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テレワーク環境下、上司・先輩世代が気づきにくい若手社員とのズレ

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1月は、新入社員や若手社員を対象とした研修が続いたひと月でした。その研修を通じて、上司・先輩世代が気づきにくい(と思われる)コミュニケーション上のズレがあることがわかりました。今回はそのズレを3つ紹介します。

気づきにくいズレポイント1:ぼっち感
「今日は久しぶりに人と話しました」と誰かが話し始めると「自分も~」と発する他のメンバー。彼らの話を聞いていると、
・一人暮らし
の人が大半。

そうすると、家から出ない生活で、誰とも話さない日が結構あるそうです。
「会社の人とは?ミーティングもあるでしょう?」
と聞くと、
・オンラインミーティングは、参加はするものの、発言機会はない
・発言を求められても、遠慮してしまって、つい「大丈夫です」と言ってしまい一言で終わる
・社内のやり取りはチャットなどで「話すことはない」
など。

「研修で人と話せてうれしかった」
というコメントを喜んでいいのかどうか・・・複雑な気持ちがするのでした。

気づきにくいポイント2:伝えたいことを、どう表現していいかわからない
研修の導入部分で取り入れている「成長体験、失敗体験」の振り返りワーク。
成長体験では、「任される仕事の範囲が広がることに成長を感じる」という意見が多数です。
一方失敗体験では、「途中で確認が必要なことがわかっていても、確認できずにいて、結果的に納期の遅れになってしまって叱られた」という話に「あるある」と、誰もが共感します。

そこで「確認できない理由は?」と聞くと、
・上司や先輩が忙しそうで、確認のタイミングを逸してしまう
・自分が確認したいことをうまく言葉にできなくて悩んでいるうちに時間が経つ
という返答。

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職場であれば、
・上司や先輩が新人・若手の様子を見て声をかける
こともできるでしょうし、本人側からも
・上司や先輩の様子を見て声をかける
・周りの人に確認する
という、これまで何気なくしていたことがしにくくなっている様子。

また、チャットなどで「どう、大丈夫?」と上司や先輩からメッセージをもらうこともあるようですが、
・知識や体験量が不足していて、語彙が少なくうまく表現ができない
ことも一因になっている印象です。

気づきにくいポイント3:確認を躊躇する
新入社員同士の会話
Aさん:「上司や先輩から仕事を教わった後「できるよね」と言われてしまうと「はい」しか言えない。本当はちょっとイメージできていないとことか、自信がないとことかあるんだけど・・・」
Bさん:「わかる、わかる~。「わからなくなったら、いつでも聞いて」って言われているんだけど、わからないというよりも、ちょっと不安になったときに確認したいんだけど、忙しそうで声をかけるの躊躇しちゃう」
他のメンバー:激しくうなずく

今できること
実際に私も、メールやチャットのやり取りのみで仕事を依頼し、成果物がイメージとまったく違うものとなったときに、ビックリしたことがあります。そんな経験から、電話や顔を見ながら話すことの大事さを実感しています。

「話す時間」を決める
自身の経験と、テレワーク下でもコミュニケーションをうまく取っている組織の取り組みから、次のことが有効であると思っています。
方法はとてもオーソドックスですが、
・話す時間を決めておく
ことです。

特にタイミングとしてお勧めは
・お昼前後の時間
です。

仕事の確認がなかったとしても、雑談をしやすいタイミング。
顔や様子が見えにくい時期だからこそ、何気ないコミュニケーションで心を通わせる。
小さな働きかけが将来の違いになるのではないか、そう思うのです。

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