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インターネットとそのガバナンスについてつらつらと

ジットレイン先生再び

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7月26日に、紹介したもともとは小林啓倫さんがご紹介なさっていた「インターネットが死ぬ日」。

通勤途中くらいしか読み進められないと、進捗が遅々としておりまして、まだまだ半分。そこでちょっと素敵な一節を見つけました。

すでに紹介したように、インターネットは物理層、プロトコル層、アプリケーション層、コンテンツ層、社会層という層で構成されている。モジュール型の設計となっているため、他の層についてよくわからなくても自分が担当する層について専門家になることが可能である。一部の法学者は、この層を尊重する形で規制するのが最も効果的だと言う。

「すでに紹介したように、」ってことは、これより前にこういう記述があったということでしょうが、ここがもっとも端的に書いてありまして。

通信プロトコルのレイヤー分けでもっとも一般的なのはOSI参照モデルで、インターネット基盤運営コミュニティでも、よく引用します。7層まで定義してあるこのモデルに、8層や9層を勝手にでっち上げ、政治層のプロトコルだ、なんていうことがあります。それでも、やっぱりOSI参照モデルは技術者向けです。

物理、プロトコル、アプリケーション、コンテンツ、社会 というレイヤー分けは、もっと一般的な意味で、インターネットの構成要素を上手に区分できていると思って感心(おこがましいですね)しました。


そんなわけでまたジットレイン先生の本のことを書いています。「肥沃なテクノロジー」「加入者が創造性を発揮してさまざまな新用途を開発できる」「新たな用途に問題があるときにはできるだけ先送りする。創造性のほうが重要」などなどと、インターネットが発展してきた歴史とあるべき姿、別の言い方をすると社会まで含めたインターネットのアーキテクチャを論じています。ローレンス・レッシグのCODEも目を見開かれましたが、こちらもなかなかです。

そんななか、夏休み中のメールを読み返していて、重大なニュースを見過ごしていました。
なんと、ジットレイン先生、ISOC - Internet Society の理事に選出されていました。アナウンスはこちら。

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