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技術で勝って、商売で負けていませんか?

コロナ禍の後の世の中はIT化が加速する

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ファーストリテイリングの柳井さんが紙面で「戦後最大の人類の危機だ」と
語っていたのが信憑性を帯びているようなコロナ禍です。

それくらい、世界中が窮状に陥っている姿を毎日の報道で見たり知ったりすることには全然慣れるどころか、怖さだけが日々増すばかりです。

筆者が心配しているのは、年末までにワクチンが予定通り開発されて、コロナが終息に向かっていったとしても、世界中の人々の心の中にあるモノやサービスにお金を遣うという行為に対する萎縮性が、現在のままある程度の期間続くのではないか、という点です。

これだけあちこちで、クラスターが発生したり、一度発症した人が再び発症したり、を繰り返すと、いつかまた感染者が増え出すのではないか、という疑心に苛まれ続けてしまい、すべての消費活動にブレーキがかかる、思い切ってお金を出費することをためらう、ような状況がしばらく続くのでは、という予想を立てているのです。

さらにもう1点、
今の状況下で明らかになってきたことは、東洋の奇跡と言われてきた先進国の日本が意外にも世の中のIT化が進んでいない、という危惧すべき問題点です。

この点については、ノーベル医学生理学賞を受賞された本庶佑さんも指摘している位で、実は無視できない問題だと思うのです。

例えば、どういう場面で国内のIT化の遅れが目立ったのか一例を挙げますと、
コロナ禍の今こそ進めないといけない、学校教育現場でのネット授業の実施が、著作権法の存在が足かせになって進みません。
簡単に言うと、市販の教材をデジタル化してサーバにアップロードすることが規制で許されていないのです。(その後、特例で1年間の猶予を与えられましたが)

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次に企業の存続という点でも留意すべきことがあり、大事なことは、コロナ終息後のビジネスリスタートでは、さらに優勝劣敗が明確になるということです。
今の状況では世界中のどんな有力な企業でさえ通常の業務に支障がある中、再スタート時には一気に飛び出す企業、立ち止まったまま身動きができない企業など、その後の存続に関わるような重要な局面が比較的短期間に現れてしまうのです。

これらのことを勘案すると、本庶さんの指摘を真摯に受け止めてIT化、デジタル武装をしっかり進めた企業がコロナ終息後には一気に飛び出すのではないでしょうか?

そういう点では、本日の題目のとおり、IT化の進展が今までにないスピード感を持って加速する世の中が待っていると高い確率で予測できるのです。

最後に手前味噌ですが、我々の仕事ももっと忙しくなっていかないとIT化の遅れの解決には繋がっていきません。

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