IT教育のために動き出した経団連
今度はIT教育のために、また政府が動いたのか?と思いましたが、よく新聞記事を見直したら"経団連"でした。
16年の春に、企業の経営幹部にITに関する知識やノウハウを教育する新組織をつくる、と言うのです。
名称は、「デジタルビジネスイノベーション研究所」です。
当該研究所の運営に携わるのは、国内大手企業を中心とした約30社で、実際の教育メソッドの方はIT教育で評価の高いシンガポール経営大学(SMU)との提携に頼るようです。国も運営資金の一部を補助する、という形で関与していきます。
筆者がこのニュースを知って率直に思ったことは、いよいよ本腰を入れ始めたか、という点です。と同時に遅きに失する感もしないではありません。
経団連がそこまでしようとしている背景には何があるのでしょうか?
それはまさに、先日も筆者の拙ブログ「IT経営を実践する企業が選ばれる時代」で"攻めのIT経営"という表現で言及しましたが、手遅れになる前に一日も早く経営にITを積極的に取り入れるべきだと言うことです。
「米国企業に比べて、日本企業のトップや役員にITに関する知識や関心が不足している」
「経営幹部のITへの知見の高さと企業の収益力には一定の相関関係がみられる」
という具合に、新聞記事は結んでいます。
ここで1つエピソードをご紹介したいと思います。
筆者の出身大学の先輩で、年齢が84歳で生涯を英語教諭として捧げてきた男性がいます。彼はiPadが発売されて、国内ではようやくアーリーアダプターが手にするようになった時に、このタブレットが「無性に欲しいんだ」と語っていました。
きっかけは空港で外国人の年配のご婦人がiPadをさっそうと使いこなしている姿を見て、負けちゃおれん、と闘志に火がついたようなのです。
少し話を広げますと、日本の女性は欧米の女性に比べて、IT分野に弱い傾向があると以前聞いたことがあります。
例えば米国のコンピューターショップには、女性が多く入店するそうですが、日本国内では少ない、というのも根拠のようです。
いずれにしても、日本の女性や年配の男性はIT分野に弱い傾向は以前からあったのかもしれない、と筆者はある程度の確信を持って感じてきました。
ただ、こうした傾向もそろそろ真剣に克服しないといけない時代が来ていることは間違いないようで、繰り返しになりますが手遅れにならないようにしないといけません。