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フラッシュマーケティングやソーシャルコマースに関して現場目線でグダります。

IPOしたGroupon(グルーポン)の功績とピボット戦略についてまとめてみた

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クーポン共同購入サイトの米グルーポンが、2011年11月4日ナスダック市場に上場をした。
5月の人人網(中国のSNS)、LinkedIn(ビジネス向けSNS)、6月のPandora Media(ネットラジオ)、8月の土豆網(中国の動画サイト)とIT系の大型IPOが続き、待ちに待ったGroupon!と言った感じだ(私だけかもしれない、、みなさんは、ZyngaやFacebookのIPOにご興味があるかもしれないが。。。)

株価は初日の終値が31%高の26.11ドルで、順調な滑り出しのようだ。

いろいろな意見が飛び交わされるグルーポンだが、今回のエントリーでは、そんなIPOを成し遂げたグルーポンがもたらした功績とピボット戦略について肯定的な目線で見ていきたいと思う。

Groupon


■グルーポン設立からIPOまでの過去3年間の功績

Congratulations, Groupon!」と言う記事にグルーポンの功績が9つ書かれているので、コメントを付けて紹介する。

1.フラッシュマーケティングと言う全く新しい産業を発明

日本国内でも一時は250サイト、中国では5000サイトを超える運営企業が誕生。全世界を考えると、1万サイトを越えるのではないかと思う。

新しい産業と言っても、共同購入サービス自体は、日本でも楽天などが実施していたり、海外でもベンチャーなどが同様のサービスを展開していた。2000年に既に閉じてしまったMercataなどの失敗に関してはこの記事を読んで欲しい。
 記事:Group-buying site Mercata to shut its doors

価格を下げるための集客に時間がかかってしまっていたことや、規模が小さかったため、バイヤーとしての力が弱く、Amazon等を上回るディスカウント価格を得ることが難しかったため失敗したと分析されている。

しかしグルーポンが新しかったのは”地域密着型(つまりリアル)”の共同購入サービスをしたことである。
※ここの部分は本エントリー後半のピボット戦略にも大きく関わってくる重要なポイントである。

2.史上で最も急成長を遂げている会社の構築

こちらの記事(Grouponはグーグルのデビュー時の売上高を圧倒)に載っているグラフを参考にすると、売上高ベースでグルーポンの成長スピードいかに速く、他を圧倒しているかが分かる。

Groupon_grow

このグラフのデータ元Wall Street Journalの記事はこちら

3.1万人以上の雇用創出

従業員が1万人もいるとは。営業部門が約半数の5000人くらいいる。

4.年間売上高10億ドルを達成

5.何十万人もの会社に新規顧客を流入

6.数千万の消費者にディールを提供

2011年第2四半期でGrouponの利用者累計は1億1570万人、クーポン購入者は2300万人。

7.スタートアップと起業家を生んだ

私もその一人?

8.猛烈な批判を風化(笑)

日本国内でも批判されました。

9.約150億ドルの評価額で公開

時価総額はソニーとほぼ並び、約165億ドル(約1兆3千億円)(2011年11月4日時点)になっているようだ。

驚異的に成長したグルーポンだが、赤字額も1億ドルくらいある。よく比較されるが、あのAmazonでさえも、1997年に赤字のまま上場し、黒字に転換したのが2003年、といった例もある。グルーポンもアマゾンと同じ用に、ストーリーとしての競争戦略(こちらの本にアマゾンのことが紹介されている)があるのかもしれない。




■グルーポンのピボット戦略

そんなグルーポンになんとなく期待をしてしまうのが、グルーポンの敏捷性や応用力である。グルーポン誕生から今までの歴史をざっと振り返ると大きなピボットが2つあることが分かる。

2007年11月:the pointサイト立ち上げ
2008年11月:Groupon開始
2010年7月:G-team開始
2010年12月:Groupon StoresとDealFeedを試験的に開始
※GrouponStoresは後にGroupon Now!に変わった?
2011年3月:Groupon Now!開始
2011年9月:Groupon Goods試験的に開始

ピボット1.the pointから共同購入サービス(グルーポン)へ、そしてG-teamへの回帰

良く知られていることだが、創業者アンドリューメイソンは、グルーポンのビジネスモデルを初めからしていた訳ではなく、グルーポンの元となった「the point」というサイトを2007年に立ち上げている。

「1人で献金しても足りないけど、皆のお金を少しずつ集めて献金をする」「人数を集めて大きなボランティアを行う」といったことを手助けするサービスである。

Thepoint

そのオンライン上での協調行動に関するアイデアはグルーポン誕生の礎になっている。

グルーポンが、割引チケットに対して人々が集まり、一定数以上の購入者が現れた時に割引が有効化するシステムであるように、the pointは、人々がある誓約(例えば寄付やボランティア、社会運動に参加するなど)をたて、その誓約に賛同する人々が一定数集まった時にそれを実行する、というものである。

2010年7月に、このThe Pointとグルーポンを融合させたのがG-teamである。
どうやら創業者のアンドリューメイソンは、オンライン上でのグルーポンコミュニティを現実での繋がりにステップアップさせたいようだ。

G-teamのサイトに飛ぶと下記のようなことが書かれている。

”昔々(2008)、グル―ポンはファンドレイジングのプラットフォームの一つ、The Pointとして生まれた。グル―ポンが大きくなり、そのサービスを通じて人々は彼らの住む町の楽しみを再発見した。

長い道の果てに、僕達はThe Pointの力を再び手中に収めるときが来た。G-teamを使ってグル―ポンのユーザーを彼らのコミュニティとつなげるのだ。グル―ポンのユーザーで、何かよいことをしたい、楽しみたい、そして本当のインパクトを生み出したい、そんな人々がG-Teamをつかって誰でも参加できるのだ。”

Gteam


私はこの思想がグルーポンや創業者のアンドリューにある限り、応援したいし、成功して欲しいと思う。

さて、その後、2010年12月にGroupon Stores、2011年3月にはGroupon Now!を提供し、店舗主導型グルーポン(いわゆるグルーポン2.0)が出来るようになり、店舗が好きな時に、好きな価格で、好きな枚数分だけチケットを販売することが出来るようになった。


ピボット2.グルーポンからグルーポングッズへ

直近の2011年9月では、Groupon Goodsが試験的に開始された。ローカル店舗の割引チケットを販売する通常のグルーポンとは異なり、家電製品などをオンライン販売している。これはかなりインパクトのあるピボット戦略だと考えている。

Groupongoods

アマゾンやウォルマート、ベストバイなどのリテール業界に真っ向勝負と言った感覚である。上記「Mercataの失敗」でも書いたが

(Mercataの共同購入サービスは)”規模が小さかったため、バイヤーとしての力が弱く、Amazon等を上回るディスカウント価格を得ることが難しかったため失敗したと分析されている。”

今のグルーポンは違う。ユーザー数は1.5億人を誇り、バイヤーとしての力が強くなっているのである。

リテール業界のユーザー数を見るとAmazonは2.8億やeBayは2.2億人、ウォールマートは4千万人。グルーポンは十分対抗出来うるユーザーを抱えていることになる。

Comscore

米コムスコア(comScore)が発表した6月の世界の小売・オークションサイト訪問者数ランキング

さて、アマゾンはどうかと言うと、共同購入クーポンサイト第2位のLivingSocialとタッグを組んでいる。そんなLivingSocialもIPOを狙っている。

Googleの動きも気になる。Google offersはまさにグルーポンの領域。Google shoppingなどでジワジワとリテール領域にくるのではないかなと思う。

オンラインショッピング、共同購入サービスそしてオークション。この3つの辺りの覇権争いが今後面白くなってくるかもしれない。私はユーザー層が比較的近しいかなと考えており、各プラットフォームが抱えるユーザー数が肝になってくるように思う。例えばeBay誇るオークション領域は、そのまま同じオークションサービスか、Amazonマーケットプレイスなど中古市場と競うことになるかなと。

とすると、グルーポンの次のピボットはオークションやマーケットプレイス的なところかもしれない。

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