「基礎能力強化」の引き上げ湯葉効果
成果が上がっている組織では、仕事に必要な能力の「基礎」を常に強化しています。それではなぜ、基礎能力を強化するのでしょうか?基礎能力は誰でも簡単に取り組むことができるのが1番の理由ですが、それ以外にも理由や効果があるからです。今回は理由や効果をご紹介します。
1.「見える」=「改善可能」
基礎能力は言動に現れます。言動に現れるということは、その良し悪しが判断できます。例えば「報連相」。仕事を進める際、必要に応じてコミュニケーションを取る人は「身に付いている」と言えますし、こちらからコンタクトするまでコミュニケーションを取らない人は「身に付いていない」と言えます。「5W3H」であれば、仕事の目的、背景、期限、関係者、ロケーション、進め方、予算、水準などについて確認や質問がある人は「意識できている人」でしょうし、言われたことのみ対応する人は「意識できていない人」というようにです。
このように言動に現れているかどうかを確認し、その上で、何がどうなっていることが必要なのかが明確であれば、改善が可能なのです。
2.改善効果が早く、実感しやすい
言動に現れていることは、改善に取り組むことで、よくなったのか、そうでないのかがすぐにわかります。良くなれば、やり直しやミスが減り、仕事が進めやすくなります。仕事が進めやすくなれば、自分で効果が実感できます。
また、周囲も仕事が進めやすくなるため、プラスの言葉をかけてもらえることもあるでしょう。そうなると、周囲に対して役に立っている実感が得られ、モチベーションも高まります。
3.引き上げ湯葉効果
「引き上げ湯葉」をご存知でしょうか?容器に入った豆乳をあたためると、膜が張ります。その膜をお箸ですくうとその容器の表面の膜が全てひき上げられます。それを「引き上げ湯葉」と言います。
能力にも似たような部分があります。1つの能力を引き上げることで、その周辺の能力も一緒に引き上げられるのです。
その際、湯葉と似ているのは、「表面」の膜は引き上げることはできますが、「下層」の豆乳を引き上げることはできません。能力も同じように「見える部分」は引き上げやすいですが、「見えない部分」は引き上げにくいのです。
「表面の膜」を順番に引き上げる、即ち「見える部分」を丁寧に引き上げていくうちに能力が引き上げられていく。それが引き上げ湯葉と能力のイメージが重なる点です。
4.チームで取り組めば、プラスαの効果が期待できる
チームで取り組む場合は、プラスαの効果も期待できます。お互いに基準を確認し合ったり、励まし合ったりできるので、モチベーションが下がりにくくなります。また、工夫や改善を積み重ねるうちにチームとしての一体感も生まれます。
さらに、チーム外(社内の他のセクションや、お客様、取引先)から見ると、チーム全体の雰囲気が違って見えるので「最近あそこのチーム雰囲気が良くなった」ということに気づいてもらえることもあります。そうなれば、チーム以外からの評価も得られ、よりやる気が生まれます。
このように、チームで取り組めばプラスαの効果が生まれ、成果も上がりやすくなるのです。
次回は、「基礎能力の強化」に取り組んだ企業の事例をご紹介します。
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