ルビが振られており、児童が自分で読むこともできます。

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松山市(公式)健康リスクの啓発

松山市ホームページ

松山市(公式)広報、印刷&ウェブ

広報まつやま(2022年8月1日号)

印刷物が全世帯に配布されています。

市外にお住まいの方は、PDFをご覧ください。
「市民ガイド」右端カラムに、「香水や柔軟剤などの香料の使用に配慮を」というカコミが載っています。
せきや頭痛、めまいなどの体調不良を感じる人が増えています。

松山市(公式)ウェブサイト

香水や柔軟剤などの香料の使用に配慮をお願いします(更新日:2021年7月1日)

保健所生活衛生課による情報です。2種類の周知ポスター、関連リンクがあります。

「使用の配慮が必要なもの」を香料製品に限定していません。「香水、柔軟剤、合成洗剤、芳香剤、消臭剤、整髪料、シャンプー、ハンドクリームなど」が挙げられています。また、「香りは慣れてくると感じにくくなり、香りを強くしようと使用量が徐々に増えてしまう傾向があります。」と、馴化に言及しています。

シックハウス症候群及び化学物質過敏症とは(更新日:2021年7月1日)

医療機関・相談先・室内空気中化学物質の室内濃度指針値などの情報が、まとめられています。

松山市保健所ポスター『香水や柔軟剤などの香料の使用にご配慮を』

松山市保健所ポスターシンプル版『香料自粛のご協力をお願いしています』

保健所によるものだけに、無香害推奨の飲食店の入り口に掲示することもできそうです。

わがまちメール 香害等の周知 (2020年4月20日)

市長の回答にくわえ、松山市教育委員会 教育長の回答も掲載されています。

わがまちメール フレグランスフリー・ポリシーの策定を (2022年9月20日)

本ブログに掲載した、フレグランスフリー・ポリシーの策定に関する意見です。
担当課によれば、香害由来の健康相談が増えているとのこと。職員に自粛をもとめていることから、ポリシーを策定せずとも大丈夫という判断のようです。
このページは、「過去1ヶ月でよく閲覧された意見」3番目となっています。香害問題への関心の高さを反映しているといってよいでしょう。
※投稿者の属性は、おそらく筆者の選択ミスです(仕事ではノーミスですが)。

※ カリフォルニア州公衆衛生局 労働衛生部による、労働関連喘息予防プログラムの資料については、当ブログの過去記事を参照してください。
香料および労働関連の喘息 雇用者向け情報 2017年度版(PDF)の和訳、およびカリフォルニア州の友好都市リスト
職場のフレグランスフリー・ポリシー」のテンプレートの和訳

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