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【年末年始ブックマラソン】『愛されるアイデアのつくり方』

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ブックマラソン四日目。

『愛されるアイデアのつくり方』

エステー株式会社の特命宣伝部長である高田鳥場こと鹿毛康司さんが書かれた本。これもまた、昨日に引き続きブクブク交換でいただいた本です。原田健一さんからうちに嫁入りしてきました。
読みたいなぁと思いつつ忘れかけていたので、ありがたい再会でした。

さて、結論から言いますと、ものすごく読み応えがあった。
エステーのテレビCMというと、多くの方が「めちゃおもしろい」「ふざけてて印象的」というようなイメージをお持ちだと思うし、それを作っている宣伝部長もそんな人なのだろうと思いがちなのではないでしょうか?
かく言うわたくしもその通りで、あの突拍子もないアイデアの単なる発想本だと思っていました。

しかし内容はまったく逆のものでした。
前職の雪印乳業では集団食中毒問題の最前線で対応をしていた方で、その辛い状況下(後ろ向きのシチュエーション)で学んだお客とのコミュニケーションを、エステーでは宣伝という前向きなフィールドでさらに開花させている。
それを、11の法則というかルールにまとめたのが本書です。

付箋を貼った中から、気になるフレーズを引用します。

・そもそも、CMとは暴力的なコミュニケーションである。そのCMを見たいと思っていない人々の目に、突然飛び込んでくるものだからだ。

・僕は「奇策」を狙っているわけでも、「自由」にやっているわけでもない。すべてのアイデアは、エステーという会社が置かれている状況に対応するために生み出された戦略的なものだ。

・僕は、その商品やサービスを愛していただく前に、広告そのものが愛される必要があると確信した。

・「現実」はそんなに甘くない。「お客様を理解する」ことは、表面上の手法だけで歯が立つような生やさしいものではないのだ。だから、現場に行け。現実に触れろ。

・「ターゲット」や「消費者」ではなく、「ひと」に何かを伝えるにはどうすればいいのか?そのことを、決して忘れてはならないのだと思う。

・本当は、「コンセプト」「インパクト」はとても重要な考え方だ。しかし、表面的な理解のもとでこれらの言葉を使用することで、かえって「考える」ことができなくなってしまう。深い思考回路がなくなる。

・お客様は怖い。お客様は、一本のCMに飽きるだけではない。そのCMの「手法」をも消費していくのだ。

・僕には根本的な疑問がある。その「ソーシャル××」というものはあくまで「ツール」である。とてもいいツールだが、その理由は「自動拡散できるから」ではない。それを使う人のぬくもりが感じられるからだ。

・「くだらないもの」は決してふざけてつくれるものではない。身を削るような真摯な姿勢で取り組まなければ、「くだらないもの」を生み出すことはできないのだ。

・だからやらないではなく、だけどやる。

「みんなをほっと笑顔にする、突き抜けたアイデア」をひたすら求め続ける低予算CMの魔術師は、実はものすごく悩み、人の痛みを理解しようとするナイーブな人格者であることがわかります。
わたくしの予想と全く逆で、少し恥ずかしくなってしまいました。

でも、予算の少ない弱者の理論展開は、零細企業に勤めるわたくしにとってすごく励みになるし、かっちょいい。
わたくしにとってのメンターというのは、こういう人のことを言うのかなと思ったほどです。

特に本書の中で繰り返し書かれている、「常識を超える」という意識。
鹿毛さんご本人がもともとCM業界の人ではないということで、最初からそこにいたら疑問にも思わないかもしれない「常識」を、どんどん壊していく部分は、転職して文具業界に来た人間として大いに共感するし、尊敬したい部分であります。

後半で書かれている、TMR西川氏とのツイッターでの出会いから、本当にCMを作ってしまったくだりなど、CMへの「愛」というか「思い」が伝わってきて、思わず目が潤んでしまった。
早速、高田鳥場さんのアカウント、フォローするなうよ。

愛されるアイデアのつくり方

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ちなみに、今、カミサンの実家にいるのですが、トイレには小林製薬の消臭剤。そしてその次にはエステーの消臭力が控えていました。(笑)
さて、明日は、この本にします。m(_ _)m

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