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3連覇を目指すSBホークス工藤監督と選手に渡された「ファイル」

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 3連覇がかかる福岡ソフトバンクホークス(以下、SBホークス)工藤監督のインタビューを、年初にスポーツ報知の記事で見ました。その記事の中にとても興味深いものが。リーダーとしてメンバー育成の参考になる部分も多いと感じましたので紹介します。

 実は、SBホークスの監督に就任する2~3年前に、工藤氏を横浜でお見かけしたことがありました。当時は解説をされていた頃だったと記憶しています。元野球選手としては小柄ですが存在感があり、人目をひいていました。休日だったからでしょう。少し派手な柄のスポーツ系ファッションをお召しになっていました。

 それから数年経った2015年。監督に就任された工藤氏は、その時とは印象がずいぶん変わっていました。更に驚いたのが、チーム方針の6か条
 (1)ガム、つば吐きの禁止
 (2)行き過ぎた、茶髪、金髪、ひげの禁止
 (3)自身での徹底した体調管理のための門限厳守
 (4)ネガティブワードの禁止(「できない」、「わからない」、「しょうがない」)
 (5)選手を細かく観察
 (6)積極的な入れ替え

 プライベートでお見かけしたときは、それほど厳しいタイプであるという印象はなかったので、意外に感じました。(特に外見に関しては)

 このような方針を基本に置きながら、就任初年度の戦績は、両リーグで最多の90勝。2年連続日本一。時折映し出されるベンチでの工藤監督は、解説者の頃のサービス精神旺盛な様子から一転。表情を変えずにクールな印象。

 そこで、工藤監督がなぜこれほどまでの成果を出すことができたのか気になりいろいろと調べてみることに。すると、投手時代のなかなか成果が出せない時期、自分の投球をビデオで確認し何年も何年も分析→実践を繰り返し行ったことや、引退後、選手から報道する側に立場が変わったことで、「社会人」としての意識の切り換えの必要性を感じたことなど、いろいろなエピソードが見つかりました。

 さらに興味をひいたのは、スポーツ報知のインタビューでの次の言葉。

「2016年シーズンは、昨年の秋季キャンプから始まっている。それは選手にも伝えてある。自分の能力を引き上げ、自分を変えてくるように』と言っている。選手には(個々の)課題、弱点、長所を書いたファイルを渡してある。今からキャンプまで、1ヶ月の過ごし方が大事」(2016年1月5日記事より引用)

 おそらくこのファイルは、6か条の「さまざまな観察」をもとにまとめられたものであると推察します。ファイルは、渡す側と渡される側で信頼関係が出来上がっていないと、「萎縮する材料」にもなります。しかし、それを渡したということは、選手と自分とのつながりを感じられているからなのでしょう。また、インタビューでは、工藤監督は「選手がどうしたいか」などコミュニケーションをとることも大事にされていることが書かれていました。

 工藤監督のインタビューの断片からは、「社会に通用する人に」という思いと合わせて、「競争が厳しいプロの環境下で、選手として長くいい働きをしてもらうために」という球界の先輩としての思いも感じます。

 さて、この「ファイル」がどのような成果につながっていくか。間もなくスタートするキャンプ。それも含めて今期も楽しみです。

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