オンライン業務下で生産性を高める「心理的安全性」3つの工夫
首都圏も徐々に通勤者が増えつつある昨今ですが、今回のことをきっかけに、在宅勤務主体に切り替えた組織も多いようですね。
それにより、メリットを感じている方、そうでない方もいらっしゃることでしょう。
そこで今回は「そうでない」と感じる要因の1つである「コミュニケーション」について取り上げたいと思います。
オンライン業務での悩み
先日、ある研修のアンケートの中に「オンライン業務でどのような悩みがありますか」という設問を設けました。すると、最も多かった回答は「コミュニケーションが不足する」でした。
「コミュニケーションが不足する」とは、いったいどんなことを指しているでしょうか。その具体的な内容を見たところ、「相手の様子がわからない」、「自分の状況が伝わらない」、それによって「行き違いが起こる」ということが非常に多くあげられていました。また中には「一つ一つ文章にして伝えなければいけないので、腕が痛い」という声もあり、「確かに」と、ついうなずいてしまうものもありました。
それ以外としては、ITリテラシーの習熟度や、新しいツール(例えば、オンライン会議システムなど)への適応力だったりと、「コミュニケーション」という言葉の中には、それぞれの状況における、多くの要素が複層的に絡んでいる様子がうかがえる結果となっていました。
そして、「コミュニケーションが不足する」状態が一定期間続くと、ストレスが増し、生産性が下がっていくことは、広く公開されているデータでも示されています。
さてそんな折、在宅勤務先進企業の方と接した際に、「こういう工夫が、コミュニケーション不足を補うコツだよな」と感じたのでご紹介します。
その方がされていたことは次の3つのことでした。
1.会話のスタートに笑顔で「お仕事の状況いかがですか?」という問いかけ
「お仕事の状況いかがですか?」と、笑顔で問いかけていただいたときに感じたのは「わかってくれようとしている」という安心感でした。この問いかけは、困っていれば困っていることを、順調であれば順調と、短い時間で状況を相互に把握しやすい、シンプルにして効果的な問いだと感じました。
会話をどのようにスタートするかで、会話の流れがつくられます。自分が問いかけられたことで、改めてその効果を実感したフレーズでした。
2.5W3Hが明確
言葉としては広く知られる「5W3H」。職場にいるとなんとなく察知しているので、ついつい端折りがち。しかし、その習慣のままオンラインでのコミュニケーションに移行しているとそこには落とし穴が!というのも、行き違いは、5W3Hの抜けや認識の違いで起こることが大半だからです。
例えば、スピード感を要求する上司の場合、どんな時でも速さを求められているような気になり、それ自体がストレスになることも。しかし、一言「いつまでにやってほしい」あるいは「いつまでに必要ですか?」とどちらからともなく確認ができれば、お互いに仕事の段取りがつけやすくなり、それぞれのペースで進められます。
また、在宅勤務先進企業の方は、求める役割や水準、期間などを明確に伝えてくださったので、当方もイメージが明確にでき、段取りがしやすいと感じました。
3.定期的な全体コミュニケーションの中でのちょっとした工夫
週に1度など、時間を決めて全体でコミュニケーションをとる機会を設ける職場は多いですが、在宅勤務先進企業で「工夫されているなぁ」と感じたのは、「仕事に関係のない話をしていい時間」を一定時間ちゃんと織り込んであるところ。
決められた時間の中で行われるので、ダラダラすることなく、息抜きが必要な人にとってゆとりとなりますし、仕事以外の状況も伝えることができるので、相互理解が深まります。
そして、上記内容をブログにまとめながら改めて感じたことは、在宅企業先進企業の方がされているコミュニケーション上の工夫は、言葉を変えると、
・わかろうとする姿勢
・相手のペースの尊重
・仲間との連帯感の醸成
これらを、日常的にとるコミュニケーションの中に織り込むこと。それが、チームとしての「心理的安全性」の醸成につながるなぁと感じたのでありました。
イラスト:Keiji Saotome
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