日経新聞の優良コンテンツとは?
日経新聞の中で、私、大塚が好きなコーナーは"経済教室"です。
平日は毎日掲載されており企業コーナーの後ろで、毎回ページは変動しますが、大体10〜15ページ前後くらいに掲載されています。
"経済教室"は日経新聞の各読み物の中でも、名物コーナーの1つであり、特に読み応えのあるコンテンツの1つでもあります。
なぜ私は"経済教室"が好きで、毎回楽しみにしているのかといえば、理由は単純明快です。
そのテーマ、分野において日本を代表する(たまには外国人の学者)教授陣の講義を誌面で毎日読むことができるからです。
彼らの講義を実際に受講しようと思ったら、普段所属されているそれぞれの有名大学に行かないといけません。ところがそれは現実的には不可能であることはおわかりだと思います。
それを1人だけの教授ではなく、凄い数の教授の講座を自宅に居ながらにして学べる訳ですから、こんなチャンスを逃す手はないと思うのです。
例えば最近では、今年の4月27日付けの"経済教室"で、川北英隆京大教授の寄稿が秀逸でした。
少し紹介すると、
日経平均2万円は実力か?というテーマに対して、日本企業の収益力に言及されていました。
「筆者が注目するのは、売上高に占める付加価値の比率である。ここでの付加価値とは、営業利益、人件費、減価償却費の合計としている。日本企業の売上高付加価値率を観察すると、低下傾向がうかがえる。」
「12年以降、景気の自律的回復とアベノミクス効果により、この比率は若干上昇した。しかし、足元では再び頭打ちとなっている。日本企業の収益力の回復が弱いといえる。」
「こうした状態の中で経営努力は人件費の抑制に向けられてきた。また、古い設備を使い続け、減価償却費の負担軽減効果も得てきた。デフレが完全に払拭されずに売上高付加価値率がさえないにもかかわらず、営業利益だけが堅調なのは、これらの経費抑制が大きい。」
「見方を変えると、これまでの方針を転換し、賃上げを実施しつつ増益基調を維持していくには、経営の重点を見直す必要がある。すなわち、国内で積極的に高付加価値製品・サービスを生産する仕組みづくりである。」
「日本経済の低成長は企業間格差を拡大させた。経済全体の成長率が高いと、どのような経営でも一定の成果が出せるのに対して、低成長では経営陣の目の付け所や統率力が収益力を左右してしまう。」
「守りの経営だけでは彼我の差が拡大する。守りは適切なガバナンス(統治)体制に委ねたうえで、執行そのものは収益力の向上に向けてかじを切ることが望まれる。」
「実際、企業間格差は株価の差を生み出している。日経平均と東証株価指数を比較すれば一目瞭然だが、日経平均の上昇率が断続的に高い。経営力のある企業が日経平均に多い証拠である。優れた企業が高い株価をもたらす典型だろう。これが日本企業と市場が目指す方向である。」
これまでも、日銀の金融緩和政策を巡って、リフレ派と反リフレが意見の相違で対立を深める中での伊藤隆敏教授の寄稿や、コーポレートガバナンスやROE8%必達を提唱した伊藤レポートで名を馳せた伊藤邦雄教授の寄稿など、旬な学者を次々に"経済教室"に登壇させてきました。
これらの優良コンテンツを含めて1部わずか160円で読むことができるのが日経新聞の魅力です。