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「PoC死」の葬り方・後編

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前編に続く】

  • 「なぜ、なんのために」PoCを行うのか。
  • そのための最適な手段はなにか、IoTは最適な手段なのか?
  • 事業成果(売上や利益)にどれだけ貢献できたのか?できそうなのか?

PoCは、テクノロジーの機能や性能の評価が目的ではない。大切なことは事業成果に結びつくか否かであり、テクノロジーを使うこと、そのものが目的ではない。どのようなビジネス価値を実現したいかが明らかでなければ、テクロノジーの価値が評価できない。

PoCを成功させるためには次のサイクルを回すべきだろう。

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課題の設定

あるべき姿は何か。何を解決し、何を実現したいのかを十分に議論する。これはお客様自身が主体的に取り組むべきことだ。SI事業者はその取り組みを促し、協力する。お客様と一緒に何を解決すれば事業が改善できるのか、どこをブレークスルーすれば飛躍的な成長が期待できるのかといった視点で、ともに知恵を絞る必要がある。お客様の事業に関心を持ち、共感し、お客様と一緒になって課題を解決しようとの姿勢が必要だ。「自分たちの製品やサービスをどうやって使ってもらおうか」ではない。

適用の可否を見極める

何が最適な手段なのか、他にもっといい手段はないか。そもそも、テクノロジーを使わずとも、業務手順を変えるだけでいいのではないか。やめてしまってはどうか。そのような様々な選択肢も検討することが必要である。手段ありきで考えてはならない。

試行錯誤する

何が正解か分からないなら、議論や検討に多くの時間をかけずに試してみることだろう。試行錯誤を繰り返し、その時々の最適解を見つけ出して確認する。このサイクルを高速に回して、ビジネスの成果に結びつくかどうかを探ってゆく。

自分たちの「あるべき姿」はどうあるべきか、その実現を阻む課題は何か、その課題を解決することにどれほどの価値があるのか、そんな「なぜ、なんのために」をとことん議論することから始めるべきだ。そして、「こうすれば事業課題が達成できるはずである」との仮説を持つことだ。PoCとはその仮説を検証する過程である。もちろん、仮説が間違っていることもある。そのときは、仮説を設定し直すか、撤退することも選択肢に持っておく必要がある。根性でこだわり続けても傷口を大きくするだけだ。

このような取り組みをして入れば、たとえそのPoCが失敗しても、そこから多くの気付きを得られるだろう。例えば、次のようなことだ。

  • なるほど、今回考えていたことには使えそうにないが、こちらの課題解決には使えるかも知れない。
  • まだこのテクノロジーは十分に成熟していない。コスパも悪い。あと、23年もすれば、使えるようになるはずだ。そのことを見越して、いまの業務プロセスを見直しておこう。
  • なるほど、いまのやり方を変えて使えば、想定以上の成果があげられるかも知れない。

PoCは、必ずしも成果に結びつく保証はない。しかし、自分たちのあるべき姿や課題が明確であれば、たくさんの気付きを得られるはずだし、その実現に向けての筋道が見えてくるだろう。

「なぜ、なんのために」を問い続け、その手段として、いろいろなやり方を試してみる。「IoT」や「AI」を使うことを目的にするのではなく、ひとつの選択として、新しい技術やメソドロジーを選択肢に置きながら、試行錯誤して、なにがあるべき姿を実現するのに最適なのか模索し続ける態度が大切になる。過去の習慣や技術にこだわることなく、新しい可能性を探るのもPoCの役割だ。

しかし、結局のところ、ビジネスの成果に結びつかなければ意味がない。知的好奇心から始めるのはいいが、それをビジネスの課題や自分たちのあるべき姿に結びつけて考える思考プロセスを持ち合わせていなければ、「PoC貧乏」になり、やがては「PoC死」を迎える。

あなたのPoCは、「なぜ、なんのために」をしっかり議論しているだろうか。選択肢を狭めることなく仮説を立てているだろうか。それがなくては、ビジネスの成果に結びつくことはないと、肝に銘じておくべきだろう。

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