USJとTDL
例えばこんな比較はどうでしょうか?
意外と気付いてないこととして、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)と東京ディズニーランド(TDL)の入場料金の差異があります。
通常、筆者などが予想するに、TDLの方がUSJより格上のような気がして、当然TDLの入場料金の方が高い、という予測を立てますが実は違っていて逆だったりします。
TDLの入場料金(1デーパスポート)は6900円なのに対して、USJの入場料金(1デイ・スタジオ・パス)は7200円です。(両者ともに税込み。東京ディズニーリゾートはこの価格でTDLかTDSのどちらかに入場可能)
といった具合に、私たちの予測は当たる場合もありますが、むしろハズレル場合の方が実際は多いのかもしれません。
日本人にとってもこれらは十分に高い金額設定であり、近年中間層が急激に増えている東南アジア諸国の人々にとっては、行きたくてもとても払えるような料金ではないはずです。
それでも"進撃の巨人"をテーマにしたアトラクションを特設しているUSJへの入場はアニメ大好きな彼らにとっては夢の世界のはずで、諦めきれないのではないでしょうか?
料金比較のはなしに戻ります。
思い込みは良くない、という戒めの典型のような事例になりましたが、ここで終わってはいけません。
ではなぜUSJの方がTDLより高い料金設定がされているのでしょうか?
(実はより深堀りすることがどんな分野においても大切です)
- 入場者の獲得に自信がある
- ハリーポッターエリアの増設により勝負をかけた
など、いろいろな予想が立ちそうですが、筆者は次のように理由を考えます。
USJは開業当時の数年こそ、もの新しさで多くの来場者がつめかけてブームを巻き起こしましたが、その後、低迷した時期が数年続きました。
それに比べて、TDLは不調知らずで毎年のように前年の経営成績を更新し続け、いまだに勢いを持続しています。
つまり、何より大事なリピーター客の獲得においてTDLの方がうまくいっているのです。
こうした過去から現在までの積み重ねの結果が、現在の料金となって表れているのではないでしょうか?
すいません、これで説明を終わってはロジカルとは言えませんね。
続けます。
両者の年間入場者数には大きな差がいまだにあります。
その違いが収益力の差となってしまい、TDLはそんなに急いで値上げをしなくても大丈夫なのに対して、USJは過去の不調当時から、穴埋めするように常にTDLより先行して高い金額の方へ改訂を繰り返していった、という仮説です。
これは関係者に聞いた訳でも何でもなく、あくまで筆者の推論です。
ちなみに2017年の春に名古屋にオープンする「レゴランド・ジャパン」の入場料金も、USJやTDLと同等の金額になるそうです。
もう1つ、読者の方々のマーケティング・マインドを揺さぶる課題を提供したいと思います。
同じテーマパークつながりの話題です。
「フランス(パリ)のディズニーランドはどうして人気がない、または収益力が低いのでしょうか?」
自分の頭で考えて仮説を立てることが何より大切です!
思う存分、推論をしてみてください。