IT経営を実践する企業が選ばれる時代
先月末、経済産業省と東京証券取引所は、「攻めのIT経営銘柄」として1業種1社の合計18社を選定しました。
今回の選定の背景には、欧米諸国などで高い収益を叩き出している企業は成果を出す過程において、「攻め」のIT活用が背景にあるのに対して、日本の企業のIT活用における主眼がややもすると社内業務の効率化やコスト低減といった「守り」に置かれている点が挙げられます。
投資家に対して、企業価値向上に関する評価を下すための新たな視点を提供するため、という位置づけです。
対象は東証に上場する約3500社で、審査基準は以下の5つの評価項目が中心で、なおかつROE(自己資本利益率)が各業種の平均を上回る企業が選ばれたのです。
- 経営計画における攻めのIT活用・投資の位置づけ
- 攻めのIT投資の企画に関わる社内体制及びIT人材
- 事業革新のためのIT活用
- IT投資の成果及び事後評価の状況
- 攻めのIT投資のための基盤的取り組み
・経済産業省の当該ページ
http://www.meti.go.jp/press/2015/05/20150526003/20150526003.html
・今回選ばれた18社の顔ぶれ及び、各社のIT活用事例/成果を見ることができます
http://www.meti.go.jp/press/2015/05/20150526003/20150526003-2.pdf
特に筆者が今回注目して重要視したのは、どの企業が選定されたのか?という点よりも、上述リンクの2点目で紹介したPDFファイルの内容です。
晴れある高評価企業のIT活用事例/成果を見ることができるので、こんなに貴重な資料はめったにお目にかかれない、という私からの見立てです。
この資料を参考にして、自社内の「攻め」のIT活用の立案に役立ててもよし、他社への提案に役立ててもよし、という活用法に価値を見出して欲しいという訳です。
今や国内にとどまらず、グローバルな世界で戦うためには、「攻め」のIT活用は必須だと言わざるを得ません。
筆者は、大企業はもちろんのこと、特に中規模以下の企業(資本金1億円未満)ほど、有効にITを活用して欲しいと考える派です。