【紹介】村上福之『ソーシャルもうええねん』つくらされた情報に踊らされない思考術
村上福之『ソーシャルもうええねん』
村上福之さんの『ソーシャルもうええねん』(Nanaブックス)は非常に興味深い本です。表紙は漫画家の佐藤秀峰先生。購入者特典は作詞作曲家、元・ジュディマリのTAKUYAさん。ページ数は約200ページ。値段は933円+税。表紙と購入者特典だけでも933円+税の元は取れそうです。
読者へのサービス満載。著者の愛があふれています。表紙も良いし、TAKUAYAさんの神ギターと総裁のシャウトは必聴! 総裁の頑張りが嬉しい半面、書籍販売が赤字にならないのか心配になってきました。そこで書評は苦手なのですが、頑張って村上さんの本を紹介します。
参考:『ソーシャルもうええねん (Nanaブックス) 』
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つくらされた情報に踊らされるな!
表紙はtとかfとか書かれたちゃぶ台返しのイラストですが、特定の会社の事を否定しているわけではありません。数字のマジックを利用して一般ユーザをまどわすビジネスに惑わされない方法を紹介していると私は受け止めました。
ソーシャルネットワークをdisっている(否定している)わけではなく、ネットのユーザが危険な目に合わない様に村上さんが声を大にして「つくらされた情報に踊らされるな! 」と必死に叫んでいるシャウト感を文章から感じます。※頭痛が痛いみたいな文章で恐れ入ります。
「ソーシャルもうええねん」はキャッチーな見出しが並んでいます。
- なぜTwitterでフォローが多い人は実はカッコ悪いの?
- 地震や災害でネットが役に立たないのはなぜ?
- 「いいね! 」1万人分は、いくらで買える?
- 偽装されるYoutubeの人気動画、その仕組みと値段は?
- なぜ1日でつくったサイトが150万円で売れたのか?
- なぜソーシャルの力だけで義捐金が3日で280万も集まったのか?
- だれが、モバゲーやグリーで遊んでいるのか?
特にお金でFacebookの「いいね! 」やツイッターのフォロワーの数を買うことができるという話題は「そっ、そうなんだ......」と驚きます。
いたって真面目な本
時事的な要素が強い内容なのですが、村上さんの意図は帯に書かれている「つくらされた情報に踊らされない思考術」を伝えたいという事ではないでしょうか。
キャッチーな表現とは裏腹に、内容はいたって真面目な本だと感じました。「ソーシャルもうええねん」は言葉遣い云々はさておき、一般ユーザのリテラシーを育てるガイドブックになるかもしれません。
「金で買えるネット上の人気」の表のデータについては出典元の明記がほしいところですが、「みんなが言わないならば俺が言う」という書き手の正義感を感じる内容です。
生き方のヒント
第二章以降は社会人としてどう生きるか、生き方のヒントが満載です。上司を説得したい時、どうすればいいのか。
訳もわからずに起業したがどうしたらいいのか。プログラミングを学ぶ時どうしたらいいのか。私が20代の時に悩んでいた事ばかり出てきて、もっと早くにこの本が出版されていればなあと思った次第です。
「競争が激しいところに行くから価格はたたかれる」は実際にそうで、人がやりたがらないことをやると価格は吊上がりました。その分、大変なのですが村上さんが書かれている「競争は最大のコスト」の一言だけでも覚えていると人生の指針になりそうです。
「好きなことをやりなさいと言う大人は無責任」は耳が痛い話題です。
私は引きこもり歴が長い人になんとかしたいと言われたので、「まず好きなことからやってみればいいんじゃないかな? 」とまじめに言いました。結局、その人は何もできない無限ループのままでした。
できるようになったから、好きになるのだ
村上さんの「できるようになったから好きになるのだ」はズシーンと胸に来ました。私は好きな事をやって挫折しても、とりあえずやってみようで動くことができます。めげるけどしばらくすると再び立ち上がります。また、めげるけど立ち上がります。
でも、それって過去に頑張ってできるようになった経験があるから再び頑張ることができるだけなのです。「あの時、頑張れたから大丈夫」という自信は「できるようになったから好きになるのだ」から生まれたように私見では思います。
おわりに
他にも「nullなり適当な値を突っ込んでコンパイルする勇気」など好きな部分はたくさんありますが、すでに記事が長いので割愛します。「あとがき」がとても好きなので一部引用して終わります。
皆さんに言いたいです。
日本はこれから、経済や国としての意識がどんどん悪くなるのかもしれません。何も考えないで生きている人ばかりだと、日本という国は、世界中の平均的な国にどんどん近づいていくでしょう。しかし、あなた一人でも、世の中のために、何かを行い、世の中によい影響を与えて生きたいと真摯に願えば、いい方向に動くと思います。
前掲書 p,184より引用
参考文献
ソーシャルもうええねん (Nanaブックス) 村上福之 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2012-10-26 売り上げランキング : 822 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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編集履歴:2013.12.29 0:11 見出し「村上福之『ソーシャルもうええねん』」「つくらされた情報に踊らされるな! 」「いたって真面目な本」「生き方のヒント」「できるようになったから好きになるのだ」「おわりに」と太字を追加しました。