【年末年始ブックマラソン】『ひつまぶしとスマホは、同じ原理でできている』
昨日の予告通りブックマラソン、というかひとり駅伝?スタートです。
さて、何の本だかわかりますか?
名古屋名物の鰻料理、ひつまぶしとスマホの関係とは?
他にもありますよ。
コメダ珈琲とアマゾンの関係、大須商店街と嵐(ジャニーズ)の関係、台湾ラーメンと任天堂Wiiの関係など、この本には「名古屋名物」と「うまくいってる企業」を引き合いに出して、あることを教えようとしています。
それは、ビジネスにおける「柔軟な発想」。
最終章では、企業内の人間関係のあり方からも、どんな環境が柔軟な発想を育むかが説明されています。
うーん、名古屋のことをよくご存じない方には、ちょっとイメージしにくい部分もあるかもしれませんが、地元のわたくしにはすごくわかりやすい解説でしたね。まぁ、名古屋以外の方も、逆に、全国各地のご当地名物を想像して、「うちだったらソースかつ丼かな。」とか、想像力を膨らまして読まれるのも楽しいと思います。
そう、それで最終的にいかに自由な発想でヒット商品(サービス)を作り出すか?売り方を考えるか?という部分を刺激してくれる一冊であります。
気になったフレーズをいくつか抜粋してみます。いかがでしょう。
・顧客中心主義を私なりに解釈すれば、顧客を自分の意識の中心に置く、ということになる。
・ある種の「多様性」を認める、さらにはもう一歩進んで、今とは「異質なもの」を積極的に取り入れていく
・いわゆる「異見」が切り捨てられる最大の理由は、過去の成功体験や固定観念といった偏見のコレクションが、「これはありえない」というバイアスをかけてしまうからである。
・職位が上の人が先に意見を表明してしまうと、(中略)意見が固定して議論が成立しづらくなってしまう。
・自分たちが、これまでやったことがないことの中にも、大きなリスクを伴わない小さな「破壊的イノベーション」だって視点を変えればきっと見つかるはずだ。
・それぞれにはそれぞれの合理性というか、「そういうことになっている」のもともとの理由があるのは間違いない。しかし、ユニークな発想を生むということは、そういう「ルール」を変えれば、別のやり方が見つかるのではないだろうか、と考えてみることでもある。
・売れる企画、ヒットする商品の多くは、「常識から考えれば除外してしまい、企画の初期段階で捨ててしまうようなアイデア」の中にヒントが隠されていて、それらを組み合わせることによって成立している
・元プロ野球選手の言葉「プロにスカウトされた時点で、体力的なレベルはクリアされているんですよ。成功するかしないかは、努力を続けられるか、自分の頭を使ってものを考え続けられるかで決まります。」
いずれも、よいアイデアの出し方、考え方、逆によいアイデアを出すのを邪魔する環境についての指摘になるわけですが、うちのような小さな会社は、お金はないのでアイデアで生き残っていかねばなりません。その点で、太文字にした箇所などは、今後も常に意識したいところであります。
うちの通販サイトのひとつに、「ノベルティ用名入れペン」のショップがあります。これをはじめることになったとき、まずやったのは同業他社の把握でした。もう、最後発とも言えるほど遅いスタートでしたので、逆張りしかないと思ったんですね。
もう、こうしたカスタマイズ商品のネット受注も、完全にシステマチックなのが普通になっており、本数や諸々の情報を入力すると、自動的に見積りなどが表示される、非常に使いやすいサイトが幅をきかせていました。SEOもお金をかけてやっているようで、検索の上位を占め、さらにグーグルのアドワーズ広告もバッチリ、今時のネットショップだなぁ、、、という有力サイトがひしめいていました。
そこで、うちは(初期投資予算がなかったのもありますが)時代を逆行し、注文はネット上にアップしてあるPDFを印刷してもらい、手書きしてファックスで受注する方法を取りました。
果たしてどうなったでしょうか?
おかげさまでよく売れております。システマチックな業界の中で「手動」を打ち出したことで、そういうテイストが好きなお客様に共感を得たのだと思います。システムで「壁」を作るのではなく、スキだらけの、よく言えばフラットなサイトを作ったことで、ネットショップなのに電話でのお問い合わせもすごく多いです。
基本的に小売りですのでね、オリジナル商品はなかなか作れませんが、売り方は工夫できる。というか工夫しなければいけないと思っています。そこしか独自性出せませんからね。ですから、やはり柔軟な発想は必須。
40歳も過ぎて、これからどんどん思考が固まっていきますので、こういう部分はマジで意識し続けたいと思った次第です。
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さて、明日はこの本にします。
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