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【受講させていただいた】久米先生の『ビジネスコミュニケーションII』は現代の究極の実学。

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先日、多摩大学客員教授の久米信行先生の講義を特別に受講させていただく機会に恵まれました。

実は先週、久米先生のフェイスブック投稿で、ライトアップされた美しい高幡不動五重塔の写真を拝見し、それが「毎週の授業後に行っている多摩地区ぶらり」だと知り、「今度お供させてください!」とコメントしたところ、「では来週いらっしゃい。ぜひ講義も。」とお招きいただいた次第です。

なんと講義まで!ラッキー。お客様には申し訳ありませんが、その日は午後からお休みをいただきまして、嬉々として多摩大に向かったのです。

多摩大学は、「現代の志塾」がテーマの、平成元年にできた新しい学校。実学教育を根本に置き、アクティブ・ラーニングを実践しています。

新しい時代の実学を「今を生きる時代についての認識を深め、課題解決能力を高めること」と再定義し、本学の教育理念を「現代の志塾」と定め、教育・研究・社会貢献の全分野の共通理念とした。

「現代の志塾」とは、「アジア・ユーラシアダイナミズム」に代表される「現代」、社会の不条理の解決のために自らの職業や仕事を通じて貢献をする「志」、人間的な触れ合いによる少人数制ゼミを中心とした「手作り教育」の「塾」を意味している。実社会に活かすことのできる力を備え、問題解決の最前線に立つ「志」人材の育成に尽力し、個性と特色にあふれた「ゼミ力の多摩大」を形成している。

勉強大嫌いのわたくしに大学教育を語る資格はありませんが、これからの世の中をたくましく生きていくためには、かしこまった理論で武装するだけの勉強はアウト。AIにできる分野は任せておいて、人間にしかできない、いや自分にしかできない何かを磨かねばなりません。それがまさに「実学」で、久米先生の招聘もここがポイントなのだと思いました。

さて、そんな久米先生(個人的に師と仰いでおりますので、今後は師匠と書かせていただきます。)の講義内容、そしてその後の多摩デートの模様を、何回かに分けて書かせていただきます。

『ビジネスコミュニケーションII』

久米師匠のSNS論の今期(2018年後期)の講座名です。のっけから驚きました。チャイムが鳴ると、「ではご起立ください。いつものように挨拶から。」

選ばれた学生さんが前に出てきて、挨拶そしてお辞儀。他の学生さんもそれに続きます。しかしなかなか大きな通る声が出ません。「もっと出る!もっと出るよ!」何度か挨拶の練習を繰り返し、きれいなお辞儀の仕方も習います。

現代っ子なら「かったるい」と思うであろうみんなでの「ご唱和」、どうして組み込んでるのか聞いてみました。

「プレゼンテーションの本場、アメリカには、それを専門に学ぶスクールさえある。限られた時間で投資家にお金を出してもらうには、事業の内容云々の前に、信用される人間力が必要。それはすぐに見抜かれるし、明晰な頭脳以前に、何気ない挨拶から始まる所作にも表れてしまうから。」

愛ですよ。愛。

学生さんが社会に出て、まずはその印象だけでかわいがってもらえるように、師匠は挨拶の練習を毎回しているのです。

これ以上ない実学

講義が始まります。内容は、師匠の言葉でこう説明されています。

・講義目的

この講義ではSNSを友人との連絡だけではなく、有用な情報を広く発信して縁を広げる技術を学びます。多摩のお薦め情報をインスタグラムで発信=勝手に観光協会しながら自分と地域をプロデュースします。

・到達目標

日々のインスタグラムで次の3大スキルを磨き「友達」と「いいね」を増やしてネット上の評価を高めます。
1)毎日ひとつはSNSでシェアしたくなるモノ・店・風景などを発見する「脳のパラボラ力×心のズーム力」
2)記事を見た人が思わず「いいね」を押したくなる「写真撮影・加工センス×キャッチコピー作成センス」
3)シェアしたお店の店主など地元キーパーソンと楽しいご縁を結ぶ「メッセージ×友達申請×コメント術」 

はっきり申し上げて、SNSの達人である久米信行師匠の、手の内そのまんまオールご開帳状態です。

これを直々に教えてもらえる多摩大の学生さんは、何と幸せなことか。

具体的には、毎週のお題に沿って、観光協会のつもりで多摩地区の美味しいものなどをインスタグラムにアップする課題を中心に行われます。

写真 2018-10-19 13 13 24.jpg

課題は、先生の授業用ブログ上で出され、コメント欄に受講生のみなさんが投稿したものを報告していきます。それを授業でも前に出て説明し、講評を受けるという流れです。

>>多摩地区の美味しいパンを紹介する回

この日は、「キャッチコピーの力」ということで、写真に添えるタイトルで、どれだけ人を惹きつけることができるか、ハッシュタグの付け方のコツなど、ゴリゴリの実学が展開されました。

プロのコピーライターの作品紹介から始まり、久米師匠の実例まで、普段師匠が社会人向けに行っているセミナーの内容に、フィールドワークまで加わって、これ以上の実学があるか?という授業です。

しかも、授業の詳しいレジュメなども全部ブログにアップされています。多摩大の学生さんだけでなく、誰でも聴講可能な、究極の公開講座と言えますね。

>>授業のまとめと学生さんからの質問に答えるコーナー

Q&Aもおもしろいです。授業中だとなかなか手が挙がらないものですが、ラジオの投稿のようなもので、紙に書く形式ですと、いろいろ出てきます。しょーもない質問もたまにありますが、師匠のお返事がまた秀逸で、その応対力のようなものも学んでいただきたいものです。

独立して身に染みるSNSの力

正直なところ、まだ仕事をしていない学生さんにとっては、この授業がどれくらい役に立つものなのか、ピンと来ていないかもしれません。

しかし、昨年独立したわたくしからすると、こんなにありがたい講座はありません。

自分の行動次第で、事業が上手くいくか否か決まってしまう零細の社長にとって、唯一頼りになるのがSNSで培ったお仲間の力です。

今回、3度目のクラウドファンディングを好評のうちに終えることができたのも、すべて、直接支援者になってくださった方や、拡散などの応援をしてくださった方などSNSの友人のおかげですし、そして何より、いっしょにプロジェクトを立ち上げたメンバーでさえ、SNSがなければ、知り合うことのなかった仲間です。

ぜひ学生さんには、SNS力をコツコツと付けていただいて、即戦力に直結する実学を極めて欲しいですし、仕事だけでなく人生そのものを本当に楽しむ術を、師匠から盗んでいただきたいと思っております。

講義後、「自分が一番の手本にならなければ」と師匠がもっとも張り切っている「多摩の魅力を探るぶらり」に同行させていただきました。おっさん二人で真昼間のデートです。

長くなりましたので続きは次回。

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