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続けられる文章訓練法2つ、あるいはなぜブログすら書かずにいきなり本が書けたのか?

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良い文章ってどんなだろう?
僕は
・オリジナルな事が書いてある
・読みやすい(読んでて面白い)
だと思う。
 
 
これまで1冊出し、9月にもう一冊の本を出すことになった。
最初の本を出す時は、書きながらずっと「文章を整理してくれるプロのライターさんがそのうち助けてくれるんだろう」と思っていたのだが、最後までそんな人は現れなかった。結局、自分たちの文章がそのまま本になった。
(その間、かなりの苦労があったのだが、それはまた別の機会に)

でも、本を読んでくれた人々は口々に「読みやすかった」「一気に読んだ」「クライアントとコンサルタントが交互に書くスタイルが面白い」と、文章について、とても褒めてくれた。
その頃はブログも書いていなかったので、長い文章を書いたのは卒論以来。企画書や報告書を除くと、短い文章すら書いたことがなかった。
 
 
そういう人間がやっていた、お手軽な文章修行法を皆さんに教えたい。
「文章が上手くなるためには、毎日ブログを書いて修行しまくりましょう」というのって、正論なんだけど、ちょっとハードル高い。中々続けられないし。
 
 
 
★オリジナルなことを書く⇒定型文を拒否する
オリジナルな文を書く秘訣。
うーむ難しいお題だ。大それたことは書けないが、自分がいつも心がけていることが1つある。
 
定型文を決して書かない
 
 
例えば、誰かが結婚するから寄せ書きをする。退職のプレゼントに一筆そえる。こういう機会は結構多いと思う(少なくともうちの会社はこういうの好きだ)。
この時に「いつまでもお幸せに」とか「2人で温かい家庭を築いてね」とかは決して書いてはいけない。
「自分以外の誰かが書きそうな事は、絶対に書かない」と決めるのだ。僕は多分、小学生くらいの時からずっとそうしてきた。
 
 
じゃあ、何を書くのか。
「他人が書けないこと」=「自分に関係したこと」になる。
・自分がどう思っているか
・自分とその人のちょっとした思い出
という辺りしか書きようがない。

具体的には、まあ何でもいいんだけど、
「去年アイリッシュパブで飲んだ時に2人で練った攻略作戦が実った様なので、成功報酬お待ちしてます」
とか、
「お前みたいな、だらしなくてダジャレがウザくて責任感が強すぎて帰るのが遅くてお客さんには言うべきことを言うくせに女の子には何も言えないヤツに惚れてくれる人はもう二度と現れないから絶対大事にしろ」
みたいな感じになる。
 
 
読んでいただければ分かるように、定型文を使わないと、自分の頭で考えないといけないから書くのが面倒くさい。時間がかかる。

しかもミソなのは、定型文じゃないということは、パリっと決まらないこともある。ちょっと失敗して、ちょっと変な文章になることが多い。
でも、「末永く・・」とか書いてあるより、ちょっと変でも内面から出た文章の方が、貰った人は嬉しいよね?普通は。

こうやって、日常の中で
・自分の考えや気持ちを言語化する
・それを文章に落としこむ
・そのままだとパリっとしないので、なんとか整える
ということをやっていると、それがオリジナルなことを書く訓練になる。
 
旧友の結婚への感想なんて、本来微妙じゃないですか。これで飲みに行く暇人が1人減るな、だったり。お嫁さんが何故か美人でちょっと悔しい、だったり。そういう微妙な自分の気持ちを書き出すのって、とてもいい訓練になる。
 
 
結婚式の寄せ書きを例にしたけど、同じことは、セミナーの来場者アンケートでも、映画の感想ツイートでも、いつでも出来る。
要は、人と同じことを書かなければいい。
 
 
 
★分かりやすい文を書く⇒3割の総量規制をかける
分かりやすい文を書こう、と心がけだけあっても、どうすればいいのかは分からない。だからその代わりとして「1回書いた文章の文字数を、機会的に3割減らす」という習慣を持つと良い。

減らし方は自由。
余計な説明を省いてもいい。ウダウダと言い訳している段落をまるごと削ってもいい。とにかく3割減らすのだ。

なぜか。
単純な話、僕を含めてほとんどの人が書く文章は冗長だからだ。
3割削ると、言いたいことが言えなかったり、舌足らずになって話が伝わらないと思います?それは多分誤り。

余計なことが書いてある文章は、舌足らずな文章以上に、伝わらない。
ほとんどの人は、あまり文章を読むのが好きでも得意でもないから、書けば書くほど、言いたいことは伝わらない。だから減らす≒分かりやすくなる、なのだ。

実例を示そう。

「余計なことが書いてある文章は、舌足らずな文章以上に、伝わらない」

このさっき書いた文は、最初は以下だった。

「余計なことをウダウダと書いてある文章は、舌足らずな文章以上に、言いたいことが伝わらない」

これを2語だけ削った。削ったが、意味は変わっていない。文章がシンプルになったので、幾分分かりやすくなっている。つまり、削った部分はどちらにせよ、いらない言葉だったのだ。

この、3割削るという作戦は、ブログや本の様な、長い文章に限らない。プロジェクトでの議論に使うような資料でも、全く同じだ。
僕が大事な会議で使う資料をレビューする時に、誰かが書いた文章を半分くらいに削ることはよくある。冗長な資料だと議論しにくいからだ。
 
 
 
良い文章の2つの条件、オリジナリティと分かりやすさ。
別に気合を入れなくても訓練できると思う。
 
 
 
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ようやく1回目のゲラ赤入れが終わりました。図表が多いので、デザインチェックも大変です。

そしてかなり大変だった、お客さんへのレビュー依頼が終わりました。今回の本で実名で登場していただくのは8社です。
1社1社、本の主旨とどういう文脈で登場していただくのかをご説明し、ゲラをチェックしてもらいます。

お客さんとしても広報を通したり、会社によっては社長まで話をしてくださったり、かなりのお手間をおかけしました。会社としても前例がないことなので、対処に困るんですよね。。本当にありがとうございます。

ようやく全ての会社にOKいただけたので、目指す「生々しい本」に向けての最後のハードルを越え、ホッとしています。
次は最終ゲラチェック!
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