オルタナティブ・ブログ > 少しでもパラノイアになってみる >

知的好奇心を満たすために、いろいろなことにチャレンジする

PC出荷台数(3Q'10)

»

Gartnerから3Q'10のPC出荷台数が発表されました。1Q'04からの4大 PCメーカのシェアの推移と前年同期比のグラフ化しました。

■PC出荷台数シェア(1Q'04 - 3Q'10)

■PC出荷台数前年同期比(1Q'05 - 3Q'10)

今回のグラフを見て感じたことは以下のとおりです。

・HPの調子の悪さは本物かも
・Acerの調子の悪さも本物かも
・Lenovoの調子が良さそうに見える

データのリフレッシュがあるためグラフで違う傾向を示していますが、HPとAcerはトータルよりも低い成長率を示しています(Dellのデータがちょっと...)。また、変わってLenovoが好調です。特にLenovoは、3Q'09も前年同期比で15.8%だったため前四半期でへこんだから伸びたわけではありません。4大PCメーカで最近1年間で最も出荷台数を伸ばしたのはLenovoです。

逆にAcerはGartnerがPC出荷台数を発表してから始めてのマイナス成長を記録しました。成長がプラスながらも鈍化したならば話は分かるのですが、マイナス成長はAcer神話の崩壊を意味しているのではないでしょうか。

ただし、前年同期比対象の3Q'09は特殊な四半期だと思われます。4Q'08~2Q'09の間の不況でPCは購入が控えられましたが、3Q'09に一気に回復しました。3Q'09は買い控えの反動があったため大幅に増えたと考えられます。

このため、3Q'09の購入が経済状況から考えると若干多かったため、3Q'10と比較するとマイナスになっているのかも知れません。ついでにDellのプラス成長は3Q'09がマイナス成長のためであってHPとAcerよりも調子が良くなったわけでありません。Lenovoは4大メーカの中では例外的に成長をしています。

Lenovoの調子がいいのは、ノートPCを主戦場にしているためではないかと思われます。同じノートPC偏重のdynabookブランドをもつTOSHIBAは3Q'10は17.0%増、Eee PCのAsusも3Q'10が22.5%増と絶好調です。ThinkPadブランドがメインのLenovoは時代(ノートPC偏重)に会っているのではないかと思われます。

多画面や高スペックが必要なユーザ以外はノートPCにシフトするでしょうし、大量のアウトプットを必要としないユーザはメディアタブレットやスマートフォンに移行すでしょう。デスクトップPCはオーバースペックになりかけているのではないかと思われます(ただしコストパフォーマンスはデスクトップPCの方が良いと思いますが)。

2010年のPC出荷台数予測は、Gartnerは3.68億台と予想しています。平均的に言えば通年/1Q~3Qの合計は1.42になります。1Q~3Qの合計は2.56億台なので、4Qがそのまま平均的に出荷されれば3.62億台程度なのではないかと思われます。

若干Gartnerの予想は厳しく3.6億台にぎりぎり到達するのではないかと思われます。4Q'10は初めて四半期でPC出荷台数で1億台の大台に乗るのではないかと予想されます。ただしすばらしいメディアタブレットが年末商戦に投入されるとぎりぎり到達できないかも知れませんが。

【PC関連】
2H'10のPC出荷台数は失速?
PC出荷台数(2Q'10)
PC出荷台数予測は上向きにリフレッシュ
PCの定義って何?

Comment(0)