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HRD(人材の育成、教育研修)の現場から、気づいたこと、アイデアを発信します。初めて人材育成や教育担当になった方でも、わかりやすく、取り組みやすい情報提供を目指します。特に、20代~30代を元気にしたいご担当者様、是非このブログにご参加ください。

自分を活かして生きるための「居場所探し」

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長年お世話になっている美容師さんに
「悩むことってあります?」と聞かれ、
「そりゃ、もちろんありますよ!」と、お答えしたら
「えっ、そうなんですか?(悩みが)なさそうに見えたので」
と言われ、こちらが驚きました。

そこから会話が進み、なぜ美容師さんがそのように私を観ていたかが理解できました。
というのも、美容師さん曰く、
「長く通っていただいているお客様には、大手の企業にお勤めの方が多いんですけど、皆とにかく疲れきっちゃってて。
その人たちもうちに通い始めた頃(30代)は溌剌とされてたんですよ。
でも、管理職になった頃から元気を失くしていって。
それって、頭皮や髪の毛の変化に出るんですよ。
そこで気になってお話を聞くと、前向きな仕事なんてほとんどなくて、部下のミスの後始末や、会社全体を縮小するために組織を整理しなければならないとか、自分の職場がなくなる不安とか、ストレスがつきないらしいんですよ。
それが、頭にも出てるし、雰囲気にも出る。
なんか会うたびに元気がなくなっていて、見ていて辛くなるんですよ」

この話を伺って、確かに、大企業は全体的に組織をスリム化する方向で進んでおり、そこに身を置く人たちにとっては、ストレスがかかっているだろうなと思いました。

大きな組織に所属する人のキャリア感
そんな折、復習を兼ねてキャリアコンサルタント資格取得のために勉強していたテキストを見直していたところ、次のような理論に目が留まりました。
それはダグラス・T・ホール教授による「プロティアン・キャリア」というもの。
プロティアン・キャリアとは、ギリシャ神話のプロテウスが予言と変身の能力を持っていたことから、キャリアを変幻自在に構築していくことを表しているそうです。

それを従来のキャリア(伝統的キャリア)と比較し表にしたものが下図です。


伝統的キャリアは、組織が主体であるのに対し、プロティアン・キャリアは個人が主体です。

ここで美容師さんとの会話に話を戻すと、元気をなくしていくタイプの方は「伝統的キャリア」の中に自己を位置づけ、組織という「居場所」がなくなること(つまりは将来)の不安から、元気がなくなっているのではないかと想像します。

そして2020年~2025年ぐらいまでの社会構造が大きく変わる中では、組織が揺らぎやすいので、その「居場所」の不安定さは増すのではないかと思います。

ではそのような不安とどのように向き合っていけばよいでしょうか。

「組織の外」で「居場所」を探す
そこで今回は、私のお勧めを1つ紹介します。それは、会社とは別の、複数のコミュニティに身を置いてみることです。地域、スポーツ、趣味、学び、何でも構いません。自分が興味関心を持てる分野に試しに参加してみて、その中から自分に合うところを見つけ、見つかったらウェイトを変えていけばよいと思います。

実は私もここ数年で複数のコミュニティにボランティアとして参画し、また、自分でもマネジメントに関するコミュニティを立ち上げました。

すると、自分の組織の中では考えたり、体験できない様々な機会に恵まれるようになりました。例えば、自分の興味・関心が強い分野のことをより深く知る人から学ばせていただいたり、価値観が合う人とともに学び&遊ぶ機会が増えるなどです。

自分に合った「居場所」が見つかると「次」に展開する
さらに私の場合は、仕事に関連するコミュニティに参画していることもあり、コミュニティで学んだことやそこで出会った人と、ビジネスのつながりに発展することがあります。

また、私がご一緒している方の中には、大手企業に勤められ「割り切るしかない」と思っていたところへコミュニティと出会い、物の見方や考え方が変わり、結果として勤め先の仕事もうまくいき始めた方。コミュニティに参加された当初は疲れ切っていたように見えた方も、活動を続けるうちに若返っていかれる方。さらに、コミュニティの活動をきっかけに、自分の価値観が明確になり、キャリア・チェンジをはかり新たな仕事を得た方など、活力を得ていかれる方が多数いらっしゃいます。

そのような変化を見る中で、「居場所探し」とは、つまりはプロティアン・キャリアでいうところの、「自分は(本当は)何がしたいのか」を見つけるためのプロセスといえるのではないか、と考えるようになりました。

今もし本業に疲弊感がある方は、ご自身が関心が持てるコミュニティに参加することで、焦らずに自分と向き合い「自分は(本当は)何がしたいのか」を見つける、チャンスなのかもしれません。

ちなみに、開催まであと2日となりましたが、私も参加するコミュニティのイベントをご紹介します。
(最後は宣伝かよ!という突っ込みが入りそうですが、今回のテーマに関心をお持ちいただけた方には、とてもフィットすると思います。)

今回のプログラムは、「伝統的組織」の価値観が強い方には、かなり、モヤモヤしたり、ザワザワしたり、心理的にはキツイかもしれません。しかし、今までの自分の考えとは反対の世界を見ることで、ご自身が強く抱える価値観が浮き上がってくると思います。そんな刺激を求める方は是非ご参加ください。
当日お会いできますことを楽しみにしております。
(↑↑終日会場におりますので、「ブログ見て、思わず参加しちゃった」と声をかけていただけたら、超嬉しいです。よろしければ、懇親会もご一緒しましょう!)

第14回ドラッカー学会総会&大会
ネクスト・ソサエティ・フォーラム2019 

教育革命と知識社会
今、「もう一つの知性」を問う。
     -追悼 上田惇生先生

開催日:2019年5月11日(土)
    10:00~18:00
    (18:30~懇親会)
会場:明治大学
詳細のプログラム、お申し込み方法はPeatexより。

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