1年に出る本の数ってご存知?
12/5(土曜)あたりから、どこの本屋さんでも「会社のITはエンジニアに任せるな!」が売りだされたようです。
ちなみに、金曜の段階だと八重洲ブックセンターにはあったけれども、出張先の九州ではまだでした。
むかし、月曜発売の少年ジャンプは地方だと火曜水曜だったのを思い出しました。近所の牛乳屋だけフライングで土曜に売っていて、地元の小学生はみんなそこで買ってたり。
さて、現在は出たばかりなので、駅前のちょっとした本屋さんならばたいてい平積みしてくださってます。
1冊目、2冊目の時もそうだったので感覚が麻痺しているのですが、「本を出したら平積みしてくれる」というのは、考えたらすごいことです。
というのは、1年間に書籍は8万冊も出ているから。1週間に1600冊です。
「発売後、1週間平積み」という待遇を得られるのは、中堅書店で、多く見積もって50冊くらいでしょうか。だとしたら競争率32倍です。
前の本は、発売後2,3ヶ月は平積みしてくれる店が多かったので、そうなると軽く100倍を超える競争率。うーむ、ありがたいことです。今回、そうなる保証はないんですが。
ちなみに、書籍の発行点数は1960年あたりから一貫して増えています。
僕が生まれた1972年は約2万。
1990年のバブルのころに4万。
バブル後も勢いは衰えずに、2000年には7.5万くらいになっています。
この10年はさすがに落ち着いて、8万くらいで微増。
これほどまでに発行点数が増えたのは、1つにはDTPなどの技術革新で、1冊つくることの初期費用が安くなったことが大きいんじゃないかと推測します。
同じ理由で、1刷あたりの平均部数も少なくなっているんじゃないですかね。
この辺りは、製造業の世界でこの30年進んでいる、大量生産から多品種少量生産へのシフトが、本という情報産業でも例外なく進んでいるということでしょう。
もう一つは、本が売れなくなったから。
本が売れないから沢山出す、というのもなんだか矛盾している気もします。
が、「1冊当たりの販売部数が少ない分を、沢山出すことでカバーせざるを得ない」と以前お世話になった編集さんがボヤいていました。
当然利益率は下がるでしょうから、ビジネスとしては悩ましい状況です。
こんな新刊本の洪水の中で、漂流するボートのような「会社のITはエンジニアに任せるな!」ですが、これまでの本と同じく生き残って、必要な人にじわじわ届いて欲しいな、と思います。
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本の特設サイトを作ってみました。
今後、お寄せいただいた感想など、本に関する情報は「取り敢えずここに来れば分かる」というポータル的な場所があればいいな、と思ったので。試し読みサイトへのリンクなども載せています。
以前の本の時にも沢山の方が書評をブログにアップしてくださったのですが、リンクのまとめサイトを作らなかったのは失敗だった・・・。