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テレワーク時に見過ごしやすいリスクー「免疫の知識」と今こそ生きる100年前の感染症対策

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「今年は明るい年にしたい!」と希望をもって迎えた新年に入ってすぐ、緊急事態宣言が発出されました。多くの方が出鼻をくじかれるような気持ちであったことでしょう(私もその一人です)。その後、東洋経済オンラインのデータの全国を参照すると、PCR陽性者数は1月8日をピークに、実効再生産数は1月19日に0.95へ、減少に転じています。

このデータから、一人ひとりが感染対策を講じ動きを抑制すると、感染数は減少するというCOVID-19の特性がわかります。

ただ、人の動きを抑制することによる影響は甚大です。

そこで、人がある程度動いていても感染しないために何ができるかということについて考える必要があると思い、調べたことをまとめてみました。

まずは、ウィルス感染症のメカニズムの基礎確認です。

ウィルス感染症のメカニズム
情報は「山中伸弥による新型コロナウィルス情報発信」でも紹介され、筑波大学にて免疫受容体に関する研究で人間生物学博士号を取得。現在スタンフォード大学で博士研究員として免疫学、幹細胞学を研究されている新妻耕太氏が運営する新妻免疫塾の動画です。2020年4月~5月には、各メディアで大きく取り上げられていたので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それぞれの動画は数分。専門用語を使わずに構成されていてわかりやすいです。

新型コロナウィルスを理解するための基本
そもそもウィルスとは何
ウィルスとはどうやって細胞に潜入するの?
ウィルスは細胞内でどう増えるの?
ウィルスの体内増殖と体外への旅立ち
ヒトーヒト感染の成立
ウィルスは体の外でどれぐらい丈夫なの?①
ウィルスは体の外でどれぐらい丈夫なの?②
ヒトーヒト感染の拡大
質問対応コーナー
どんな人が重症化しやすいの
うつさない、うつらないための予防対策
感染拡大を社会全体で止めるには

新型コロウィルスに関連する知識
ウィルスと細菌の違い
体を守る免疫の基本
ワクチンの基本
3つの検査(PCR検査、抗体検査、抗原検査)の総まとめ


ウィルス感染症に有効とされる基本対策

動画からわかる有効な対策は
・飛沫を避ける
(3密を避ける:ソーシャルディスタンス、マスク着用、空気の入れ替えなど)
・手指の消毒、うがい
などであることがわかります。

また、COVID-19については、免疫力が働いている状態では、仮に罹患しても軽症で済むことがわかってきています。

では、どうやって免疫を高めるか。

免疫を高めるためには?

一般的に推奨されているのは、
・ストレスを溜めない
・バランスのよい生活(睡眠、必要な栄養素を含んだ食事、運動、笑い)
という基本です。

そして、もう1つ押さえておきたいポイントがあるようです。
それは、そもそも、なぜ冬場になると感染症が流行するのか、という点です。

その理由は、
・気温の低下により体温が下がり、免疫力が落ちる
・空気の乾燥によりウィルスが広がりやすい
とされています。

この2つに対する対策の中で1つ見落としやすい点があります。
それは、「体温が下がっていることに気づいていない」ことです。

というのも、外出先で検温されることが一般的になり、驚くことに気づきました。冷気にあたった後の体温は、35度に満たないことです。
このことから、気温が低い時期は免疫力が落ちやすいことを前提に対策を講じる必要があるということです。

そこで冷えることに対する対策として「あたためること」を考えてみると...
○厚着
○携帯カイロなどを使う
○身体をあたためる食べ物をとる
○お風呂にゆっくりつかる
○陽にあたる
○運動
などがすぐに取り組めそうなことです。

そしてさらに調べてみると、免疫力を上げる上で特に有効なのが「運動」(熱をつくりやすい身体ー筋肉をつける)だそうです。

このことで昨年を振り返ってピンときたことがありました。

気づかなかったリスク
2020年4月の緊急事態宣言~秋口まで、テレワークを中心にほとんど外出せずに過ごしました。その後、秋口になりひどい歯痛(お医者様によると、精神的な疲労の蓄積と免疫力低下によるものとの診断)になりました。歯痛はなかなか治らず治療に4ヶ月要しました。

免疫力低下理由を考えてみたところ、ストレスはもちろんですが、極度の運動不足であることに気づきました。

というのは、歯痛が起きた後から携帯の万歩計で自分の1日の行動を数ヶ月にわたり測定してみたのです。すると、驚くことがわかりました。
・テレワーク時(家事とデスクワーク中心):1000歩未満
・徒歩(片道15分圏)での買い物:3000歩~4000歩
・出勤(片道40分):6000歩~7000歩
・打合せで外出(片道1時間強):1万歩~1万5千歩

4月~8月までテレワークを続けたことで運動量が激減し、免疫力が大きく低下していたようです。この経験から、日頃の活動そのものが意外に大事だったことに気づかされました。

100年前の感染症対策
そんな折、仕事で「ラジオ体操」について調べる必要があり次のことを知りました。

日本総合研究所の調査データなどによると、1920年代、当時の日本の平均寿命は40歳台。栄養状態や衛生事情が悪く、肺結核や伝染病がもととなり短命だったそうです。そこで逓信省(現在のかんぽ生命)は国営の簡易保険制度をつくるために米国を調査しました。そのときに米国のメトロポリタン生命保険会社が健康増進・衛生思想の啓蒙を図る目的で考案され、広告放送として放送されていたラジオ体操番組「Setting up excercise」を知り国内に紹介。その後、昭和天皇即位を祝う事業としてラジオ体操を提案し、昭和3年(1928年)に現在のラジオ体操の前身である『国民保健体操』が考案されたことが起源となっています。

つまりは、今から100年近く前の感染症では、ワクチンが開発されるまで、
・栄養状態の改善
・衛生状態の改善
・全身体操
という対策が取り入れられていたのです。

テレワーク時に不足しがちなもの
これら3つのうち、特にテレワーク環境下で不足するのは「全身体操」です。
「身体を動かすこと」を一人ひとりが意識し取り組むと、新たな対策になるのではないでしょうか。(特に、座りっぱなしになるので、下半身の血流改善など)
banzai_kids_people.png緊急事態宣言により、私たちが行動を抑制することで、感染が収束に転じることはわかってきました。

これからは、重症化リスクを低減させ、社会が機能するような取り組みに転じていく。今、厳しい思いをしている人たちのためにも、一人ひとりができること、やれることを考えて取り組む。そんなことに役立てば幸いです。

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