【「出るクイ」を求む!】ソニー、昭和四十四年の人材募集広告
村田製作所の人材募集コマーシャルを見ていて、昨年末に閉館した、ソニーの歴史資料館で撮った写真を思い出しました。
もう、古すぎて字もつぶれており、読みにくいので書き出してみます。
積極的に何かをやろうという人は「やりすぎる」と叩かれたり、足をひっぱられたりする風潮があります。
たいへん残念なことです。
いいアイデアを育てるひとはなかなかいません
反対に、ダメだ ダメだとリクツをつけて、それをこわす人はたくさんいます。
しかし、私たちは、ソニーをつくったときから、逆にそういう"出るクイ"を集めてやってきました。
ソニーがつねに他に先駆けて個性的な新製品を出し、わずかここ十年間に「SONY」を世界でもっとも有名な
ブランドの一つにすることができたのも、ひとつにはそのように強烈な個性をもった社員を集め、その人たちの創造性を促進してきたからだと思います。
ソニーはいま新製品「トリニトロン」カラーテレビを加えて、また一段と飛躍しようとしています。
ウデと意欲に燃えながら、組織のカベに頭を打ちつけている有能な人材が、われわれの戦列に参加してくださることを望みます。
昭和44年といえば、まさに高度経済成長期の真っ只中。普通に仕事をしていれば右肩上がりという時代に、創業当時からのソニーの人材についての考え方が垣間見えます。そしてこの当時に、もうブランドという言葉を使っているのですね。ソニーだなぁと思いました。
時は巡って、村田製作所です。
あきらかに「変わった人」を狙い撃ちしようとしていますよね。今後ますますその流れは大きくなっていくのかなと。
でも、就活生の話を聞いていると、まだ「みんなと同じようなスーツにする」「髪型は目立たないように」とか言っています。
もちろん、変な人とは見た目の話ではないし、内側が変であればいいのですが、短い面接時間にそこまでわかってもらえるかは甚だ疑問です。見た目からしてじわじわ個性的でないと、印象に残らないのでは?とも思います。
自分のベストな働き場所を見つけるのって、大変なことだと思いますが、うまく企業の出しているメッセージに気付いて、トライしていただきたいものです。
※英語でタンカのきれる(日本)人を求む、というのもおもしろいですね。さすがのソニーも、まだ外国人の要職を雇うという発想はなかった?ようです。