「広告費を増やせば売上は伸びる!」は本当か?マーケターが陥る"相関の罠"とは
こんにちは、穂苅(@tomoyanhokarin)です。
「広告費を増やせば売上は伸びる!」
マーケティングに関わっていると、一度はこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。もしかすると、私たち自身が無意識に口にしていることもあるかもしれません。
実際、データを見ればそれらしく見えます。
広告費を増やした月は売上も伸びている。グラフにすれば、きれいな右肩上がりです。
しかし、その関係は本当に"因果関係"なのでしょうか。
相関と因果はまったく別物!

とある有名な例があります。
「アイスクリームが売れるほど、溺死者が増える。」
これだけ聞くと、アイスクリームが危険なように感じてしまいます。しかし実際は違います。暑くなるからアイスが売れる。暑くなるから海に行く人が増える。その結果、溺死者が増えるだけです。
ここにあるのは相関関係であって、因果関係ではありません。
マーケティングの現場でも、同じことが起きています。
たとえば、ある百貨店が「広告費を増やしたら売上が伸びた。だから広告をもっと増やそう」と判断したとします。しかし実際はクリスマス前の繁忙期で、もともと売上が伸びる時期だっただけかもしれません。
売上が伸びた原因が広告なのか、季節なのか、需要の高まりなのか。それを見極めないまま因果を断定してしまうと、戦略は簡単に歪みます。
私たちは「因果」を欲しがってしまう。そういう特性を理解しておく必要がある。
正直に言えば、マーケターは因果関係を作りたくなります。
「この施策をやったから売れた」と言いたい!
「このクリエイティブが当たった」と証明したい!
しかし現実は、そんなに単純ではありません。
言わずもがな、売上は、広告だけで決まりません。
プロダクトの質、価格、タイミング、競合環境、季節性、ブランド力など、無数の要因が絡み合っています。
それでも私たちは、きれいなグラフを見ると安心してしまいます。まるでレゴブロックで現実を組み立てて、「分かった気」になってしまうところがあります。
論理は武器 だが万能ではない
論理的思考は、複雑な問題を分解し、整理し、説明するための強力な道具です。マーケターにとって欠かせないスキルです。
よく、社会人でも「論理的思考を持ちなさい」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか?
しかし、「論理は現実を単純化する」ということも同時に知っておくべきです。
人の感情、ブランドへの信頼、なんとなくの好感度、空気感 etc.
こうしたものは数値化しづらく、切り捨てられがちです。
「論理的に正しい」からといって、市場が納得するとも限りません。
だからこそ私は最近、こう考えるようになりました。
論理は"正しさを証明するため"に使うのではなく、"自分の思い込みを疑うため"に使うべきだ、と。
私たちが本当に見るべきものとは?
「広告費を増やせば売上は伸びる」という主張が、常に間違いだと言いたいわけではありません。状況によっては、確かに因果関係がある場合もあります。
しかし大切なのは、その関係が本当に因果なのかを問い続ける姿勢です。
- 季節性の影響はない?
- 第三の要因はない?
- 因果が逆転していない?
- 小さな実験で検証できない?
データを見るときに、安心材料を探すのではなく、疑問を探す。
それがマーケターとしての必要な考えであり、誠実さなのではないかと感じています。
マーケティングは数字の仕事であると同時に、人間の仕事でもあると思っています。
だからこそ私は、グラフの裏側にある現実を想像できるマーケターでありたいですね。
相関の罠に落ちず、因果を疑い続けること。それは簡単ではありませんが、長期的に見れば、確実に強いマーケティングにつながるはずです。
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