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長期化する在宅勤務期間だからこそ、トップアスリートやエクゼクティブも大事にするメンタルトレーニングの学びどき

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個人の自立を促し、組織力を高めるためのインナー☆ブランディングコンサルタントの原田由美子です。

在宅勤務が長期化しつつある昨今。
スタート時は新しい環境にワクワクし、集中力高く進められていた仕事も、数週間も経ってくると徐々に能率が落ち始めまていませんか。

特に今は外出制限が課せられ、行動範囲が極端に狭まっています。
それにより、体が動かしにくい→血液循環が滞る→疲れがたまりやすくなる、という状態に陥りがち。

すると、つい休憩時間が長くなったり、ちょっとSNSを見たり、人によっては家族から頼まれごとをされたりしているうちに時間が経ってしまいます。
そうなると、効率が落ちていることに小さな罪悪感が生じ、なんとなく後ろめたい気持ちにーー。

ちょっとした罪悪感や後ろめたさがもたらすもの
しかしこの状態、長く続くととても怖い。

というのは、「自己肯定感」が低くなってしまうから。

「自己肯定感」--最近よく使われるようになっている言葉ですが、ここでは「自分は価値ある人間だ」と自分を認めることができ「自信がもてている」状態とします。

その「自己肯定感」ですが、実はとても繊細なもの。わずかな罪悪感を生む行動を積み重ねるうちに損ないやすいのです。

例えば、ある時期とても好調で物事が順調に進んでいたのに、ささいなことがきっかけで不調に陥り、なかなかその不調から脱することができなかった。という経験はないでしょうか。
そのようなとき、多くの場合、自己肯定感は低下しています。

世の中が不安定なときに陥りやすい心理状態
そして今、新型コロナウィルス感染症の影響下にあり、社会全体が不安定です。
日々流れるニュースには明るいもの、前向きなものがほとんどありません。
このような状況は、知らず知らずのうちに自己肯定感が損なわれます。

そのような中、お互いに顔を合わせる機会も減少しています。
オンラインでのミーティングなども必要最小限に留まり、コミュニケーションも不足しています。

そんな状態の中で自己肯定感が低下していると、社内から届くはずの連絡が届かない、という、普段だったら気にならない事象も、次のような捉え方をしてしまうことがあります。

・自分は会社に必要ないのではないか
・この仕事から外されるのではないか
・いずれリストラされるのではないか

と、ありもしない方向に思考を巡らせ、ネットで近しい情報をわざわざ探しに行き、気持ちをざわつかせるーなど、疑心暗鬼に陥ったり、さらには、人間関係をギクシャクさせ、悪循環にはまり込むーなんてことになりかねないのです。

自己肯定感を損なわないためには?
そこで、そうならないために取り組んでおきたいことがあります。
それは、とても簡単な「メンタル」からのアプローチ。

その方法を私が知ったのは、今からちょうど4年前。
当時の私は、仕事で思うように成果が上げられずに自分に自信を失いかけていました。

「どうすればいいのだろう」と、悩んでいた時期に「スポーツメンタルトレーニング」というアプローチ方法があることを知り、講座に参加しました。

その時の講師が、スポーツメンタルトレーナーの大儀見浩介さん。
大儀見さんは、将来のトップアスリートを目指すお子さんから、トップクラスの成績をおさめるアスリートやチーム、そして、ビジネスエグゼクティブにメンタルトレーニングを指導されている方です。

大儀見さんの指導はとてもわかりやすく、実践的。
そこで今回は、その時に教えていただいた「自己肯定感」を高めるのに効き、すぐに取り組め&効果が出やすいアプローチを紹介します。

すぐに取り組める&効果が出やすいアプローチ法とは?
それは、
「小さなことでも"やる"と決める」→「できた」という達成感を味わう方法です。

「小さなこと」は、どんなことでもOKです。

例えば、どなたでもよくあるケースを例にあげると...

「上司にメールでレポートを提出する」というタスク。
これを次のようなイメージで「小さく」細分化します。
 ・上司の希望を確認する
  (直接確認しても、しなくても以下の要素が満たされていればOK)
  ー目的(何に使うか)
  ―期日(いつまでに必要か)
  ー必要要素(ボリューム、レイアウトなどの希望)
 ・メール本文を作成する
 ・作成した内容を見直す
 ・宛先を確認する
 ・送信する
 ・30分でやる(測る)
細分化した1つ1つの作業が終わる度に「できた!」と言葉に出します。
(私の場合は、拳を軽く握って「できた!」とするようにしていました。)
これだけです。

やり始めた当初は「効き目あるのだろうか?」と半信半疑でしたが、実際にやってみると、「できた!」と言った後になんとなく身体があたたまる感じがし、続けるうちに自分が「できる」という感覚が強くなっていくのが感じられました。

良質なやる気についての研究「自己決定理論」
このアプローチは、ロチェスター大学のエドワード・デシとリチャード・ライアンという心理学者の研究成果である「自己決定理論」がベースとなっているそうです。

「自己決定理論」は、「動機づけがいかに人の行動に影響を及ぼすか」について研究されたものです。その研究では、「最初は人にやらされる外発的動機づけだったとしても、やり続けると内発的動機に変わる可能性がある」ことを明らかにしています。

大儀見さんの講座では、「自己決定理論」を次のように紹介されていました。

「今、やろうと思ったのに...」の瞬間に親から言われる「勉強しなさい」がモチベーションを下げる話
例えば、小さな頃に(さてっ、そろそろ勉強しようかな)と思った瞬間に親から「いつまでゲームやってるの!勉強しなさい!!」と言われ、やる気を損ない、不貞腐れ、結果的にダラダラしてしまうーーそんな経験ないでしょうか。

通常は、そのままダラダラし続け(自分でやろうと思っていたのに、やる気を損なうような、言い方をした親が悪い!)と、決めつけ、その日は終わってしまうことになりがちです。

そんな時は「小さな自己決定をたくさんすること」。

「小さな自己決定」は次のように考えて、行動していくことです。

(あ~、つまんない。自分でもやろうと思っていたのに。
 でも、自分はやろうと思っていた。
 だったら、ここから気持ちを切り替えよう。
 今から、自分の部屋に行く。
 最初は、気持ちを切り替えるために10分好きなことをしよう。
 勉強する時間は、60分にしよう。
 60分のうち、最初の30分はウォーミングアップで好きな教科をやろう。
 その後の30分は、苦手な教科をやろう。
 その後、風呂に入って、歯を磨いて、寝る前にラインに返信しよう)

というように【自分で行動を決めて、やる】ことが大事

と、お話しされました。

学んだことを試してみたその結果
そこで私は、教えていただいた次の日から、さっそく取り組みました。
すると、すぐに気づいたことがありました。
それは、「小さな自己決定を繰り返す」と「できた!」「できた!」「できた!」と、自分にOKを出し続けることになるので、モチベーションが自然とあがってくる感覚があったことです。

モチベーションが上がった状態で物事に取り組むので、集中力があがり、自ずと仕事の質やスピードもあがります。

では、それを労働時間8時間として、数値に置き換えてみます。

 ・知る前→「できた」と思う時間と量 1時間に1回 →1日8回
 ・知った後→「できた」と思う時間と量1時間に3回 →1日24回

小さな自己決定をすることで、「できた!」と思う回数は2~3倍に変化します。これを、プライベートの時間を含め、1週間、1カ月と積み重ねていくと、大きな差になることはイメージしていただきやすいことでしょう。

私の内面的な変化なので、皆様に「ほらっ」とお見せすることはできないのですが、個人的には次の2つの成果につながっていると思っています。

成果1:資格試験に合格
この考え方を学んだとき、私は、キャリアコンサルタントの資格講座にチャレンジしていました。何十年ぶりの受験にストレスも多く、合格への不安も強く持っていました。(特に学科試験)しかし、何とか1度で合格。

成果2:仕事の領域が広がる
試験に合格できたことが自信につながり、その後、資格をもとにした仕事や
関連する仕事でのご依頼も増え、仕事の領域が広がりました。自己肯定感が増すことで、前向きさや積極性が養われ、チャンスが得やすくなったと思います。

なぜ今メンタルが大事なのか?
今回このことをお伝えしたかったのは、ここ数か月、私を含め多くの方が仕事が思い通りに進まない経験をされているからです。

がっかりし、辛い、悔しい、悲しい、不安、恐れなどの感情が日々蓄積されています。仕事が見送られるのは、不可抗力であることがわかっていても、「もう自分は...」などと思いやすいです。

そんな時、職場であれば、お互いの様子がわかるので、ケアしあうことが可能です。しかし、在宅勤務の場合は、自分でも気づかないうちに、メンタルはダメージを受けています。

そのような時に必要なのは、自分の気持ちに気づき、切り替えたり、立て直す方法です。

そのための方法として、私自身が実践し効果があった、どなたでも取り組みやすい方法をご紹介したいと思った次第です。

「非常に興味がある!」「もっと知りたい」という方のために
本ブログをご覧になり「より理解を深めたい」という方(いらっしゃるといいなぁ)。
大儀見さんの書籍をプレゼントいたします。
(※本プレゼントは、ITメディアの企画ではありませんので、ご応募は下記よりお願いいたします)

プレゼントする書籍は『勝つ人のメンタル』。
31ObohvtDqL._SX316_BO1,204,203,200_.jpg「心の鍛え方」がギュッと詰まった1冊です。

【ご応募方法】
プレゼントは、先着5名様といたします。(4月30日で締め切ります)
弊社サイトの「お問い合わせページ」にアクセスいただき、
1.お問い合わせ内容
  →「その他お問い合わせ」をチェック
2.ご要望記入欄
  →「書籍プレゼント」と記入ください。
   よろしければ、ブログの感想をいただけると嬉しいです。
3.必須項目をご入力ください。

ご応募内容を確認いたしました後、4月24日から順次発送いたします。

この時期を、より有効にご活用いただくためにご活用いただければ幸いです。

なお、より深くスポーツメンタルトレーニングを学びたい方にお勧めなのが、フェイスブックからアクセスいいただけるスポメンLabo
スポメンLaboでは、日々取り組めるメンタルトレーニングの様々な手法を、実践事例などをもとに具体的に学べるコミュニティです。

本来有料のサービスですが、4月いっぱいは、無料でご覧いただけるとのこと。
ご関心ある方は、サイトにアクセスください。

ピンチをチャンスに変えるためのマインド、手に入れていきませんか。

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