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我が国は現在、閉塞感が漂っているとよく言われていますが、実は、よく観察すると、新しいビジネスチャンスがあふれかえっています。それを見つけて、成功させるコツとヒントをご紹介します。

XのAI<Grok3>試用レポート

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(イラスト:阿部モノ)

Grok3とは、イーロン・マスク氏が率いるxAI社が開発した対話型のAI。2023年11月にサービスを開始以来、次々とVersionUpを繰り返し、現在は3世代目となりました。売り文句としては、Grok2の10倍のリソースを使って学習させたとのこと。そこで、私として実践的にどこまで使えるか色々と試してみました。今回はそのレポートです。

1.データ分析は得意
さて、まずは私の登山記録を分析させました。歩いた距離、登り標高、下り標高、時間、休憩時間を教えます。
例えば、六甲全縦走の記録「タイム10時間37分(休憩51分)/距離42.2km/のぼり3009m/くだり2827m」を分析させます。すると、地形の特徴や登り下りの負荷、ペース配分やエネルギー消費量などを瞬時に答えてくれます。また、次々と突っ込んだ質問をしてゆけば、私の登山者としてのランクや特徴も詳細に答えてくれます。ザックの理想重量、お勧めのシューズなども具体的に回答してくれます。また、今後の課題とトレーニングメニューなども聞けば教えてくれる親切さです。
このことより、Grok3はデータを分析し、その対策を立てるには向いているAIと思われます。

2.飲食店探しはもうひとつパッとしない
私の自宅があるエリアとオフィスのあるエリアで、おすすめランチのお店、美味しい夕食が出来るお店をリストアップするように聞いてみました。すると、リストアップはしてくれるのですが、「なんだかなあ...」というお店が並びました。巷で美味しい、安いと言われているお店がなかなか出て来ません。どこからデータを引っ張ってきているのか判りませんが、こちらは残念ながら使えませんでした。

3.商品比較は得意
ちょうどミラーレスカメラのレンズを買おうと思っていたので、候補になっているレンズを伝えて比較を頼みました。こういうのは得意なようで、それぞれのレンズの特徴を表形式にして教えてくれました。さらに、私が現在持っているレンズを伝え、購入するレンズの中心的な目的を伝えると、お勧めの1本を選んでくれました。また、新たにレンズを買うと同時に手放すレンズがよいかと聞くと、ちゃんと「このレンズが重複するのでいりません」と答えてくれました。
カメラのレンズと言うのは妙な思い入れが生まれるもので、使わないのにずっと保有していたり、重複するものを何本も持っていたりするものですが、AIに判断させると論理的に判断するので、これは使えると思いました。Grok3は、このような作業には向いているようです。

4.深く聞かないとちゃんと答えない
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(イラスト:かしわしわ)
山中で写された3本の傷が縦に入っている樹木の写真を送り、「これは熊の爪痕だと思うか?」と尋ねました。すると、Grok3は、これは熊の爪痕に間違いない確率80%以上などと回答しました。さらに、どこの山域か教えてくれというので、撮影場所も教えました。すると、その山域では目撃情報もあるので熊の爪痕に間違いない、ほぼ90%などと回答してきました。
そこで私は、その3本の傷が均等に圧力が掛かっていること(熊の爪痕にしては整然とし過ぎている)、下に向かって傷の幅が狭くなっていること、その山域では熊の目撃情報はあるがこれまで物証(写真、毛、足跡、糞など)はひとつもないことを伝えました。そうすると、「その通りですね!」などと意見を翻し、熊の爪痕の特徴を説明し始め、結果的に写真の傷が爪痕である確率は10%程度にまで下げて来ました。
つまり、どちらが正しいのかは別として、私が突っ込まなければ、Grok3は傷を熊の爪痕だとほぼ断定していたわけです。このあたりはちょっと困りもので、最初から正確に色々な可能性を分析して欲しいところです。この傾向は、これ以外の質問でもしばしば発生します。

5.人々の認識が混乱している事柄はGrok3も混乱する
大阪府の堺市には、大きな公演がいくつもあるのですが、その代表的なものとして「大仙公園(だいせんこうえん)」と「大泉緑地(おおいずみりょくち)」があります。この二つの公園の場所は近く、また、大泉緑地は「だいせんりょくち」とも読めるので、ネット上にも誤字や混乱が結構見られます。そこで、Grck3に大仙公園にある設備を尋ねると、見事に大泉緑地にある施設を答えました。それを間違っていると指摘してもなかなか修正できず、大泉緑地と大仙公園に同じものが存在すると答える始末です。それでも間違っていると何度か指摘続け
るとようやく理解出来たようですが、このあたりはまだまだだと感じられずにはいられない結果となりました。

以上、私のGrck3試用レポートでした。どちらにしろ、あっという間にこれらの精度は上昇してゆくのでしょうね。

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