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グルーポン(Groupon)1.0、2.0、3.0を定義してみた

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皆様、あけましておめでとうございます。芝辻です。
今年もよろしくお願いします。

2011年元旦から御節料理の問題で何かと話題のグルーポン。
この問題の他、購入したチケット枚数が多過ぎて、店舗の予約が取れなかったり利用前に店舗が潰れてしまうなどの問題が出ている。

まだまだ問題は山積みだが、グルーポンのビジネスモデル自体は素晴らしいものである。
今回の問題は問題外かもしれないが、これをグルーポン始め、他のグルーポン系サービスを行っている運営者の戒めになればと思う。

さて、そんなグルーポンビジネスだが、私はビジネスとしても様々な可能性や応用の仕方があることを提唱してきた。
それを今風に言うと、『グルーポン1.0』、『グルーポン2.0』、『グルーポン3.0』と名付け、それぞれその定義を説明していきたいと思う。

■グルーポン1.0

運営者主導のグルーポン。所謂グルーポンやポンパレなどの普通のグルーポン系ビジネス(共同購入クーポンサイト)。
運営者が店舗に営業に行き、グルメやエステ等のコースを半額以下の大幅割引や何らかのインセンティブをつけて販売する。

・メリット
運営者:
店舗を自分たちが選別できるため、ある一定の品質を保ったディールを消費者に提供することができる。
リアル店舗のキュレーション的役割を果たすことができる。

店舗:
写真やコピーなど、店舗の見せ方を運営者サイドに任すことができる。
自らでは表現できなかった店舗の良さをそこで伝えてもらうことができる。

消費者:
ある一定の品質を保ったディールを購入することができる。

・デメリット
運営者:
基本的に店舗は一度載せたら、すぐに再度掲載とはならないため、店舗をひたすら獲得し続けなければならない(フロー型から脱却しにくい。)

店舗:
自分の好きなタイミングでディールを出すことができない。
米グルーポンは半年待ちだとか。。

消費者:
1日1エリア1クーポンなので、自分の欲しているクーポンが常に掲載されているわけではない。




■グルーポン2.0

店舗主導型のグルーポン。店舗が自分の好きなタイミングで割引クーポン等を発行できる。
オペレーションは運営者の用意するシステムから操作が可能で、店舗は出したいタイミングで好きな期間、自由にクーポンの販売が可能になる。

米グルーポンのGroupon Stores、日本のグルーポン系サイトではKAUPON Storesチケモン(tickemon)Pondeなどが既にサービスを開始している。


・メリット

運営者:
フロー型だったグルーポン1.0から月額課金とその販売手数料により、ストック型に移行することができ、経営が安定しやすくなる。

店舗:
出したいタイミングでクーポンを発行できる。
(飲食店を例にとると1、2月が閑散期や、週始めの客入りが弱い月~水など)

消費者:
複数の店舗のクーポンを見ることができるようになる。

・デメリット
運営者:
店舗主導であるため、一つ一つのディールの品質が悪くなってしまう可能性がある。
※ここで言う"品質が悪い"とは、店舗が出すクーポンの内容がショボかったりや、店舗が裁ききれない数のクーポンを発行してしまいユーザートラブルを引き起こしていしまう可能性が高まることを言う。

店舗:
複数の店舗からのクーポンが集中する可能性があり、発行したクーポンも埋もれてしまう可能性もある。
ターゲット層を絞ることが難しくなる。

消費者:
ディールの品質が下がることで、自分の欲しいクーポンを手に入れることができなくなる。



■グルーポン3.0

ユーザー参加型、ユーザー主導型のグルーポン。
個人でセミナーを開く。イベントやパーティ、ライブをする。公園で大規模鬼ごっこをする。などが考えられる。
個人が店舗と交渉してクーポンを発行する。(例えば、この店舗で自分ならこう流れでメニューを頼むなど、個人が勝手に店舗のコース料理を作ってしまうなど)

・メリット
運営者:
グルーポン2.0と同様に自ら店舗営業をかけに行かなくてよい。
飲食・エステ以外のディールの幅が広がる。

店舗:
クーポン内容は個人に任せることができる。

消費者:
自らが本当に欲しい店舗のサービスやコースを人と共有することができる。
セミナーやイベントでドタキャンがどうしても発生してしまい、マネタイズに困っていたが、事前に確実に収入が入るグルーポンの仕組みを利用できるため、マネタイズしやすい。
グルーポン3.0で提供されるプラットフォームを利用できるため、通常では訴求することのできなかったユーザーまで訴求することができる。

・デメリット
運営者:
グルーポン2.0と同様に、ディールの品質が安定しない。
主催者がドタキャンをしたりして、ユーザーがそのイベントやセミナーに参加できなかった際の尻拭いは誰がやるか?などの問題がたくさんありそう。

店舗:
ユーザー主導で発行するので、交渉が面倒くさい。実際にサービスを利用するときオペレーションが不安定になる可能性がある。

消費者:
ディールの品質が下がってしまうので、ディール購入のリスクが高まる。



グルーポン1.0や2.0は就職活動やB to Bなどにまで発展するかもしれない。
例えば、"IFRS(国際会計基準)に対応をしたシステムを今なら一社様に半額で提供"なんてのもグルーポン2.0で可能なわけだ。

グルーポン1.0~3.0でどんどんグルーポン系ビジネスが横展開していくと、情報量が増え過ぎてしまうため、パーソナライズドディールが必須になってくると思う。

これらグルーポン1.0~3.0のようなサービスを成功・発展させるためには、ソーシャルグラフの形成が必要だと考えている。
米国でグルーポン1.0が流行ったのも、グルーポンのサイト自体へのアクセスの半分以上がソーシャルメディアであり、40%以上がFacebookであるということが要因として考えられる。

これは何を意味しているかというと、グルーポンビジネスはソーシャルグラフを揺らす(クチコミを伝播させる、バズ効果を得る)のに適しているビジネスだと考えることができる。

クーポンの取引が成立するには下限値があり、クーポンを購入したユーザーはクーポンが発行される最低下限値に達するように友人等にクチコミを広げるのだが、そのクチコミを広げるのに最も適しているのがソーシャルメディアだからだ。

今の日本はソーシャルメディア発展途上国であると考えている。欧米に比べてその普及率が低いからである。
さて1月15日の映画『ソーシャルネットワーク』を機に、ソーシャルメディア・オブザ・イヤーになるか??

お問い合わせはこちらへ
shibatsuji@sharecoto.co.jp

■参考記事

・わずか4.9%の国内上場企業しかソーシャルメディアを利用せず!
http://www.spotlight-news.net/news_c5urOxP4G2.html?right
・世界各国のソーシャルメディア利用率をグラフ化してみる
http://www.garbagenews.net/archives/1629583.html
・グルーポン×位置情報サービスでパーソナライズドディールの最適化と店舗主導のCRMシステム構築の可能性を考える
http://blogs.itmedia.co.jp/mikiya/2010/12/crm-db3d.html




 

 

 

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