エッジコンピューティングの影響とは【Microsoftのカンファレンスより】
こんにちは。
先日MicrosoftのCEOサティア・ナデラがエッジコンピューティングについて語っている記事を見ました。
Microsoftといえば、WindowsやOfficeで知っている人が多いと思いますが、実はそれ以外にも多くのソリューションを持っています。有名所としてはパブリッククラウドのAzure、ゲームのXbox、SNSのLinkedIn、PCのSurfaceなどがあります。Officeも以前はWordやExcel、Powerpointをインストールして使っていたものがクラウド化されてOffice365としてサブスクリプションモデルで成功しています。
2019年6月の年次決算では、売上高1,258億4,800万ドル、営業利益429億5,900万ドル、営業利益率34.1%とまだまだ成長を続けている企業です。
そんなMicrosoftのCEOが今後の未来はエッジコンピューティングだと言っています。
エッジコンピューティングについてのナデラの発言
ここで、ナデラの発言を引用します。
コンピューティングはまずローカルで実行され、抽出されたデータがAIや機械学習のような強力な能力を必要とする処理のためにクラウドに送られる。
これはつまり、クラウドの前提としてローカルがあるということになります。
また、
新しいコンピューティングのパラダイムはインテリジェントクラウドとインテリジェントエッジによって動かされる。
という発言をしています。
インテリジェントクラウドとインテリジェントエッジ
Microsoftの考えるインテリジェントクラウドは以下の通りです。
パブリック クラウドと人工知能 (AI) テクノロジによって実現されるユビキタスなコンピューティングで、考えつくあらゆる種類のインテリジェントなアプリケーションやシステムに利用できます。
パブリッククラウドとは、Microsoftの場合Azureです。そして、ユビキタスは、あらゆるものにコンピューターが内蔵され、いつでもどこでも人間が意識せずにコンピューターが利用される世界のことを言っています。
Azureを使って、あらゆるものにコンピューターが入りそれが当たり前になることで私達人間はその存在を意識しなくても良い = インターフェースが非常に簡易な状態になることを言っています。(例えば、椅子に座ったらその人の身体情報から食事のおすすめをしてくれたり今日の予定を知らせてくれたり背中が猫背になっていると椅子を自動で調節して人間の体に合った高さ、角度にしてくれるなどもこれに当たるはずです。)
また、Microsoftの考えるインテリジェントエッジは以下の通りです。
ユーザー、データ、またはその両方の近くでデータを収集して分析する、拡大し続けている一連のコネクテッド システムとコネクテッド デバイスです。ユーザーには、応答性に優れたコンテキスト対応のアプリによってリアルタイムの分析情報とエクスペリエンスが提供されます。
これはAzureのWebサイトの「クラウドの未来」というコンテンツとしても公開されています。
コンピューティングの未来: インテリジェント クラウドとインテリジェント エッジ
そもそもエッジってなんなんだ?というところがわからないと「?????」になってしまうと思いますので、エッジコンピューティングについて説明します。
エッジコンピューティングとは
エッジ = Edge(端、縁)、端末の近くで用いられるコンピューティングのことです。
例えば、スマホやPCなどをエッジとして複雑な処理をユーザーに近い位置で処理することで遅延を解消、リアルタイムのデータ処理、分散処理、通信コスト削減、セキュリティ対策の強化などを行えるようにしていくという考え方です。
更にいまは5G(第5世代移動通信)が盛り上がってきている時期でもあるのでますます拡大していくとも言われています。
もう少し分りやすい例を挙げてみます。自動運転車です。
自動車からの超大量のデータを解析、処理して遅延なく走行できるようにならないと自動運転は難しいです。
エッジコンピューティングはIoTやAIとも密接に関わってくる技術でMicrosoftではここに力を入れているというのがわかります。
クラウドコンピューティングとは何が違うのか
クラウドコンピューティングは、大量のデータをクラウドサービスに集積し、処理を行うことが特徴です。誰もがそこにアクセスさえできればクラウド上のデータを利用できるためサーバーや記憶媒体を保つ必要がなくなり非常に便利になりました。
裏を返せばネットワークの遅延、障害が発生すると「リアルタイム」という観点では対応が難しくなってしまうというデメリットもあります。
そこで、今後はクラウドコンピューティングが大容量データの収集と処理、リアルタイム性が必要なものにはエッジコンピューティングという棲み分けで私達がつかうような製品として普及してくるのではないかと思います。
最後にナデラの発言を引用しておきます。
エッジデバイスは我々の身の回りのあらゆる場所に存在することになるため、あらゆるビジネスプロセスにおけるコンピューティングについての考え方を大きく改める必要がある
マイクロソフトのナデラCEOが「コンピューティングの未来はエッジにある」と講演(TechCrunch 2019.10.09)
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