かけ算の順番問題はなぜ今、目立つのか(続編)
「健常な子ども」も「障害がある子ども」も共に学ぶということ
「かけ算の順番問題はなぜ今、目立つのか」の続きです
発達障害のお子様は障害の特性に応じて支援学級に行く場合もあります。が、IQが高かったり、問題行動がなかったりする場合は、普通学級で健常なお子様とともに学ばれています。※同じような障害特性でも学校の判断によって差が在ります。
私は特別支援教育を勉強している最中なのでアバウトな説明で恐縮ですが、IQの幅がかなりあります。特性の差もあります。
※図はウィキペディア「http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E9%96%89%E7%97%87」から引用
しかも、人間誰しも全く同じではありません。個体差があります。同じように発達障害の診断を受けたお子様一人一人が特性・個性が違います。
もし「かけ算の順番は入れ替え可能」と説明したらどうなるか
なぜ昔はOKだったかけ算の順番が今はNGになったのか。教育Communityで、馬鹿正直にかけ算の順番の件を質問をしました。
※コミュニティは一般公開されていて私の質問や皆様の回答も公開されています。ですが、公になっていることに気がついていないユーザーがいらっしゃるかもしれないので、コミュニティ名や他の方の投稿の具体的な紹介は控えます。
私が新たに知った事実だけを書きます。
- 「かけ算の順番を入れ替えるとNG」という採点は文部科学省が何かを決めたり支持したわけではない。
→現場の先生がたの判断によるもの。 - 一通りの解法で教えるのは数学的な問題もあるが、発達障害の子どもたちが普通学級で学んでいることとも関連しているらしいこと※一通りの解法と直しました。 2013.1.29 0:41
「かけ算の順番を入れ替えるとバツ」と教える一因に、「発達障害のお子様がいる場合も先生が集団授業をマネジメントしやすくなるように」という要素もあるようです。
※2013.2.21 14:46 健常児・定型発達のお子さんにとって学習が不利益にならないように現場で対応されているようです。障害の有無にかかわりなく、子どもたちのそれぞれの「教育における個別のニーズ」があります。健常児にも障がい児にも保証される必要があります。
かけ算の入れかえ問題は集団で授業するからか?
「あえて最初に1通りの解法だけを教える」ことにより、発達障害のお子様がパニックを起こさずに学びやすくなるという面があるようです。それにより健常な子どもたちも学びやすくなるという狙いがあるのかもしれません。
ただし、学級によって生徒さんの様子も違います。そのため、最初は1通りだけの解法を説明するけれども、学級の子どもたちの理解度に応じて、補足として「交換法則」の話をしてかけ算を入れ替えるのもOKなんですよ」と説明する事例もあるようです。
一通りで教えるのは数学的な意味付けの他に、現場の先生かだたがこどもたちにわかりやすく教えたいという工夫もあったようです。※2013.1.29 0:25 太字の部分を追加しました。
追記 2013.1.28 23:24 :誤解を与えているようなので追記します。計算式の順番を入れ替えた正しい回答をバツにすることに関しては私がされたらイヤなことです。納得がいきません。私ならば丸にします。
子供達に一通りの解法を学校で教えるのには発達障害の子供達への配慮も含まれているようだと書いた次第です。おそらく「正しいものをバツにするのはおかしい」がかけ算問題の論点だと思うので、私が紹介したかった子供たちへの教え方の部分は「かけ算の順序問題」から論点がずれている気がしました。
採点云々をいいたい訳ではなかったので、題名を「かけ算の教え方」にしたほうが内容にふさわしかったのかもしれません。恐れ入ります。※採点云々の一文を2013.1.29 0:28に追加しました。
おわりに
前掲しましたが、文部科学省が「インクルーシブ教育」を打ち出しています。「インクルーシブ教育」「共生」に関する詳しい説明、資料は以下のURLからご覧いただけます。
これからの日本の教育がどうなっていこうとしているのか。参考になるデータが集められているのではないでしょうか。
参考:共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)|文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/houkoku/1321667.htm
今後は今まで以上に障害がある子どもたちも普通学級で健常な子どもたちと学ぶように制度が変わっていくようです。教育制度の変化、「インクルーシブ教育」「共生」という考え方が「かけ算の学び」にも影響を与えているようです。
編集履歴:2014.9.28 0:22 見出しの前に前編と重複する文章を追加し、補足しました。2014.9.28 1:01「今回は説明しやすくするため、例を単純化し、アスペルガー症候群のお子様として話を進めます。全てのアスペルガー症候群の人に当てはまるわけではありませんが(当てはまる人とそうでない人がいるので)、何通りも解法(正解への道筋)があると説明されたとします。※2013.2.21 14:46 太字部分を追加。」を本文から削除しました。同日10:08 4段落目のアスペルガー症候群→発達障害に修正。「自閉症スペクトラムに含まれるアスペルガー症候群のお子様はIQが高めでもこだわりや想像力の欠如など自閉症の特性をそれぞれがお持ちです。」を本文から削除。2014.11.13 2:18 本文から「あくまでも私見ですが「なんで何通りも答え方があるわけ!? 」「なんで?なんで?なんで?」など本質ではない部分が気になってしまい、パニックになる場合がありえます。あるいは集団の授業なのに先生に納得するまで質問し続け、授業が進められない状況も起こりえます。」を削除。