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苦手な相手が味方に変わる

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 キャスティングが話題になっている「下町ロケット」ですが、登場人物の名ゼリフも見逃せないところ。特に、会社の危機の場面で発せられる一言が、なんとも泣かせます。
 今回は、リーダーとして人に動いてもらわなければならない状況で「苦手な相手」がいたときに、相手に対する見方を変えることで状況をよくする視点を、ドラマのセリフをもとに考えてみます。

 「下町ロケット」の第1話では、主人公が経営する佃製作所に対して、技術的な特許侵害を理由に訴訟を起こされます。さらに、その訴訟がもとで信用が失墜し、取引先からの発注が激減。資金繰りが急激に悪化。金融機関やベンチャーキャピタルの融資も断られ、万事休す、となる場面があります。
 その場面で、メインバンクから出向し、会社の中では煙たがられ、敵なのか味方なのかもわからない、経理の殿村部長が涙ながらに発した一言。

 「社長、あなたは夢に愛されている。
  だから!逃げちゃいけない。お願いだから諦めないでください。
  銀行員のはしくれとして何百の会社を見てきた俺にはわかる。
  佃製作所はいい会社です。本当にいい会社です。
  だからなんとしても守りたい、守りたいんだ!」
 「下町ロケット」第1話 TBSドラマ より引用

 このシーンの後、殿村部長の存在感が今までと違ったものに変化していきます。

 ドラマ冒頭からこのシーンまでは「開発を止めてください」と苦言を呈し続ける役割を殿村部長は担っています。モノづくりがあってこそ会社の存在意義があると考える社長にとっては、煙たい存在であったことでしょう。
 しかし、苦言を呈していた真意は、もともとは技術力や能力があるのに日の目を見ない企業の手助けをするために金融の仕事を選んだ殿村部長自身の夢や、さまざまな企業を見てきた経験から、会社が存続してこそ、製品も開発も続けられるということを見込んでの発言でありました。 

 さて、このことを身近な問題に置き換えて考えてみると・・・殿村部長のように、反対意見を述べる人って、組織の中にもいませんか?

 しかし、そのような人たちでも、「なぜそのように考えるか」を聞くと、実は、同じものを目指しているけれども、さまざまな理由があって、反対に聞こえる発言をしている、ということがよくあります。

 さらに違ったとらえ方としては、自分が苦手意識を持っていると、相手との距離が生じ、ますます相手のことがわからなくなる、ということもあります。

 何度も話しても平行線、というのであれば、時機を見る、ということも、もちろん大事です。

 ただ、もし、お互いをよく知らないだけであれば、まずは、挨拶程度の声がけから一歩踏み出してみることも、相手に対する見方が変わる、きっかけになるかもしれません。

 見方を変えると、味方が増える。なんてね。

~夢を創り、夢を育む~出あいに感謝!

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