AIが"遍在"する時代、勝ち残るのは『人間性』を武器にしたブランド!(前編)
こんにちは、穂苅(@tomoyanhokarin)です。
HubSpotが2025年9月に実施した1,500人以上のマーケターへの調査に基づく「State of Marketing 2026」レポートが公開されました。このレポートのタイトルは「When AI is everywhere, brands in the loop will rise to the top」です。この一文に、今後のマーケティングの本質が凝縮されているように感じました。

マーケティング史上最大の変革期
調査によれば、61%のマーケターがAIによって「過去20年間で最大の変革」をマーケティングが経験していると回答しています。AIは、企業が顧客とどう関わるかを根底から変えました。67%のマーケティングチームが週10時間以上の時間削減を実現し、68%が生産性の有意な向上を報告しています。
実際に、私もマーケターとして日々活動している中で、AIを使ったことでの働き方や考え方、仕事の仕方やスピードなど色々なことが変わりました。
しかし、ここで重要なのは、AIがもたらしたのは「効率化」だけではなく、むしろ「人間らしさの再定義」だという点です。レポートでは「AIがスマートになればなるほど、マーケターのソフトスキルが輝く時代」と表現されています。63%のマーケターが「差別化のためには、よりユニークで人間中心のコンテンツが必要」と答えているのは、まさにこの現象の裏付けとも言えます。
ブランドの視点(POV)が競争優位性になる時代
このレポートの中で最も印象的なデータは、61%のマーケターが「AIと人間が協働する戦略において、『味覚(taste)』とブランドPOVがこれまで以上に重要」としていることです。
誰もがAIツールにアクセスできる今、差別化要因は何でしょうか?
レポートでは3つの要素を挙げています。
- 強いブランドと独自の視点(POV)
- 統一されたデータ基盤
- 優れた審美眼(Good taste)
この指摘は極めて重要です。マーケターとして私が現場で実感しているのは、AIによって「誰でも簡単にコンテンツが作れる時代」になったからこそ、逆に「どんなコンテンツを作るべきか?」という編集眼や判断力の価値が急上昇しているということです。
AIに丸投げして生成された"無難で当たり障りのない"コンテンツは、まさに「誰にでも向けられたメッセージ」になり、結果として誰の心にも響きません。
レポートではHubSpotのKieran Flanagan氏が「AIは重要なマーケティングスキルではない。ポジショニング、ストーリーテリング、顧客インサイト、価値創造、適切なタイミングでの教育的コンテンツ提供、コミュニティ構築こそが重要なスキル。AIはそのすべてを支援するが、マーケターを置き換えることはない」と述べています。私も同感です。
検索トラフィックの減少と、高意図トラフィックの台頭
もう一つの重要な発見は、検索トラフィックの変化です。49%のマーケターがAI回答によってウェブトラフィックが減少したと回答している一方で、58%が「AIからのトラフィックは従来の検索よりもはるかに高い意図を持っている」と答えています。
つまり、ChatGPTなどのLLMから訪れる訪問者は、バイヤージャーニーのずっと先の段階にいるということです。
HubSpot自身も、かつて一世風靡したブログのトラフィックは減少したものの、LLMからのリードは、なんと1,850%増加し、コンバージョン率は3倍になったと報告しています。
これは、マーケティングの最適化サイクルが根本的に変わったことを意味します。
10年前はキャンペーンやコンテンツは限られたプラットフォームにしか存在しませんでした。今日、潜在顧客はAI検索結果やLLMの回答の中であなたのコンテンツに出会います。そのため、62%のマーケターが「キャンペーンは今や対話的なサイクルで動いており、継続的なコンテンツ更新が必要」と回答しています。
マーケターとして考えるべきこと
このレポートから得られる最大の示唆は、「AIはツールであり、差別化要因ではない」ということだと思っています。
2026年、私たちマーケターが問うべきは「どれだけAIを使いこなせるか」ではなく、「自分たちのブランドは何を信じ、何を伝えたいのか」という本質的な問いに帰結するように思います。
実際、調査では40%のチームが自社のユニークバリュープロポジション(UVP)を明確に定義・文書化できていないという結果が出ています。つまり、ここに大きな機会があります。明確なブランドPOVを持ち、それを一貫して表現できるブランドは、AI時代においてこそ際立つことができるということです。
ここは自分自身でも内省したいところでもあります。
書くことが長くなってきたので、ここまでを前編として筆を置きます。
後編では、具体的なコンテンツトレンド、特にショート動画の圧倒的な支持率、インフルエンサーマーケティングの進化、そしてパーソナライゼーションの実践について掘り下げてみます。
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