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上司・先輩っていいなぁと思う時

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 部下や後輩(以下、メンバー)の指導において、知識やスキル面は成長度合いが把握しやすいですが、仕事への姿勢や会社に対する思いなどはなかなか把握しづらいのではないでしょうか。

 しかし、いくつかの研修の中で、メンバーはちゃんとわかってるんだなぁと感じる出来事がありました。今日はそれを紹介します。

 若手社員を対象にした研修では、事前課題で「仕事の棚卸し」に取り組んでもらうことがあります。その内容は、時期、取り組んだ仕事の内容、その仕事で得た知識・スキル、その仕事を通じて得た人とのつながりや教訓、などです。

 「その仕事を通じて得た教訓」の欄は、成功体験を通じて自信をつけたこと、失敗体験を通じて今後に生かすこと、そして、自分にとって今後の仕事を進めていく上で大事にしたい価値観などが書かれます。

 研修ではその内容を共有してもらいます。そして、研修中の会話を聞いていると、書かれた内容は、本人が自ら得たものや気づいたことももちろんありますが、実は上司や先輩の仕事の姿勢が反映されているものが、思った以上にあることに気づきます。

 例えば、あるときこんなことが書いてありました。
 「わが社には素晴らしい歴史があり、多くの実績と取引先がある。でもそれは、上の人達の頑張りによるもの。今後は、自分たちの力でたくさんの人達に喜ばれる仕事を提供することが大事」

 私は(しっかりしているなぁ。すごいな)と思いながら、メンバー同士の会話を聞いていると、

 「僕が考えたんじゃなくて、先輩が言ってたんだ」

 と、話していました。

 おそらく、先輩が何気なく話したことが彼の心に残ったのでしょう。その言葉に素直に反応する彼の感性も素晴らしいですし、仕事の中でそのような会話ができる先輩も素晴らしいと感じました。

 そして、彼が特別かというとそんなことはなく、「仕事の棚卸し表」には、それぞれの上司・先輩の何気ない言動をもとにしたものが書かれています。

 このことから、上司や先輩の仕事への姿勢や取り組みは、教えなくても伝わっていくんだなと感じています。

 そして私は、こんな体験をするたびに、あらためて「組織っていいなぁ」と感じています。

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~夢を創り、夢を育む~出あいに、感謝

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