【現代の大福帳プロジェクト】話のネタになる、おいしい部分だけ抜粋してみました。
実は4回目のクラウドファンディングをスタートいたしまして。今回もノートなのですが、またちょっと趣向が違いますので、ご案内させていただければと。
大福帳なんです。外見はだいたいこういうもの。ご存知でしょうか?
そうです、江戸時代から昭和の初めまで使われていた、商売の台帳ですね。
以下、大福帳についておもしろい部分だけ抜粋しますので、よろしければ読み物としてどうぞ。
大福帳とは?
大福帳には何を書いていたかと言いますと、主に、お客さんの名前、いつ、何を、どれだけ売ったか?ということが記されています。江戸時代の商売は掛け売りが中心でしたから、後で(盆暮の年に2回)これをもとに代金を回収していたというわけです。
今では信じられないですが、売った側と買った側にとって、基本的に証拠となるのはこの大福帳だけだったそうです。お互いが信用信頼のもと、売り買いをしていたのです。
ですから、商売人にとってこの大福帳は、命の次に大切なもの。顧客名簿であり、売買契約書であり、お客から取った借用書でもあります。これがなくなったらお家の一大事なわけで、店の主人をはじめ、番頭さん以下使用人はみな、大福帳を何より大事に扱ったそうです。
大福帳と火事
ところで、「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるほど、江戸の町は火事が多かったことで有名ですね。関ヶ原の戦いの翌年である1601年から、1867年の大政奉還までの267年間で1798回もあり、そのうち大火と呼ばれる大火災が49回も発生したのです。
近くで火事になったら、商品などは放っておいて、商売人がまず持ち出すのは大福帳。しかし、逃げる途中で紛失したり、盗難にあっては元も子もありません。なにせ、お店の上得意様の情報がびっしり書かれているのですから、万が一、商売敵の手に渡ってしまったら、とんでもないことになります。
ですから、大福帳は持って逃げるのではなく、家の井戸に放り込んでおいて、火事が収まったら引き上げるということをしたようです。紙は水に溶けるだろうって?いえいえ、実は大福帳は、こんにゃく糊を塗ったり漉き込んだりしてある、特殊な「こんにゃく紙」という和紙で作ってありまして、水に浸けてもなんともない、乾かせば元通りになるという、大変な優れものだったのです。
大福帳の価値
という大福帳、まさに商売のすべてが詰まったデータベースですから、商売を新しく始めるときには、同業者から大福帳を買い、顧客を回ってがんばって商いをし、自分が引退する際には、長年育てた大福帳を売って、老後の資金にしたのだそうです。つまり、よいお店の大福帳ほど資産価値が高い、というか、お金そのものだったわけです。
わたくしは昔からこのお話が大好きで、文具の仕事をするようになってから、いつか大福帳に関係するものを作ってみたいと思っていました。でも、単に大福帳っぽい形のノートを作っても、全然おもしろくありませんよね。それでこの数年間、ずっとモヤモヤしていたのです。
続きは今回のノート作りのお話となります。興味ある方は以下もどうぞご覧ください。
>>江戸商人の命「大福帳」を現代の洗える紙と伝統的な和綴じ職人の技術で復活させたい!
(Makuakeにてクラウドファンディングチャレンジ中)