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企業価値を高める「インナーブランディング」とは?

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先日、人事向けウェブメディア「@人事」さんから「「企業価値を高めるインナーブランディング×社内広報」セミナーレポート」という記事が配信され「いよいよ人事部門でも「インナーブランディング」という言葉が使われるようになったなぁ・・・」としみじみしておりました。というのは、以前よりSix Stars Consultingでは「インナーブランディング」に取り組んできたからです。

そこで今回は、なぜSix Starsでインナーブランディングに取り組むようになったか。
そして、インナーブランディングに取り組む上でのポイントを紹介します。

●インナーブランディングとは何か?
Six Stars Consultingが「インナー☆ブランディング」という言葉を用いはじめたのは2015年。

「インナーブランディング」は、顧客向けの「ブランドコンセプト(理念、ビジョン、バリュー、行動基準など)」を社員に浸透させる活動全般を指し、主にマーケティング会社が担ってきました。

別称に、「インターナルブランディング」、「インナープロモーション」「インナーコミュニケーション」などがあります。

●なぜ人材育成会社が「インナーブランディング」に取り組むのか
それでは、マーケティング活動に由来する「インナーブランディング」という言葉を、なぜ、人材育成を生業にするSix Starsが活用するようになったかというと...

Six Starsでは、創業当時からマネジャーやリーダー育成に力を入れてきました。
その、マネジャーやリーダーの育成で重要なのが、
*********************
  理念、ビジョン、方針、中長期経営計画を
  「自分ごと」として捉えること
  そして、メンバーの動機づけをはかること
*********************

これらのことを研修で皆さんに理解していただくのですが、日々の業務に追われるうちに、しばらく経つと忘却の彼方。

提供者としては寂しい限り。

「どうしたら、日常的に自社の方向性と自分の方向性をつなげて考え行動していけるだろうか?」
と、考えていたところ、
 ・ブランドブック
 ・社内広報活動
 ・コミュニケーション基盤
  (含む社内コミュニティ)
などを元にブランド価値を浸透させる活動で「インナーブランディング」という表現があることを知りました。

以来、全ての事業活動、組織運営は、
「組織の価値(ブランド)は、社員一人ひとりが理解し育てるもの」
という認識が大事であると考え、「インナーブランディング」という表現を活用するようになりました。

●なぜ、多くの経営者が「何度も伝えないと理念は浸透しない」と言うのか

しかし、表現を取り入れたからといって、根本的な問題が解決したわけではありません。
「理念・方針は、手を変え品を変え、機会を変えてもなかなか浸透しない」
からです。

それは、理念・方針浸透の重要性を理解し取り組む経営者の多くがその経験をもとに伝えています。

そして、確かにその通りなのです。

例えば継続的に実施する研修で、最初に理念の重要性を伝え自社の理念を確認し、メンバーも「とても大事だ」と共感したはず。
しかし、次の研修のタイミングには
 「理念やビジョン・・・なんだったけ?」
 「どこに書いてあったっけ?」

となり、「自分ごと」とは程遠い状態に。

このような経験から、
 「なぜ、理念はこれほどまでに浸透しないのだろうか?」
 「どうしたら理念を自分のこととして考えられるだろうか?」
ということを日々考え、その解決を図るべく取り組み続けています。

●理念が浸透している組織とそうでない組織の違い

では、理念が浸透している組織ではどのような取り組みをしているのでしょうか。
何か特別な研修などを行っているのでしょうか。

そこで、様々な会社に実際に足を運び、経営者や社員の方にお話を伺ってみると・・・

まず、会社に入った瞬間に、理念が浸透している組織は、普通の組織とは違うなぁと感じます。

では、何が違うのか?

1つ根本的な違いがあることがわかってきました。

それは、社員一人ひとりが、「働く目的意識を持っている」こと。
言葉を変えると、社員一人ひとりに「働く目的意識を持たせている」こと。

「働く目的意識」とは、
・自分は、誰の、何のための役に立ちたいのか
が明確になっていて、その上で

・それができる場所としてこの会社を選んだ

あるいは、最初は何も考えずに会社に入ったけれども、理念への理解を深めるうちに

・自分は、こういうことを、この会社でしたい

と語れるようになっている、ということです。

このことに気づいた私は、会社の理念を理解してもらうことよりも、先に、社員一人ひとりに、
  ・一人ひとりが持つ可能性
  ・一人ひとりが活かすべき個性
  ・一人ひとりが果たすべき役割
  ・一人ひとりが目標とすべきもの(長い人生を見据えて)
  ・一人ひとりが今取り組むべきテーマ
を知ってもらったり、考えてもらい、

  ・私は、誰の、何のための役に立ちたいか
  ・私は、何ができるのか
  ・私は、何ができないのか

を理解してもらう「自己理解」を深めるとよいのではないか。

そして、その上で組織の
  ・理念やビジョン
  ・方針(大事にしたい価値観や優先順位)
  ・長期の方向性
  ・短期の目標

を伝えると理解しやすいのではないか、という仮説を得ました。

●一人ひとりが「働く目的」を具体化することが組織の価値向上の近道

そこで、Six Starsが担当するプログラムでは、プログラムの構成を変え、「自己理解」を深めた後に「組織理解」を進める展開に変えてみたところ・・・

すると、それまでの研修では、アンケート内容がありきたりだったものが、自己理解を先にして以降、文字量が増え、自分の言葉で何かを伝えようとする記述する人の割合が増えるようになってきています。

また、組織も確実に変化している手ごたえがあります。

そのような経緯から、

  一人ひとりが自らを理解すること
  (その上で)
 →組織の理念や方向性を伝えること

というプロセスを大事にし取り組んでいます。

このことを経て、Six Starsがお手伝いするインナーブランディングでは、まずは、一人ひとりが自分を理解することを大事にしたい、それを表現したいと考え、
「インナーブランディング」に「☆」を入れ、
「インナー☆ブランディング」とすることにしました。

そしていよいよ「インナー☆ブランディング」の情報発信を本格化します。
そのためのホームページをリニューアル中。
企業見学に行った際のレポートや、人材育成に取り組む上でのヒントとなる情報を「コラム」という形で定期的に配信していく予定です。

ホームページは9月上旬に公開予定。
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第2回:11月20日(水)9:30~17:30
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Six Stars Consulting株式会社
連絡先:(045)222-0737
※平日9:00~18:00

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