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お題:過去の「消費税」アップがもたらした悲劇

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やや難題をテーマに取り上げられた感がありますが、30代~40代のリーダーに、期待される役割とその視点から、「税金」について考えてみたいと思います。

個人的には「税金」に対して、鈍感・・・かも

「税金」といえば、最も身近なのは「消費税」。1989年4月~3%で導入された消費税。その後、何度となく「消費税を廃止しよう」という動きがあったようです。しかし、8年後の1997年に5%にアップ。それ以来、現在に至るまでの約15年間、消費税は5%で維持されています。

私個人の記憶をたどると、消費税3%が導入された時、アルバイト先のレストランでの会計がやたらと面倒に(1人の時の会計と、2人以上の会計が微妙にズレるので、「会計を分けてくれ」と言われる頻度が高まったなど)。その面倒くささが最も記憶に残ったぐらいで、5%になった時は、既に導入されていたためか「なんとなく上がったな~」というレベル。

自分事で考えると、よほど不都合なことが起きない限り、全く記憶に残っていないものですね。

2%の消費税アップが、数億の借金につながるとは?

しかし先日、サマンサ・タバサ社長 寺田和正氏の著書『3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい』の一節から、消費税アップがもたたらした消費現場への打撃、そして、寺田社長が背負った高額の借金について知りました。

ご自身のリアルな体験にもとづくお話です。以下に引用します。

 忘れもしない1997年4月、前村山内閣で内定していた消費税率の引き上げが、橋本内閣で実施されたのです。これにより消費税は三%~五%に引き上げられ、日本の消費は大きく落ち込みました。 

 私のやっていた「卸売り」の世界には、大きく分けて三つの取引方法があります。

 ひとつは、百貨店などの小売店が商品代金を全額払い、商品を引き取って販売する「買い取り」。二つ目は、まず商品を小売店に渡し、小売店がその商品を販売し、その売り上げから何%かをバックするという「委託」。そして、三つ目は、百貨店などからスペースを借り、こちらが店舗を作り、人を派遣し、そこで売れた商品代金の何%かを納めるという「消化」です。

 私のところはほとんどが輸入商品だったので、取り引きはすべて買い取りで行っていました。

 買い取りですから、市場が落ち込んだとしても、少なくとも売れたものの代金だけは入ってくるはずでした。

 ところが、実際にはそうはならなかったのです。

 (中略)

 入金されるはずのものが入金されず、代わりに商品が送り返されてくる。

 当時、消費税の引き上げによって消費が急激に冷え込んだため百貨店の経営も相当厳しかったのは事実です。

 しかし、私の会社も海外ブランドとの取り引きは買い取りでやっているので、予定していた入金が土壇場で「返品」に変えられたのではたまりません。

 そこで担当者に直接「買い取りの約束でしたよね」と抗議をすると、担当者は「はい、そうです」と言うのですが、「じゃぁ、約束通り支払ってください」と言うと、今度は上司が出てきて「そんな話は聞いていない」と言ってくる。そして、ごたごたしているうちに、担当者は異動させられてしまって、結果はうやむやにされてしまう。

 そんなことが次々と起こったため、支払いのための現金が足りなくなり、それを補てんするために借り入れを余儀なくされました。

 そうした状態が数カ月ほど続いたころ、私の中でひとつの不安が膨れ上がっていました。「もうずいぶん借り入れをしているが、これってヤバイんじゃないか・・・・・・」

 それでもまだ取り越し苦労なのではないか、という気もしていました。なぜなら、財務も経理も何も言わなかったし、銀行も二つ返事でお金を貸してくれていたからです。

 ついに借入金の総額が四億五000万円に達し、不安を拭いきれなくなった私が、当社の会計顧問である税理士事務所を訪ねたのは、消費税が引き上げられてから半年が過ぎた十月のことでした。

 

1997年のデータを確認してみる

以下のデータは、東京商工リサーチから配信されている「企業倒産の年間推移」がグラフ化されているデータです。確かに、1997年~98年にかけて、倒産件数、負債総額ともに急激に増えています。

1997年、私は20代後半でした。その頃、企業の研修ニーズの1つに、営業を対象とした「与信管理」というテーマがありました。営業担当者が、日常の営業活動をしながら、商品納入先企業の財務状況や、社内で大きな変化がないか(経理担当者の退職)などの情報を把握し、良くない兆候が見られれば会社に報告し、事前に手を打つというものでした。

1998年の新語・流行語大賞のトップテンに、「貸し渋り」が入っています。「消費税」だけが経済悪化の要因ではありませんが、その後につながるきっかけの1つになったことは、間違いないでしょう。 

企業倒産の推移

 データ引用:東商リサーチデータ引用:時事ドットコム:【図解・経済】企業倒産件数の推移 最新※2012年1月13日現在の記事http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_eco_companytosan 

 

リーダーとして、今できる3つのこと

今後、消費税がどうなっていくのか、また、消費税以外の税金がどのようになっていくのか、私たちにはわかりません。しかし、個人としては「仕方がない」と済ますことができても、全体、特に組織には大きな影響がありそうです。また、その影響はしばらく経ってから私たち個人に及んできます。その時に、給料が上がらないこと、ボーナスが出ないこと、働く場がないことへの不満を言っても遅いのです。

そこで、そうした影響を最小限にするために、私たちに今できることご紹介します。それは、次の3つです。

1つ目は、「税金」についての「知識」を得ること。

2つ目は、「税金」がもたらす影響について「想定」しておくこと。

3つ目は、「想定」されることに対し「対策」を講じること。

特に、お客様(消費現場)に近い、30代~40代こそ、このような知識を持ち、問題意識を高めておき、必要に応じて自分の考えを伝えられるようにしておきたいもの。

「税金」の話が身近に感じられないのであれば、厳しい状況を乗り越えた経営者の書籍などに目を通し、何が問題で、その問題に対してどのように考え、どのように対策を講じたのかを、時系列で整理してみると面白い発見があるかもしれません。

まずは、ご自身が取り組めそうなことを見つけてみてください。

 

実は私は、今回このようなお題をもらうまで、「税金」については「思考停止」状態でした。しかし、テーマを与えられ、自分なりに考えてみることで色々と気づくことができました。また、取り組まなければならない新しい課題も見えてきています。

本ブログの内容が、少しでもお役に立てば嬉しく思います。

 (参考情報)

文章引用書籍:3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい 株式会社サマンサタバサジャパンリミテド 代表取締役社長 寺田 和正氏著 サンマーク出版 刊 http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/2452335.html 

財務省:「わが国税制・財政の現状全般に関する資料(平成23年10月末現在)http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/index.htm 

 

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