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フラッシュマーケティングやソーシャルコマースに関して現場目線でグダります。

グルーポンビジネスを経て、今ある僕自身を見つめてみる

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1.グルーポンとの出会いとその衝撃

2010年5月、以前ルームシェアをしていたメンバーから連絡があり、グルーポンビジネスに関する話を聞き、一緒にやらないかと誘いを受けました。

その時は「会社創って、たった2年で売上300億円を超え、利益が40億円も出ているビジネス」と聞き、そんなおいしい話があるはずがないと、ビジネスモデルを調べてみると、

以下のように三方よしの近江商法がその成功をどうやら担っていると言うことが分かってきました。


・対ユーザー
「え!?50%割引!?」⇒「よし、買うぞ!」⇒「販売枚数に達するように宣伝するぞ!」
「事前決済だけど、購入者が一定人数集まらなくてチケットが発行されない場合は、お金は支払わなくてもいいからリスクがないぞ」

・対企業(店舗)
「クチコミで人が増やせるし、消費者は既にお金を払っているので確実に集客が見込めるぞ!」
「しかも成果報酬だからリスクなくお願いできるぞ!」
「まとまったお金が入るぞ」

・対グルーポン系サイト運営側
「質の良い商品だと規定達成して儲かるな」⇒「商品は厳選した方がお得!」


「リーマンショック後だし、大きな値引きでの訴求は消費者に届くんだろうな。なるほど!しかも儲かるしやらない手はない!」
と、アクセンチュアというそれなりに給料もいい会社を抜け出して、起業することにしました。

この「儲けたい」という動機は後々、「自分は何がしたいのか?(どのような課題を解決したいかと言うニュアンスに近い)」に対する自問自答に対して何も答えられない未熟な自分を露呈する結果となりました。

唯一の救いは、「まだ26歳だし、もし失敗してもやり直しは何度もきくしね!」と思っていたことだったと思います。


2.グルーポンとソーシャルメディア

さて、グルーポンビジネスをすべく立ち上げた会社シェアコトでは、自分の未熟さを痛感し続けることになります。

商社ミスミ出身の田中はバリバリの営業マン。そのキャラクターと図太い精神でゴリゴリと営業し店舗との契約を獲得していきます。

NRI出身の東海林は、国内でも競合が乱立するなかでどのように勝つかを超ロジカルに考えていきます。

僕はと言うと、システム開発やデザインができるわけでもなく、アカウンティングの知識もなければ、営業もしたことがない。できるのはエクセルやパワポでの資料作成。起業して間もなく、「自分に何ができるのか?何もできない。」と言う状況に陥ってしまいました。

負けず嫌いさとプライドだけはあったので、なんとか社内で自分のポジションを獲得しようと、CFO目指してみたり、はたまたCTOを目指してみたり、フラフラしてました。

結局どれも地に足付かず、二人のサポートをしながら、日記程度に始めたアメブロをちょこちょこ更新していました。

そんな中、グルーポンビジネスを調べていると、どうやらソーシャルメディアと言うヤツがグルーポンビジネスとは相性がよいと言うことが数字的にも分かってきました。

下記はCompete.comが出した2010年1月のデータですが、グルーポンサイトへの流入のうち、44%がFacebookから、8%がTwitterからと、半分以上がソーシャルメディア経由だと言うことが分かりました。

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「なるほど!日本でもグルーポンを成功させるにはソーシャルメディアを使ってサイトにお客さんを流入させればいいんだ!」

その頃、Facebookのアカウントは持っていたものの、ほぼ使っておらず、mixiはボチボチ、Twitterはまだ始めたばかり、みたいな状況でした。国内ではTwitterやmixiのユーザーが多いのは分かったので、ユーザーの少ないFacebookはとりあえず無視して、How to本などを読みながら、ソーシャルメディアを使い始めました。

その時ちょうど東海林が、「ソーシャルメディアの勉強会があるから行ってみなよ」
とTechWaveの「ソーシャルメディアコンサルタント要請講座 第二回」の参加を進めてきました。15万と言う金額にビックリするのですが、これが後々僕の今後を大きく左右するなんて知る由もありませんでした。

各回とも僕には新鮮で、知らないことばかりでした。IT業界やマーケティングなども、この頃やっと分かるようになってきました。勢いあまって第三回目も参加することになるのですが、
講師陣(TechWaveの湯川さん、ループスの斉藤さん、ANAの山本さん、エイベック研究所の武田さん、良品計画の奥谷さん、サントリー坂井さん、メンバーズ原さん、mixiの原田さん、Facebookの児玉さん、多摩大学の公文先生)や一緒に講義を受けたTechWaveメンバーは今の私の財産になっています。

しかし世の中そんなに甘くはなく「ソーシャルメディアを使ってマーケティングだ!」と意気込むものの、ソーシャルメディアではなかなかユーザーを獲得することはできず、SEMや商品紹介のコピーライトとクリエイティブ制作、キャンペーン等の企画立案、国内外のグルーポン系ビジネスの事例調査とその情報発信、グルーポンに近しいビジネスの研究、先代から現在に至るまでのビジネス書の乱読、IT系のリアルイベントへの参加などビジネスを成功するために我武者羅になっていました。

この頑張りが今の僕の血となり肉となるのですが。


3.グルーポンビジネスからの撤退

ベンチャーであった僕たちは、資本力もないので、マンパワーで営業をかけ店舗さんを獲得するのは効率が悪くスケールしませんでした。またユーザーに対してもSEMにかける費用もなく、商品を知ってもらうことすらなかなか上手く行きませんでした。

  • ユーザーにインセンティブを与えて、店舗を開拓してもらおう
  • 店舗さんが店舗さんを紹介してくれると、次回以降のクーポンのマージン率は下げよう
  • 割引のクーポンではなく、特別体験のクーポンを出そう(例えば、窓際で景色が綺麗に見れる席に座れる券とか)
  • クーポンを出してくれた店舗は、その後自身でお客さんを呼び込むことができるように、ソーシャルメディアを上手く活用してもらえるようなマニュアルを渡そう
  • 営業代理店に店舗を開拓してもらい、レベニューシェアしよう
  • VCから資金集めて、営業費用と広告費にあてこもう
  • 自社ではクーポンの販売力がないので、他のクーポンサイトにクーポンをOEM提供しよう
  • ステマしよう
  • 調査会社の調査項目に「シェアコトを知っていますか?」と言う質問欄を載せよう
  • 位置情報系サービスと提携しよう(グルーポンナウ的な)
  • ドロップシッピングで安く通販しよう
  • 自分ごとなコピーを書こう
  • 日本グルーポン協会を開いて、業界の標準を作ろう

・・・

ありとあらゆることを考え、実施し、それでもなかなか上手くは行きませんでした。そんな中DMMやGMOなどの大手もどんどん参入してきました。そしてグルーポン系サイトの競合は2010年末250個を超えました。

焦りはピークに達していました。

2011年の年明け、グルーポンジャパンのお節問題もあり、業界の勢いは失速することになります。

このビジネスは、参入障壁が低過ぎるため競合が乱立しやすく、価格競争力と資本力がものを言うんだなと言うことを強く認識しました。恐らく前から気付いていたのかもしれませんが、市場が成長していた頃は「まだイケるはずだ!」と気合を入れていました。

結果、2011年4月1日サイトを日本初の共同購入クーポンサービスのpiku割に譲渡することになりました。



4.自分は何がしたいのか?

無我夢中で走り続けたグルーポンビジネスを譲渡後は、抜け殻のような自分になっていました。

「なんのために起業したんだろう?何がしたくて起業したんだろう?」

最初の起業当時は

「あのスケールするビジネスモデルであるグルーポンの波に乗ってみたい!そして儲けたい!」

と思っていました。それが難しくなった状況で、僕は完全に目標を見失っていました。
「何がしたいんだろう?」とひたすら自分に問いかける日々が始まりました。

そんな中、シェアコトは全く違うビジネスを始めていました。僕もソーシャルメディアなどを活用したWebのコンサルや新しい領域の事例調査案件などを請け負っていました。

TechWaveのお陰でソーシャルメディアや新しいサービスに関する知見、その界隈での人脈が出来ていたのでやはり「ソーシャルメディアだ」と思い、大きなお客さんにソーシャルメディアのソリューションを提供しているトライバルメディアハウスに入社することを決意しました。

しかし自分への「何がしたいんだろう?」と言う問いかけが止まることはありませんでした。久々のサラリーマンの感覚、落ち着いて考えることができました。
トライバルメディアハウスは副業OKだったので、たまたま僕のことを知っている人経由で似顔絵やイラストの制作を個人で請負い始めました。僕、実は小学校の頃から絵を描いていて、大学卒業間際まで漫画家も視野に入れていたため、イラストや漫画描けるんですww

「あの似顔絵よかったよ~!お陰でめっちゃ感謝されたよ、ありがと!」

「あれ?なんだこの感覚は?」小、中、高、大と漫画家を目指していた頃の感覚でした。

「やっぱり絵(漫画)が描きたいんだ、僕。絵でご飯食べたいんだ。あれ?でも世の中の画家さん達ってどうやって絵で食べてるんだろうか?」
ひたすら今の現状を調べ始めました。大学生の頃とは全く違い、今まで培ったビジネスの視点で見ることができました。

その業界のトレンドや課題等がだんだん分かってきました。(詳しくはIn the looopに寄稿しています。こちらも寄稿再開します。)




ビジネス視点を持つ自分と漫画を描くことが出来る自分。。



「これだ!!!ここにヒントがある!!!!」




そう思ったらもう止めることはできず、2011年の11月、漫画ビジネスをすべく、再び起業し株式会社フーモアを創りました。

ですが、実はまだ「何がしたいか?」と言う問いに対しては、明確な答えを出せていません。しかし、間違いなくここに答えがあることは分かりました。今現在は「自分ができること」をしつつ、「何がしたいか?」と自問自答を繰り返し、漫画ビジネスを徐々に構築中です。

直近では、ビジネスを通じ、漫画を使って日本ととある国の文化交流を図れるかもしれない、と言うところまで来ています。上手く行くと、漫画という日本が誇る文化を使って国と国の交流を促進させられるかもしれません。

妄想が止まりません。


おわりのグダり

ここ最近忙しく(と言うのは言い訳で)ブログを書くことから離れていましたが、これからは引き続きここでもブログを書いていこうと思います。
ITmediaなのでITに関することを中心に書くべきだと思っているので、ITに関するテクノロジーやサービスで僕が思う見識を述べてきたいと思います。

と言うのも、こうやって文章に書くことで自分の欠いてる部分を発見でき、頭も整理されるからです。
引き続きよろしくお願いします。

芝辻

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Comment(4)

コメント

TETSU

なかなか面白い経験をしたのですね。
継続的に儲かるビジネスモデルを考えるって経験は普通のサラリーマンにはないですから貴重だと思います。
でも実際難しいですよね。試行錯誤しながらやっていくしかないとわかっていても、新しいビジネスモデルを作った経験なんて普通ないし
まぁこれも経験の学校と思ってやっていきましょう。

>TETSUさん
コメントありがとうございます。そうですね。難しいですし、恐らく答えはないのかなと思っています。今でもずーっとTry and Errorですし。
「経験の学校」と言う表現いいですね!!いつかは卒業が来るんでしょうか?
ワクワクしますね。

面白く読ませていただきました。漫画についてもぜひ聞きたい!

>山岡さん
ありがとうございます!漫画についても発信していこうと思いますが、漫画はIn the looopの方で書く可能性があります。よろしくお願いします!!

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