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今の中学一年の英語の教科書に、大きく衝撃を受けた、の後日談

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昨日の投稿で、アルファベットで表記する場合の姓名の順番、という話を書いたのですが、なんと、普段の投稿日の10倍にも上るページビューをいただいて、トップ10入りしてしまいました。

そのコメントで、この背景になる国語審議会の答申を教えていただきました。樋口さんありがとうございます。2000年の第22期国語審議会答申「国際社会に対応する日本語の在り方」だったようです。

三の2、というところに「姓名のローマ字表記の問題」という部分がありまして、ざっくり全部転載してみたいと思います。色づけによるハイライトは、僕がつけました。

(1)姓名のローマ字表記の現状
  日本人の姓名をローマ字で表記するときに,本来の形式を逆転して「名-姓」の順とする慣習は,明治の欧化主義の時代に定着したものであり,欧米の人名の形式に合わせたものである。現在でもこの慣習は広く行われており,国内の英字新聞や英語の教科書も,日本人名を「名-姓」順に表記しているものが多い。
ただし,「姓-名」順を採用しているものも見られ,また,一般的には「名-姓」順とし,歴史上の人物や文学者などに限って「姓-名」順で表記している場合もある。欧米の報道機関等では,日本人自身の慣習を反映して「名-姓」順で表記することが一般的である。
  しかし,近年では,本来の形で表記すべきだとする意見も多く聞かれ,名刺等の表記を「姓-名」順にしている人なども見られる。文化庁の
「国語に関する世論調査」(平成11年)では,中国人や韓国人の名前は英文の新聞や雑誌の中でも自国での呼び名と同じ「姓-名」の順に書かれることが多いことを述べた上で,英文における日本人の姓名表記について尋ねたところ,「「姓-名」の順で通すべきだ」(34.9%)とした人がやや多く,「「名-姓」の順に直すのがよい」(30.6%),「どちらとも言えない」(29.6%)もこれに拮抗する結果となった。

(2)姓名のローマ字表記についての考え方
 
世界の人々の名前の形式は,「名-姓」のもの,「姓-名」のもの,「名」のみのもの,自分の「名」と親の「名」を並べて個人の名称とするものなど多様であり,それぞれが使われる社会の文化や歴史を背景として成立したものである。世界の中で,日本のほか,中国,韓国,ベトナムなどアジアの数か国と,欧米ではハンガリーで「姓-名」の形式が用いられている。
  国際交流の機会の拡大に伴い,
異なる国の人同士が姓名を紹介し合う機会は増大しつつあると考えられる。また,先に記したように,現在では英語が世界の共通語として情報交流を担う機能を果たしつつあり,それに伴って各国の人名を英文の中にローマ字で書き表すことが増えていくと考えられる。国語審議会としては,人類の持つ言語や文化の多様性を人類全体が意識し,生かしていくべきであるという立場から,そのような際に,一定の書式に従って書かれる名簿や書類などは別として,一般的には各々の人名固有の形式が生きる形で紹介・記述されることが望ましいと考える。
  したがって,日本人の姓名については,ローマ字表記においても「姓-名」の順(例えば Yamada Haruo)とすることが望ましい。なお,従来の慣習に基づく誤解を防ぐために,姓をすべて大文字とする(YAMADA Haruo),姓と名の間にコンマを打つ(Yamada,Haruo)などの方法で,「姓-名」の構造を示すことも考えられよう。
今後,官公庁や報道機関等において,日本人の姓名をローマ字で表記する場合,並びに学校教育における英語等の指導においても,以上の趣旨が生かされることを希望する。

なるほど。さすがに、本件に関する現在の事情、背景、課題がよくまとめられていると思いました。11年前の答申ですが基本的にこの状況は今も変わっていないのではないでしょうか。しかし、苦悩がにじみ出ると言うのか、世論調査の結果は、単に拮抗しているだけでなく、どちらとも言えない人が3割いるわけで、その上で結語で「以上の趣旨が生かされることを希望する」としながら、その趣旨は方法論を何かのひとつに定めているわけではないのですね。そして、昨日の投稿の、教科書のスタンス==両論併記の上「姓-名」を採用 は、以上の趣旨を正しく勘案した結果ということになりそうです。

このページや共有したFacebook、Twitterでも、いくつかコメントをいただきました。百人百様というくらい、人によって本件に関する見える風景が違い、その上のお考えとやり方があるんですね。そして、一見些細なことのようにも見える本件に関して、少なからず想いを持つ方がいらっしゃるのが分かり、嬉しいです。

表記だけじゃなくて、文化的背景によって、名前のあり方もいろいろです。苗字と名前というケース、4つくらい名前が並ぶ人、1つだけの人、僕が普段付き合う人々を見るだけでもいろいろです。今は会議のためインドに来ていますが、この地も名前のあり方も、国自体が持つ多様性と同様、いろいろのようですね。Wikipedia先生からさっき学んだところです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%89%8D

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