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技術で勝って、商売で負けていませんか?

2つの選択肢の間で迷う場面が増えてきた

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illusion.jpg昔はどちらかと言えば、2つの選択肢がある場合、両者の間で迷うことはあまりなく、明確に片方の選択肢をチョイスすることができたはずです。

筆者が言及しているのは、日常生活の食べ物や飲み物の嗜好の場面ではなく、政治などの大きな舞台のはなしのことです。

事例を挙げると、例えば、原発の問題がそうです。
まず先に筆者の考え方は、この先に何年も掛かってでも、安全性が完全に近い形で担保されたのを待って、少しずつ再稼働をしていくべき、というものです。

ところが、この問題には明確な答えがありません。
再稼働の推進論としては、いち早く全国で再稼働をして、電気料金を下げていかないと企業が国際競争力を失ってしまったり、外資が日本に投資をしてくれなくなってしまう、という懸念があります。
さらに言及すれば、地球温暖化の進行が現状の火力発電中心では再加速してしまうという心配もあるでしょう。もちろん、現地の原発を産業としてみた場合、雇用の問題もあります。

一方で、再稼働の反対派としては、あのおぞましい福島第一原発事故のような悲劇を2度と引き起こしては絶対いけない、という人道的な考え方が中心になっています。
もはや、この上記、両意見に対して、明らかな優劣を付けることが難しいのです。

次の事例としては、TPPを挙げます。
焦点は、国内の農業がどうなってしまうのか?に対する考え方の違いによって、反対派と賛成派に分かれます。ただ守りばかりに走ってしまうとジリ貧だ、という意見がわずかに勝っていて、国会での可決直前までこぎつけたのです。

国際分野では、シリア問題が典型でしょうか。
アサド大統領派と反対派が複雑に入り組んで、これだけ長い年月を経ても戦闘が続いているのです。
他国は、もうとっくに独裁政権が打倒されて、政権交代が達成されているのにシリアだけがあまりにも長く続いています。

この問題もどちら派が正しい、という判定は非常に難しいと思います。
西側諸国からすれば、アサド大統領ばかりが悪者になっていますが、彼は眼科医であり、それなりの見識を持って日々の判断を行っているのかもしれません。

少しだけ本題とはズレますが、
今の世の中は、総じてモラルに対して非常に厳しくなってきています。
ややもすると、こっちが息苦しくなるくらい、非常識なことは決して許されない、といった空気が満ちているのです。

環境問題(不法投棄)、教育問題(モンスターペアレント)、個人情報の取扱い、職場(パワハラ、セキュリティ)

家の中にいる以外、一歩そとに出たら、気にしないと行けないことだらけのような気がします。
でも仕方のないことですね。
だからこそ、人は家での癒しをより強く求め、心身を労りたがるようになりました。
唯一のストレスが解消できる場としての貴重な空間だからです。

こういったことも背景にあって、
前半に書いたような諸問題の解決を難しくしていることも否定できないのかもしれません。
なぜなら昔は、明らかに片方側の方が人道的に見て等の理由で間違っている、ということが簡単に判定できた場面が多かったような気がするからです。

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