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プランニング(4)あるいは人を巻き込む計画づくり

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先日のオルタナブロガー定例ミーティングで、みんなで「人を巻き込むために大事にしていること」というネタで議論した。色々なバックグラウンドの方から様々な意見が出て、とても参考になった。
その流れで、今回の記事は「プロジェクト立ち上げ期での人の巻き込み方」について。

★「計画書の質」と「やる気の充填度合い」
プロジェクトの計画を作るとき、特に僕らのようなコンサルタントが関与しているときは、どうしても「できた計画書が、綺麗でロジカルで緻密か」に注目が集まる。
要は「計画書として、質が高いか?」だ。

・会社にとって本質的な課題を解決しているか?
・解決するための施策は、スジがよいか?
・施策は実現できそうか?そのための道筋が示されているか?
・文書として説得力があるか

これらはもちろん大事なので、プロジェクトプランニングの時にはそのあたりを練りまくるのだが、もう一つ、とても大事なことがこれまで見過ごされてきた。

プロジェクトの計画を作り終わった段階で、プロジェクトの実行力は120%充填されていますか?
⇒みんな、この計画を実行に移したくてウズウズしてます?

・プロジェクトのキーマンを巻き込み終わっているか
・偉い人(役員や社長)が腹をくくっているか
・現場の人も「俺達のプロジェクト」と思ってくれているか
・このプロジェクト、なんか楽しそう、成功しそう!と感じているか

組織がこういう状態になっていないと、プロジェクトプランニングが終わったとは言えない。綺麗に製本された「プロジェクト計画書」なんて、それに比べればどうでもいい。

★プロジェクトに巻き込むためには、計画段階から
どっかの誰かが立てた計画に対して、やる気満々になるのは至難の業。
計画作りの段階からプロジェクトに巻き込まれていれば、それは自分たちが立てた、自分たちの計画になる。当然、人情として実現したくなる。

これはプロジェクトの計画だけでなく、色々なことに当てはまると思う。既に完成された計画を見せられて「ヨロシク」と言われても、ねぇ・・。
良くて「レビューして意見は言います」「偉い人から命令されたから、私も参加するらしいです」というレベル。「実行に移したくてウズウズ」とはほど遠い。

計画段階で、なるべくたくさんの人の意見を聞く、というのもこのため。
もちろん、多くの方から意見を聞けば、ポイントのヌケ漏れは防げる。だけども「計画の段階で意見を求められた」「俺のコメントも考慮された計画」の方が、プロジェクトの実行段階まで考えるとずっと大事なこと。

★手応えのある場に、人は引き寄せられる
今の世の中「上司に命令されたから参加します」「仕事だから(給料もらうために)、来ました」という程度の参加意欲は、ほとんど無価値。ひたすら安全ピンを作るような仕事なら別だけど、今やそんな仕事は日本にあまりない。
「なんとかココで貢献したい」と思っていないと、新しいことなんて何もできない。

じゃあ、何が人をそうさせるか?
僕の仮説は「手応え」と「ワクワク感」。今やっていることが、前向きな何かにつながっているという感覚。
例えば僕らは、会議が有意義で生産的な場であることにとてもこだわる。これは単に「効率を良くしましょう」というだけでなく、

「この会議に出ていると、物事がどんどん決まる。そしてそれが明日の仕事をよくするのに役に立っている」

という実感を持ってもらうことが、プロジェクトにとっての生命線だからだ。そういう手応えがあれば、少しくらい忙しくても、プロジェクトに関わり続けようとしてくれるし、貢献してくれる。つまり、プロジェクトに巻き込まれる。

★うるさ型の人すら、巻き込む
「プロジェクトの抵抗勢力」って、イヤな言葉ですね。こういうレッテルを張った時点で、もう対決するしかない。
プロジェクトをうまく進めるためには「うるさ型の人達がいても、抵抗勢力などとレッテルを貼らずに、巻き込む」が僕らの考え方。

なぜなら、そういう人は大抵、現場に近くて業務をよくご存じ。周りの人望もあることが多い(もし人望がない、単なる文句付け屋さんなら無視すればすむわけだし)。
そういう人にもこちらから出向いて、話を聴く。こちらのプランを示し、意見をもらう。
当然、様々な問題点を指摘してくれる。それに対してこちらの改善案をぶつけても、まだ色々言われてしまう。

でも、こういうプロセスを経て、できあがったプロジェクトプランは強い。施策は叩かれて強くなるのだから。そしてこうやって、プロジェクトプランの練り上げに参加してもらったうるさ型の人は、結果として「ずっぽり計画作りに参加した人」「実は実行局面で一番頼りになる人」になっている。つまり「プロジェクトに巻き込まれた人」ですね。

まとめ。
プロジェクトに人を巻き込みたかったら、計画段階でエキサイティングな場をつくって、巻き込もう。「抵抗勢力」とかレッテル張らずにさ。
今日はここまで。

Comment(2)

コメント

木村祥久

先日セミナーに参加させて頂いた木村です。「プロジェクトファシリテーション」も買いました。まだ読んでいませんが、情景を思い描きながらじっくり読もうと思っています。

白川

木村さん、お越しくださってありがとうございました。
あの本には、セミナーやブログで話しているプロジェクトプランニングの話よりも、もう少し泥臭い、人と人がどうするこうする、みたいな様子が書いてあります。前半は私はプロジェクトに参加していなかったので、共著者の関さんのパートですけどね。

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