部下が15人以上いる人は、仕事のほとんどが打ち合わせになるべき。あるいはサーバントリーダーシップについて
日本の会社って、窓を背にして課長/部長っぽい人が座っているじゃないですか。仕事がら多くの会社のオフィスに出入りするんだけど、あの方々がずーっとPCをにらんでいることが多いなー、と思う。
もちろん彼らの仕事の中身は知らないけれども、部下が20人、30人いる人の時間の使い方として、どうなんだろう?
完全に持論でしかないのだが(このブログはそもそも僕の持論しか書いてない)、部下が15人以上いるなら、「カジュアルな打ち合わせ」にほとんどの時間を使うのが、一番組織に貢献できるはずだ。
部下がそれなりにいると、プレイヤーとして頑張ることでの貢献度よりも、部下たちのパフォーマンスを上げる方が、ずっと大きな貢献になる。一匹狼ではなく、部下を持たされているのだから当然だ。
で、部下たちが活躍できるように支援するために一番効率の良い方法は、対面で相談に乗ってあげることとなる。これは営業だろうがコンサルティングだろうが経理だろうが、変わらない。
つまり・・
・自分で資料を作りまくる(PC仕事)
よりも、
・部下に作らせる。作れなければ教える(打ち合わせ)
・メールで指示しまくる(PC仕事)
よりも、
・対面で相談に乗る(打ち合わせ)
・勤怠や経費の承認(PC仕事)
よりも、
・ややこしい商談に向けた作戦会議(打ち合わせ)
・部下の日報や営業成績数値を読みこむ(PC仕事)
よりも、
・気になることを、直接聞きに行く(打ち合わせ)
に時間を使うべきだ。
どちらにせよ、PCの画面をにらむ時間はせいぜい15%とかになり、その代わりほとんどの時間を打ち合わせに使うことになる。
打ち合わせと言っても、フォーマルな会議とは全く別物だ。
・部下の話を聞きながら、頭と状況を整理してあげる
・一緒にアイディアを考えてあげる
・部下が自分でややこしいことをできるようになるまで教え込む
みたいなかんじ。写真を見てもらったほうがイメージが伝わるだろうか。
この写真は一番典型的な「カジュアルな打ち合わせ」の様子。
1年くらい前だからもう忘れたけど、たしか、新しいプロジェクトの立ち上げ方を相談していたと思う。
左下が僕で、なんか書きながらみんなの意見や状況を整理しつつ、自分でも考えている。自社のオフィスにいる時も、客先のプロジェクトルームを訪問する時も、ほとんど常にこんな感じで誰かの相談にのっている。
テーマは僕が決めるのではなく、同僚たちが自分の仕事をうまくやるために相談したいことを持ってくる。
新しいトレーニングの企画について、ややこしい現状分析について、お客さんメンバーの育成方針について、新しいプロジェクトの提案方針について、、、など。
結果として、自分の席でPCに向かう時間なんてほとんどない。まあウチはフリーアドレスだから自分の席は元々ないのだけれども。
(ちなみに、本やブログを書く時間は別枠。自分の会社では書けない・・)
そうやって自分以外のパフォーマンスを上げることが、組織全体のパファーマンス向上とイコールになる。おまけに、1人でPCをにらむスタイルに比べて、育成の時間を割いてもいる。
この10年くらいで随分「サーバントリーダーシップ」という概念が広まった。
サーバントというのは使用人とか奉仕する人という意味だから、今僕が話している「部下のパフォーマンスを上げる仕事」と同じだと思う。
ちなみに僕自身は、サーバントリーダーシップについての本はろくに読んだことがない。僕がこのスタイルなのは、たぶん管理職になるより前にファシリテーターになったのが影響している。
ファシリテーターというのは、周りの人々の能力を引き出す仕事だ。僕にとって管理職の仕事というのはその延長線でしかないし、このスタイルしか出来ない。
最後におまけ。
この記事では「PCをにらむ」を目の敵にしているけれども、もう一つ、あなたをダメ上司に変える誘惑がある。
・報告を聞くだけの会議
・部署の代表として、お付き合いで出ている会議
みたいな、何も産まない会議に座っている時間だ。
それについてはいずれまた別途。
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