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プライベートと仕事の境目が混じり合うようになったいまだからこそ意味があること

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「アトリエが持ちたい。」

当時、家人が趣味にしていた絵画のために、近所にアパートの一室を借りて、そこで存分に絵を描きたいというわけだ。そんな話を友人にしたところ、次のようなコメントが返ってきた。

「だったら、八ヶ岳に家を買ったらどう?500万円も出せば、土地付き一戸建ての中古別荘が買えるよ。ローンを組めば、アパートの家賃と変わらないか、安いくらいだから。」

その友人は、八ヶ岳南麓に20年以上前に家を持ち、週末や休日を過ごしていた。

「一度、遊びにいらっしゃい。」

そう誘われて、早速、行ってみようと言うことになった。

夏.jpg

私は、高校時代から山登りを始め、大学時代は、ボーイスカウトの隊長を務めていた。登山やキャンプで八ヶ岳南麓界隈は、よく行っていた。八ヶ岳も北から南へと全てのピークを縦走した経験もある。その頃から、こんなところで暮らせればいいなぁと、あてのない妄想をいだいていたので、この話を聞いて、ワクワクしていた。

そして、中古別荘を何件か見て回ったのだが、確かに「500万円も出せば、土地付き一戸建て」はあるのだが、どれも1980年代後半から90年代前半の別荘バブル時代の狭くて小さな安普請ばかりである。修理して使うにも傷みが酷く、立て直さなければ使いものにならないものばかりだった。しかも、土地も多くが窪地で、確かに緑には囲まれているが、薄暗く心地いい場所ではない。

しかし、かつて憧れた場所であり、森の空気は都会にはない優しい爽快感がある。なんといっても雄大な山脈と緑のコントラストに魅了されてしまった。「500万円・土地付き一戸建て」は、期待外れではあったが、ここに住もうという決心を、改めて固めさせてくれた。

冬.jpg

実は、田舎に家を持ちたいと思うには、もうひとつの理由があった。それは、来たるべき震災に備えて、安全に家族と過ごせる場所を手に入れたいと考えていたことだ。

明日で10年目を迎える東日本大震災の被災地である三陸沿岸、特に石巻から南三陸にかけては、ボランティア活動で一時期毎週のように通っていた。一帯が瓦礫に被われ腐臭ただようかつての街中に、初めて立ったときの衝撃は、いまも脳裏から離れない。そんな経験から、東京に大震災があっても、生き延び、安全に生活するための場所を手に入れたいということを漠然と考えていた。

朝.jpg

学生時代の憧れと震災時の生活の場所という、2つの思いが、八ヶ岳南麓に来て重なったのだ。自宅のある国立からは、自動車で1時間半、都心からでも2時間あれば、来ることができる地の利もあって、ますます思いは高まっていった。

幸いにも、破格で土地を手に入れることができ、地元で腕のいい大工さんとも巡り会い、小さいながらも家を建てることができた。

源流である数十年前の学生時代の憧れが、震災というきっかけと人との出会いという流れと合流し、一気に大きな流れになった。思えば、不思議な話である。

秋.jpg

そんな八ヶ岳南麓・標高1000mでの生活も5年目になる。飽きるどころか、益々はまっている。以前にも紹介したが、標高1000mは特別な場所だ。大気中の塵は気圧の関係で上がってくることはできず、南麓特有の湿気の少ない空気と高い晴天率は、八ヶ岳ブルーと言われる紺碧の空を作り出す。八ヶ岳の豊富な伏流水は、森や動物、そして田んぼや畑を古代より潤している。森林と山里はいい具合に混じり合い、生活の不便もない。

だからここに都会から気楽にやって来て、仕事を楽しめる場所を作りたいと思うようになった。1年以上も家や土地を探していたが、コロナもあって一時中断、それでもやっとめどが立ちそうになってきたのは、昨日のブログで紹介したとおりだ。

さあ、うまくいくだろうか?いや、うまくいかせたい。いろいろな人に声をかけ知恵を頂き、いろいろな人から手伝わせてくれとの連絡も頂く。ますます、想いが募る。そして、こうやってブログを書きながら、自分に言い聞かせている。「さっさとやれよ!」と(笑)。

コロナ禍で、プライベートと仕事の境目が混じり合うようになった。だからこそ、こういう場を提供できることには、大きな意味があると思っている。

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