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インターネットとそのガバナンスについてつらつらと

陰のヒーローがインターネットを混沌から守っている

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小林啓倫さんが先日ご紹介なさっていたジョナサン・ジットレインの「インターネットが死ぬ日」。

オリジナルのハードカバーは随分前に買って、本棚で積ん読状態になっていました。日本語で読むのがやはり楽なので、ポチッとなしてゲット。新書なのに分厚く、まだまだ2章くらいまでしか読めていない状態。しかし、インターネットやパソコンが「肥沃なテクノロジー」で、イノベーションを引き込む力があるというのは、一般論として理解はしていたものの、それを歴史をふまえながら噛んで含めて説明してくれて、ちゃんと理解できるようになります。なかなか凄いです。

先日、米国のNetwork Operators' Group NANOGのメーリングリストで、「NANOGがBBCウェブに取り上げられているぞ(Nanog mentioned on BBC news website.) 」という投稿があり、興味を引かれクリック。

   Unsung heroes save net from chaos

なんと、ジットレイン先生じゃないですか。曰く、

Wikipediaがなぜ成功しているかと同様に興味深いのは、インターネットで直接契約関係がない無数のネットワークをパケットが通っていくことだ。ここにも、消防団のような、ピクニックの時にビールを前から後ろに回すような、互助ボランティア精神が息づいているんだ。
(以上、超意訳でお届けしました。)

NANOGが取り上げられているのは、この業界では有名になった、パキスタンの事業者の経路広告が、YouTubeを数時間不達にした事件に関して。NANOGではYouTubeへの不達をいち早く共有。ML上で協同して原因特定が行われた結果、比較的短い時間で原因を解決することができたんです。この事件に関しては、YouTubeで極めて技術的ながら詳解が公開されていたりします。


NANOGの人たち(unsung heroes ですから)もこうやって取り上げられるのはまんざらじゃないんでしょうが、メジャーメディアに取り上げられたことをほくそ笑んでいるだけではなくて、MLの議論は「パケットがボランティアで運ばれている」とするのは誤解ではないか、なんて話でした。(議論に興味がある方、MLアーカイブをご参照下さい。)

インターネットが商用化してくる、10数年前まではボランティアと言えたかも知れませんが、最近は大部分が商用。つまり、契約に基づいて、トラフィックの受け渡しが行われています。ただ、契約というのは、隣り合う2つのネットワークの間の関係で、それがたくさん連結されているからわかりにくいわけなんですが。ジットレイン先生もそれくらいのことはご存じだろうと思いますが、言葉の綾だったでしょうかね? そちらはともかく、YouTube事件は、そういう商用事業者の技術者たちがインターネットワイドに連携する好例だと思います。

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